先月「三菱自不祥事の深刻度」と題して、燃費データ改ざんは不正を知る者全員が目を瞑っていた、会社全体が腐っていた極めて深刻という記事を投稿した。最早、三菱の名の下で自動車ビジネスをやる価値があるか極めて疑わしい、三菱自は会社存続の危機に瀕しているという認識だった。今回、深刻な事態には間違いないが会社全体が腐っていたというのは言い過ぎだったと訂正したい。
不祥事が表面化して20日余りで、急転直下日産自動車の傘下で再建を目指すと昨日報じられた。私は最初このニュースを聞いた時、今までのビジネス関係はあるとしてもこの決定は余りにも性急ではないかと思った。三菱自がどの位腐っているのか把握しているのか、最悪の場合日産に悪い影響を与えることになりかねないと思った。
だが、今朝の日本経済新聞の記事『「ゴーン流」 新境地開くか 三菱自、日産傘下で再建』を読んで、私の分析は表面的で訂正が必要だと分かった。しかも、それは私の会社勤め時代から十分想像できることだった。前置きが長かったが、記事によれば不祥事は三菱自の非常に限られた閉じた組織内で実行されたかも知れない。言い換えれば、内部告発が無かったからと言って会社全体が腐っているというのは言い過ぎだった。
上記記事の出だしをそのまま引用させて頂くと、「開発部門は人事異動が少ない組織で、10年間も同じ部署、担当のままという人も少なくなかった」(関係者談)。私の経験では、極めて正しい。技術開発部門の主な技術者は何年も同じ部署で仕事をする。自動車とは技術が異なるが、私も若い頃はコンピューター技術者として十数年同じ職場に働き、幹部職になって初めて2-3年おきに職場を変わった。
実際に技術開発に携わっている頃に規格に合致する設計や確認試験の詳細は、設計担当の判断に任され上司はレポートで確認するだけだった。万が一誰かがデータ偽装したらすり抜けた可能性は十分ある。振り返るとそれは技術者の良心に頼るしかない、不正を防ぐしっかりしたシステムがあった訳ではなかったと記憶している。ただし、検査部門は独立しており開発部門の意向に左右されなかったので不正は見抜かれたと思うが。
以上整理すると、今回三菱自のごく限られた組織だけが腐っていたとしてもデータが改ざんされて市場に出ていた可能性がある、つまり会社ぐるみの不正ではないかもしれない。それでもデータ改ざんを日産の検査で見つけ、三菱自の検査部門は目を瞑った可能性がある。提携後に技術部門に日産の技術者を送り込むという。不正が起こった仕組みを徹底的に洗って対応するのか、なあなあで済ませるのか凄く興味がある。■
不祥事が表面化して20日余りで、急転直下日産自動車の傘下で再建を目指すと昨日報じられた。私は最初このニュースを聞いた時、今までのビジネス関係はあるとしてもこの決定は余りにも性急ではないかと思った。三菱自がどの位腐っているのか把握しているのか、最悪の場合日産に悪い影響を与えることになりかねないと思った。
だが、今朝の日本経済新聞の記事『「ゴーン流」 新境地開くか 三菱自、日産傘下で再建』を読んで、私の分析は表面的で訂正が必要だと分かった。しかも、それは私の会社勤め時代から十分想像できることだった。前置きが長かったが、記事によれば不祥事は三菱自の非常に限られた閉じた組織内で実行されたかも知れない。言い換えれば、内部告発が無かったからと言って会社全体が腐っているというのは言い過ぎだった。
上記記事の出だしをそのまま引用させて頂くと、「開発部門は人事異動が少ない組織で、10年間も同じ部署、担当のままという人も少なくなかった」(関係者談)。私の経験では、極めて正しい。技術開発部門の主な技術者は何年も同じ部署で仕事をする。自動車とは技術が異なるが、私も若い頃はコンピューター技術者として十数年同じ職場に働き、幹部職になって初めて2-3年おきに職場を変わった。
実際に技術開発に携わっている頃に規格に合致する設計や確認試験の詳細は、設計担当の判断に任され上司はレポートで確認するだけだった。万が一誰かがデータ偽装したらすり抜けた可能性は十分ある。振り返るとそれは技術者の良心に頼るしかない、不正を防ぐしっかりしたシステムがあった訳ではなかったと記憶している。ただし、検査部門は独立しており開発部門の意向に左右されなかったので不正は見抜かれたと思うが。
以上整理すると、今回三菱自のごく限られた組織だけが腐っていたとしてもデータが改ざんされて市場に出ていた可能性がある、つまり会社ぐるみの不正ではないかもしれない。それでもデータ改ざんを日産の検査で見つけ、三菱自の検査部門は目を瞑った可能性がある。提携後に技術部門に日産の技術者を送り込むという。不正が起こった仕組みを徹底的に洗って対応するのか、なあなあで済ませるのか凄く興味がある。■