作るのはうんざり
何を作って食べるか田舎に暮らす老人にとって毎日巡ってくる悩みの種だ。先日1週間分の食料をかごに入れてレジに持って行き、思わずため息をつくとレジのオバサンが気付いて目が合った。「主婦の大変さが分かったよ」と言うと、「そうでしょう」としたり顔で返事が返ってきた。
決して嫌と言うわけでもない、料理が好きで上手くなりたいとも思わない、ただ淡々と作り続けるのに飽きた。美味しいものを作りたいという野心はない。料理を作る時間に飽きた。だが、作って食べなければ生きていけない。エネルギー補給という点では妥協できない。
万能の冷凍保存
正確に言うと美味しいものは食べたい。時間がかかり面倒臭いプロセスが不要ならやる。その一つがご飯やパンを積極的に冷凍する、保存より味を良くする為だ。以前は一旦冷ましてから冷凍したが、最近家内に教わり熱いままご飯を冷凍する。炊き立てのうまみを保つより、電子レンジで解凍後のモチモチ感が好きだ。冷凍する時に澱粉化が進むのではないかと想像する。
食パンも基本は同じだ。買ってくると直ぐに冷凍室に放り込む。カチカチに凍ったパンを電子レンジに30秒もかけるとフニャフニャになる、トーストすると魔法をかけたみたいにモチモチして美味しくなる。食感の差だから美味しいと感じるのは個人の好みの差かもしれない。ジャガイモや栗は冷蔵保存すると美味しくなる、それと同じ現象が冷凍でも起こるのだろうか。
玄米に挑戦
料理嫌いの割には健康に良いものは積極的に取り入れている。その一つが玄米だ。地産地消の市場ではオーダーメイドで精米をやってくれる。昨年8分づきに挑戦したが標準白米と味は変わらなかった。今回は一気に玄米に行くか迷った。
市場で売り子の若者に聞くと玄米は口の中でパサつくが、5分くらいまでなら違和感がないと勧められた。玄米を買って後から不味いので精米してくれと戻ってくる顧客がいるという。それを聞いて今回6分づきにしたが、私には今迄と変わらない味だった。冷凍後した後の味も同じだった。
最後まで何になるか分からない
時間が来れば何か食べるものを作らなければならない。外食するにはケチすぎる。しかし、何にするか決まらない。「決められない料理」だ。芋・ニンジン・カブ・玉ネギ・肉・クズシ・ネギ等ストッカーには食材がある。とりあえず何を作るか決めず、食材を一口大に切って油を引いた鍋に入れ玉ネギから順に入れて煮る。
暫く沸騰させアク取りをしてニンジンに箸が通る頃に、カレーかシチュウのルー、はたまたダシ入り味噌かメンツユを入れるか決める。そんな適当な作り方では美味しくならない、よくもそんなものを食べると言われれば否定しない。でも、食えないほど不味くはないし栄養補給にはなっている。■