かぶれの世界(新)

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人材不足の米大統領選

2011-12-16 18:05:07 | 国際・政治

ニュート?

嘘でしょう?
ギングリッチ元下院議長が共和党大統領候補の指名争いで支持率トップに立ったと聞いて、私は耳を疑った。民主党は余程の失敗がない限りオバマ大統領が再選を狙うことになるが、失業率が高止まりで若者の支持率低下が伝えられている。にもかかわらず、共和党の大統領候補選びが迷走して折角のチャンスを生かせそうもなさそうだ。

共和党の最有力大統領候補は中道派のロムニー前マサチューセッツ州知事だったが、茶会の強い影響を受けた党右派はロムニーを嫌い次々と対立候補を押し出してきた。バックマン下院議員、ペリーテキサス州知事、ケイン候補が有力候補として浮上したが、討論会での失言や能力不足・スキャンダルが噴出して支持を失った。消去法で表舞台に立ったのがニュート・ギングリッチだ。

しかし、私から見ると彼はもう死んだ人だ。1994年、彼が下院議長就任後クリントン政権と徹底的に対立して予算案を議会承認させず、政府機関が数週間閉鎖し連邦職員が一時帰休に追い込まれた。この非妥協的な対応にメディアは批判を強め、ギングリッチは世論の支持を失った。

モニカ

不倫騒動でクリントン大統領が窮地に陥った95年に私は米国に赴任した。この時、追及の急先鋒に立ったのがギングリッチ下院議長で、毎日のようにテレビで彼の顔を見た。彼は失地回復の積もりだったかもしれない。しかし、皮肉にも彼自身が不倫の最中にあったと後ほど暴露された。98年に下院中間選挙で負けて議長退任と同時に下院議員も辞めてしまった。この時政治家としてのキャリアも終ったはずだった。

彼は大統領候補には適してない「すねに傷ある男」なのに、何故最有力候補になったのだろうか。それは共和党の主流(右派)が担ぎ出したピカピカの候補、バックマンやペリーが無能だから消去法としてギングリッチが浮上しただけのことだ。しかし共和党右派のメガネにかなう人材がこれほどいないとは誰も予想しなかったと思う。

ギングリッチは叩けば一杯埃が出てくる候補だ。これから1年間大統領選を戦うにはマイナス要素が多すぎる。端的に言えば戦えない候補だ。共和党内ではギングリッチが3割、ロムニーが2割の支持を集めているという。だが、経済回復に苦戦するオバマと本選で戦うには、経験を積んだロムニーの方が有利との見方が一般的だという。

いずれにしても、ギングリッチを担ぎ出すとは余程の人材不足、他にいないのだろうか。大統領選は来年早々にアイオワ州の予備選から始まり、来年末の本選挙まで延々と続く。果たして茶会は現実的になれるだろうか。こういうには早過ぎるが、ニュートがトップ・ランナーになるような共和党では勝ち目はないように私は感じる。■

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田舎暮し雑感11秋(5)

2011-12-14 18:09:50 | 日記・エッセイ・コラム

今までとは少し違った意味合いでこのシリーズの投稿を続けようと思う。通風とガン騒動で家にこもることが多くなり、田舎の風景が少し変わって見えるようになった。通風がまだ完全に良くならなかったので、日曜日の檀家主催の奉仕作業と念仏講には用心して出なかった。先月あった中学の同窓会もガン騒動で出席をキャンセルした。

10月からずっとバドミントンの練習もやって無いし、公民館が主催した地元のシンボル神南山の登山も棄権した。外部との接触が急速に少なくなった。近所のオバサン以外は養老院に病院とスーパーだけ。なんだか急に自分の周りの世界が縮小して疎外感が募ってきた。

体調のせいで畑仕事に出る気が無かったのだが、いずれにしてもこの時期は雑草が伸びず殆ど手入れ不要なのに救われた。結果としてこの2ヶ月の生活は、年をとっていつか身体を動かせなくなった時の田舎暮しのシミュレーションをしたことになった。

