かぶれの世界(新)

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田舎暮らし雑感14春(3)

2014-05-03 22:38:21 | 日記・エッセイ・コラム

 一昨日家内が東京から戻って来た。空港で彼女をピックアップして母と義母の入居している介護施設に向かった。母は家内の訪問に余り表情を変えず、ひ孫が生まれたことを改めて伝えても反応がなかった。医者は特に悪い所は無いと言う。義母は家族が住む町の介護施設「特養」に移ったばかりだった。費用負担が大幅に軽くなる上に家族が顔を出し易くなっていいだろうと思ったが、義母は不満顔で前の施設の方が良いと言った。彼女は95才になったというのに顔色も反応も良く会話がポンポン進む。思わず86才の近年劣化が進んだ母と比べてしまった。

 家内の帰省は今日の法事の為で、昨日まで私の実家に泊まった。初日は美味しいものに目がない彼女の為に下灘の料亭を予約してハモ料理を食べたが、殆ど味のないハモの湯引きは余り気に入らなかったようだ。量も多過ぎだと。それより料亭で女将と知人の消息の確認が出来たのが良かったようだ。小さな村なので私から見ると彼女は地域の全員を知っているように感じた。

 二日目は今治に行きしまなみ海道で魚料理を頂くつもりだったが、朝起きると体がだるくて遠出するエネルギーが無かった。最近処方された新しい降圧剤の効き目が良くて血圧が時々110台に下がるせいか、どうにもやる気が起こらないことが時々ある。家内は無理をしなくていいと言ってくれ中止した。お茶を頂いてゆっくりしたところで少し元気が戻って代替案を思いついた。

 車でお寺に行き半年間放っておいた墓掃除をして、その足で内子町に向かいミニ観光と食事をすることにした。彼女の希望は内子の名物料理ではなくモンジャ焼きだった。ここまで来てモンジャかと私は皮肉ったが、意外に美味しく彼女も満足した。その後古い町並みを歩き再び車で実家の近くにある馴染みのカフェで一休みし、その後スーパーで酒のつまみを仕入れて実家に戻りお酒を頂いた。いつものお酒、ワイン、ビールの3点セットだが、私が選んだワインの味が薄く「ロゼ」だと気づいてたのと家内が馬鹿にした。確かに美味しくなかった。

 彼女が帰省したのは義父の17回忌と義兄の13回忌に出席するためだ。11時前に家内の実家のすぐ近くのお寺に顔を出すともう家内の兄弟家族親戚の人達が揃っていた。もうこれだけの人が勢揃いすることは無いだろうと言うと義姉は頷いて、私たちはもっと簡単にやるとの返事。我々の世代は皆そういう。主催の義兄の挨拶で義父の子供や孫、曾孫を合わせる何十人にもなると言う、小産系の我が家から見ると繁殖力の強さが羨ましかった。

 山の中腹にある家内の実家から見降ろすとみかん畑の緑の中に農家の屋根が見え、その向こうに美しい瀬戸内海が拡がる。この季節にはどの農家にも鯉のぼりが立ち五月晴れの瀬戸内海に泳ぐ姿は40年近く経った今でも懐かしく思い出す。ところが今はどこの家にも鯉のぼりが見えない。法事に参加した何人かに聞いてみると、どの家も子供がいなくなった上に最近は鯉のぼりの代わりに室内に兜(かぶと)を飾るようになったからという。実家の近くも同じだった。■

コメント
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