かぶれの世界(新)

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不都合の分担

2013-08-10 17:04:18 | ニュース

8月5日午後、アメリカ空軍のヘリコプターが沖縄北部のキャンプハンセンの敷地内に墜落、沖縄住民の強い反発を惹き起こしていると報じられた。県は直ちに原因究明まで飛行中止を求め沖縄米軍トップに抗議し、仲井間知事は原因究明を国に要請し政府も米国に対応を求めたという。同盟国である米兵の安否報道が少ないのが気になった。

墜落したのは救難用のヘリコプターHH60だが、関連して住宅地近辺での飛行訓練に不安を持つ沖縄で反対の強かったCV22オスプレイの計画配備の撤回や飛行訓練を求める地元自治体や住民の声を紹介するニュース報道があった。だが報道が過熱したのは翌日まで、事故から5日経過してマスコミ報道は記録的な豪雨と猛暑や行方不明の少女事件に忙しく、いつものように忘れ去られている。何かおかしい。

米軍の沖縄基地問題をその時その時の事件として扱い、反発する地元自治体と住民の声を伝え、政府の責任を追及して終らせる報道のあり方に深い疑問を感じる。安全保障のため米軍基地は必要か、必要だとしたら何故沖縄になければならないのか、沖縄以外に負担を軽減できる場所はどこか、ここまで問題提起しないと何も前に進まない。

沖縄の人の苦しみとか奇麗事を言って実は何も先に進めないのは、表面的な報道で済ませるマスコミと、不都合を絶対に受け入れない他の地域の人達のせいだ。深く追求しないで政府の問題で終わらせないと不都合が自分のほうに向かってくるからだ。最後に「政府の対応力が問われる」なんてクソみたいなコメントで終らせている。つまり我々は何も考えなくて良いと言っている。

参院選の前に橋下大阪市長が沖縄基地の一部を地元が分担すると提案して袋叩きにあった。選挙目当ての思いつき提案と非難された(多分その通り)が、手順を踏んで提案しても地元は絶対反対で潰されたろう。彼の提案は唐突だったが、その中身についてもっと真剣に取り上げ選挙民や政治家は考えるべきことだった。

実は基地問題だけではない。多くの人は口では同情しても自ら不都合を分かち合う気持ちなんかないと私は断言する。東日本大震災で発生したがれき処理が震災復興の第一歩とか言いながら、多くの自治体は住民の反対で受け入れず、酷いところは検討するだけで税金(支援金)を受け取った。社会保障の充実を訴えながらその財源として負担(消費税)には反対する。かくして政府(自治体を含む)の借金は遂に1000兆円を超えた。子供達の先行きが心配だ。■

コメント
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