かぶれの世界(新)

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驚くべきグレートトラバース

2016-05-19 22:00:12 | スポーツ
2,3年前からNHKBSの番組「グレートトラバース」を欠かさず見て来た。プロのアドベンチャーレーサー田中陽希氏が屋久島から始めて北上し一筆書きで日本百名山を踏破、続けて二百名山を南下するという「スポーツを越えた冒険番組」だ。再放送も欠かさず見ていたが放送時間帯が変わり尻切れトンボになっていた。

難コースを軽々と乗り越えて行く田中氏の強靭な体力は驚くばかりだ。ピッチ走法とでもいうべきとんでもない速さで歩き、難コースでも通常時間の半分程度で上りきり早ければ3-4割の時間しかからない。それを何日も続けるのだから凄い。日本を代表する山を軽々と登ってゆく彼の姿を見るのは爽快だった。

私が40代後半で米国ワシントン州に単身赴任した時、気候が良い夏には週末になるとテントを背負って国立公園にある山に行った。ワ州は米国で唯一3つも国立公園があり、特にレニア山とオリンピック周辺の多くのハイキングコースに行った。私もその時利用したガイドブックのコースタイムの半分から7割の時間で歩いた。

上記の番組で、通常の半分以下の時間で田中氏が山に登ったと毎回聞くたびに、私も同じ位の速さで歩いたのだろうか疑問に思ったものだ。当時のメモを見ると実際半分くらいの時間で歩いている。当時私が利用したのは以下のガイドブックだ。

50 Hikes in MOUNT RAINER NATIONAL PARK 1988 The Mountaineers
100 Hikes in Washington's SOUTH CASCADES AND OLYMPICS 1992 The Mountaineers

これ等のガイドブックを見返すと本格的な山登りというより山中を歩くハイキングコースが多い。コースタイムを算出する基準が同じではないかもしれない。手書きのメモを見ると例えばエメラルドリッジは10時間のコースを休みを入れて5時間25分で歩いたことになっている。

その頃は私も40代後半でまだまだ体力に自信があった頃だ。日本を出る前のバドミントン大会でも若者と競った。後にマッキンレーに登った同僚の米国人と夫々別の日にレニア山に登り同じコースタイムだった。しかし、テレビで見る田中氏は飛ぶように歩くという感じで私などとはまるで違う。かつての私と全然違う、としか思えない。

それよりも「やっぱり私らしいな」と思い出したことがある。あれほど美しい自然の中を歩いたのに、コースタイムを意識して汗まみれでただただ歩き倒した…そういう記憶が甦って来た。普通のハイカーのように楽しんでないのだ。それが私なのだが。家族を連れて2泊三日のトレッキングにった時、誰も楽しかったと言わなかった。

何故そうなったか私の性格以外に言い訳がある。米国では高速道路を2-3時間走りやっと登山口に着き、ハイキング後、又同じ時間をかけて帰る必要があった。しかも常に単独行だった。田中氏も単独行には違いないが、実際は撮影クルーがいる。単独で知らない国の知らない山に入る怖さが背中を押したのかもしれない。だからと言ってプロの田中氏とまともに比べる積りなどない。超人的な姿を見てつい昔の私と比べて見ただけだ。■
コメント
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