その頃には時々声をかけ気にかけてくれる近所のオバサンたちも健在かどうか分からない。仮に当座のガン騒動を切り抜けても、これが数年後に迎える田舎生活と思った。やばいなー・・・。そうなると東京に住む子供達と孫に目が向いていく。だが、彼等の生まれ育ったのは都会だ。

このシミュレーションには未来が無い。ガン騒動では入院経験を努めてエンジョイしようとした。だが、それはずっと続くものではない一時的な選択が前提だった。母がいる間は別として、このままでは田舎暮しをする意味が無くなってしまいそうだ。農業は私に向いてないことだし。田舎暮しをする何か強い動機が必要だ。

昨日は通風の具合が良くなって久しぶりに1万歩歩いた。携帯の万歩計は8千歩を指しており、携帯を身に付けず動いた時間を加えると1万歩に達した。急に足を動かしたせいか右足が少しムズムズする。通風再発が少し心配だったので散歩を止めた。代わりに今日はハッサクを取り入れご近所にお裾分けし、帰京に備え最後の庭の草むしりをした。暖かい日差しの中で気持ち良かったが、一人寂しい午後だった。■

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私的・欧州危機-会議は踊る 

2011-12-12 17:39:04 | 国際・政治

身近に迫る欧州危機

プロ棋士の碁や将棋は互いに最善手を打つので、一手毎に局面の優劣が替わるといわれている。2年前のギリシャ危機に端を発したEU危機に対応し、EUは異例の頻度で首脳会議を開催し手を打ってきた。だが、その一手一手が市場の期待する最善手とは言えず、会議前の期待と会議後の失望を繰り返してきた。皮肉な期待と失望のサイクルだ。これ程問題先送りを繰り返すのも日本以外では珍しい。

既に指摘されているように、長引くEU危機は世界経済にジワジワと悪影響を与え、リーマン・ショック後の世界経済回復の牽引車となった新興国・資源国の経済悪化がついに表面化し始めた。私は金融資産のかなりの部分を新興国・資源国に振り向け、リーマン・ショックで痛撃を受けた虎の子の老後の資産を一時回復した。だがそれも束の間、9月頃から暗雲が垂れ込めた。

欧州危機が私の判断を狂わせた!

長引く欧州危機をどう評価してどう行動するか、私にとっては老後の資金がかかっている(既に老後ですが)。欧州危機はリーマン・ショックに比べ影響の広がりとタイムラインが読めないとずっと感じていた。更に10月後半に8-9割でガンだと診断を受け、ちゃんとした判断が出来るか不安があった。そんな時の10月後半頃に証券会社の担当マネージャが、来春にかけて新興国・資源国通貨の先安感が濃厚になったので、投資の一部を円資産に移すよう助言してくれた。

私は健康問題のせいか安全志向(つまり弱気)になっていたので、いつもに比べあっさりと助言を受け入れた。考え方は悪くないと思うのだがタイミング的には最悪で、底値で売りかなりの損を確定させてしまった。この記事で、この私的事情と重ね合わせて(つまり多少正気を失い、怒りを感じて)欧州危機を解釈してみる。

何かオカシイ、欧州首脳

欧州首脳の決定は当初から基本方針は正しいのだが、具体的な施策のタイミングや手順は最悪良くて不十分というのが続いている。9日のEU首脳会議でも市場の評価はマチマチだった。私から見ると財政規律強化がやたら強調されただけで、緊急対応が必要な重債務国の返済の見通しが立ったわけではない。記者会見でサルコジが胸を張って成果を誇るのは空元気っぽく感じた。

事態の深刻さと影響が伝播する速度についての認識が最初から甘く今もそう変わらない。底流には仏独などの大国は自国が起こした問題ではないという気持ちが、政府国民両方にあった為だと私は疑っている。2006年頃のサブプライム問題を見る米国内外の目を思い出す。当時誰もがリーマン・ショックに発展するとは予想しなかった。

