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選挙の争点(白紙委任状)

2005-09-09 09:49:30 | インポート
新聞各紙は衆院選終盤に向かい自民党が優勢、単独で各委員会の委員長を独占する安定多数を取れるとの見方まで出てきた。しかし小泉首相は来年1月で退陣すると明言し、それ以降どうなるか、また郵政民営化以外の政策については議論を避けている。私は郵政民営化をはじめとする構造改革を支持し、その為の派閥主導の党内権力構造の改革を支持する。しかし、それは全てのイシューに白紙委任状を出すことではない。自民党が余りにも圧勝すると白紙委任されたと勘違いされることが心配になってきた。

米国では白紙委任状を金額の欄が記入されていない小切手(ブランク・チェック)という。米国はテロ対策を全てに優先するブッシュを大統領に選び、ブッシュはその他の政策はブランク・チェックを得たかのように温暖化対応や幹細胞研究、エネルギー対策等について世の中の流れに逆行する政策を次々に打ち出していった。

ニューオーリンズ市のカトリーナ災害はブッシュ政権の緊急事態に対する感度の悪さだけでなく、遡って市を取り囲む堤防補強予算を削った為起こり、イラク戦争に州兵が駆り出されたため初動が遅れたと指摘されている。NYタイムスのフリードマン氏は署名入りの記事でブッシュ政権の政策は、片側が「9/11」反対側が「カトリーナ」の本立てに挟まれた本に例え、その性格から何故失敗したか分かり易く説明している。結果的に「9/11」からしか判断しなかった米国の民意が今付けを払っていると私は思う。

ブッシュはテロとの戦いというシングル・イシューを争点にして勝ったように、小泉氏は郵政民営化を唯一の争点に選挙を優勢に戦っている。選挙戦略としては非常に効果のあるやり方だ。日本国民の多数は構造改革は避けられない、早くやってくれということで一致しているようだ。私もそうだ。しかし、その後何が起こるか不安がないわけではない。アメリカと同じ轍を踏むことにならないだろうか。私はそれ以上に郵政民営化を断行する上で取った政治改革に期待したい。

不安はあるが小泉氏が従来自民党がXXX部会と称して族議員と官僚が特定の既得権益を守ってきた政策決定プロセスを壊したことを評価する。小泉政権に白紙委任状を出すつもりは全くない。だが郵政民営化をきっかけに政策決定プロセスがより民意を反映した透明なプロセスになるのなら悪くない。仮に間違った決定がなされても民意を反映して修正出来るからである。最悪の場合、政治家も国民も間違うかもしれないがそれは自業自得であり、甘んじて結果を受け入れさっさと修正できる国になるなら大きな進歩である。過去の選挙では日本国民は微妙なバランスを取って来たように、今回も白紙委任状を貰ったと思わせるまでにはならないと思う。■


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