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だがリーマン・ショックで欧州政府は十分習したはずなのに、打つ手が不十分で遅いのは何故か。彼らは何時までたってもこの素朴な問い掛けに応えてない。南欧の国債暴落(金利上昇)の対策として直ぐやらなければならないことはただ一つなのにもかかわらず、だ。

欧州銀行(ECB)の国債購入禁止という「欧州の自縛」がヘッジファンドに付込まれている。危機に直面して日米とも中央銀行(日銀・FRB)が巨額の資金を投入して買い支えた。市場(ヘッジファンド)と対峙するにはこの選択肢以外にない。欧州政府(英国を除いて)はそれが気に入らない。メルケルやドラギECB総裁は否定的だがいつか追い込まれて必ずそうなると私は予測する。

大西洋を挟んで報道の温度差

米国が(欧州危機が米国に波及する)危機感を持って欧州首脳に迅速な対応を求めてもまともに取り合わない、米国の影響力がなくなったとファイナンシャルタイムズ(FT12/5)は報じた。クリントン時代と違ってガイトナー財務長官の助言(中銀の積極介入)など軽くあしらわれているという。

だが、独仏はヘッジファンドが暴れ米国の格付会社が国債を格下げするのを苦々しく思っている。具体的には長期金利(国債)の金利が上昇するのを恐れているのだ。元々ドイツが南欧諸国の支援に躊躇するのも、欧州一安い金利を享受している特別の状況を維持したいが為で、これら重債務国に引っ張られては堪らないと思っているからだ。

これをドイツの身勝手と思うか、原理原則を貫くと思うか。本音を探ると、大西洋だけでなくドーバー海峡にも、或いはマジノ線(独仏国境)にも温度差がある。基本は欧州政府がキチンと対応できるか、その能力があるのか、疑いを持っている。だから市場は強気と弱気が交錯し風向きによって日替わりメニューのように変化する。市場の主体はウォールストリート(米国)であり、シティ(英国)である。

会議は踊る

ニューズウィークなど米国メディアは欧州政府の無能振りを指摘し、フランスは懸命にドイツを留めようと歩調を揃えている。だが、ドイツのユーロ離脱論が現実の可能性として議論されるようになって来た。米国は軽んじられ、英国は大陸と距離を置く、フランスが無駄に動き回る、ナポレオン戦争後の「会議は踊る、されど進まず」的混沌だ。見方を変えれば、フランス得意の外交力を発揮するには最高の場面かもしれない。

サルコジは必死の調整を続けながら、その役割に内心楽しんでいるかもしれないと思う。上手く行かなければ無能と思われるが、悪役メルケルをなだめEU崩壊の危機を救うジャンヌダルクになるのか、それとも問題先送りしかできずメッテルニヒになるのか。危機が回避できれば主役はドイツでも立役者はサルコジになるだろう。

いまや炉心溶融に喩えられるユーロ崩壊は最後には避けられると予測する。だが、追い込まれて政策の小出しを続けながらぎりぎりの状況で対応していくことになる、結果として2012年後半まで新興国を始め世界経済にかなりの悪影響を与える恐れがあると予測する。彼らの罪は重い。■

習効果がない?

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天邪鬼12.8

2011-12-09 15:38:58 | 社会・経済

70年前の12月8日朝、ラジオの臨時ニュースは日本がハワイ・真珠湾を攻撃し米国と戦争状態に入ったと報じた。新聞は高らかに開戦を伝え、知識人も国民も高揚したといわれている。そして4年後の1945年8月15日に広島・長崎に原爆投下され、追い込まれた日本は天皇が終戦の詔勅をくだした。

日本が岐路に立ちその後の運命を決めたのは12.8だったが、今日国民的な行事となっているのは8.15だ。広島・長崎の原爆投下から終戦追悼まで天皇・首相から一般国民まで儀式に参加し大々的に報じられる。一方、12.8は昨日からのテレビ・新聞報道は極めて地味である。3つの主要新聞がこの時期に12.8に関る社説を掲げたのは朝日新聞だけだった。

朝日の社説は真珠湾を今日に照らし3つの教訓があると説いている。即ち、(1)危機の時代に性急な解決を求めるな、(2)少数者の意見を尊重し広い選択肢を持て、(3)世界の中で他者の視座でわが身を見よ、と。最初の2つに朝日の本音を感じ、最後はバランスを採る為付け足したと感じる。私には誰に対する教訓か良く分からない、そもそも朝日に自己反省が感じられない。

日本の運命を決めた12.8は何故こういう扱いなのか。自分の責任を無視し、自分が被った痛みだけ声高に主張する傾向を感じる。それが朝日の主張する少数者なのかもしれない。8.15には原爆被害とか戦争中の難儀を思い起こさせて戦争の被害者になれる都合の良さがある。一方、12.8は戦争を引き起こした加害者であった現実を付きつけられる。それが12.8には触れたくないという想いを反映した結果の現れだと感じる。

以前から指摘するように被爆者や沖縄の人達も開戦に高揚した国民の一人であり、或いは戦争に参画した。これを忘れて、ただ被害者の顔をするだけでは世界の理解は十分に得られないと私は思う。12.8の過ちを繰り返さない決意を示さなければ、いわば国ぐるみで被害者根性に浸っているようなもだと天邪鬼の私は信じる。■

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高齢化の時計(10)

2011-12-08 12:39:24 | 健康・病気

高齢化の時計が少し逆回転したかもしれない。昨日ガンセンターの担当医が開口一番「生検の結果は良性」と言った。しかし、PSA値は基準値(4)を上回る17で、前立腺の硬化が進んでいるのでガンを見落としている可能性が残っており、つまり無罪判決を保留した格好だ。とは言っても、考えうるベストの結果だといえる。

この先、二つの選択があると先生は続けた。もっと生検のポイント数を増やすか、あと2ヶ月くらい待ってPSAをもう一度再測定して判断する、というもの。彼は朝の会議で治療方針を報告し、上司の了解を得た、自分一人の判断ではないことを強調した。

私は生検は痛いから出来ればスキップしたいといい、2月中にもう一度来院して血液検査をして判断することになった。子供みたいで恥ずかしいけど、もう痛いのは嫌だった。今も続く信用不安の問題先送りと同じだ、政治や経営が痛みを伴う解決をしたがらないのと変わりない。たとえそれが致命的な場合でも。

血液検査データを貰ってチェックすると、この数ヶ月いくつかの生化学指標の変化が大きいように感じた。だが、先生は短期間に生化学指標が変動することはないという。後からパソコンで記録を調べると、10月に異常を感じて以来PSAに加えてγ-GTP・ALPが急増し基準値を超えている。いずれもガンになると悪化する指標で、私も検査を続ける必要があると思った。

ガンセンターを紹介してくれた友人は、最初ガンが他臓器に浸潤しているという診断を聞いてかなり深刻だと思っていたようで、結果を報告すると安心してくれた。東京にいる家族は銀座ナンタレとか言うお店に集合し、私抜きで祝杯をあげ又仕事に戻ったそうだ。皆にはもう問題ないような報告をしたが、私は上記の生化学指標が気にかかり微妙な気持ちだ。通風が再発したこともある。

余談だが、ガンセンターのシステムは外部と切り離され隔離された状況にあるという。これはカルテなど個人情報を守る為で理解できる。しかし、データを共通化して全ての医療機関で利用できる効果も極めて大きい。やり方を工夫して解決できないものか。ところで、彼はパソコンがないと仕事が不自由だが、使いこなせず苦労しているもっと上の世代の医者もいるという。■

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