一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

将棋ペンクラブ関東交流会・その4

2013-06-01 00:09:13 | 将棋ペンクラブ
向かいのご婦人の左隣は男性だったが、間が持たないのか、席を外してしまった。女性ふたりもほかに場所を移す。と、その空間に、20代と思しき男性が盤と駒を持ちだし、将棋を始めた。スキあらば将棋。将棋バカの集まりは、ジョナ研だけではないのだった。
少し経って、先ほどのご婦人が戻ってくる。わずかな空間を見つけて、すべりこんだ。
また話を聞くが、彼女が小声でしゃべるので、あまりよく聞こえない。…というより、私の耳鳴りが激しいのだ。きょうは「キーン」という音が、ひときわ高く響いている。私は彼女に耳を近づけるが、あまり相手のパーソナルスペースに侵入するのも味が悪い。
結局私は、曖昧に相槌を打つだけだった。
ただ、このご婦人は、フェアリープリンセスの一員として、社団戦にも出場したことがあるらしい。棋力を聞くと三段とのことで、これは立派な女子アマ強豪である。
左にいた女性が大きな色紙を抱えて戻ってきた。マンガ家・バトルロイヤル風間さんに似顔絵を描いてもらったのだ。見せてもらったが、そっくりである。
あまり知られていないが、バトルさんは似顔絵描きの天才だと思う。下描きなしでサラサラと描き上げる腕は天下一品だ。
恐らくバトルさんは、対象の顔を見たとき、頭の中で即、線描化しているのだ。下描きもないが、それもバトルさんには見えているのだろう。
長沢千和子女流四段そっくりの女性がいたので、声を掛けてみる。彼女は加藤桃子女流王座のお母さんだった。立派な娘(息子)を持つ親は幸せである。
「女流王座戦のトップページに娘さんの画像が載って、親としても誇らしいでしょう」
と聞くと、お母さんいわく、(桃子女流王座は)その写真をあまり気に入っていない、とのことだった。
桃子女流王座の次なる狙いはマイナビ女子オープンだ。もし来年奪取すれば、純粋奨励会員が女流棋戦で1,000万円の賞金獲得という、とんでもない記録が生まれることになる。
またひとり、バトルさんの色紙を持つ女性がきた。もちろん見せてもらうが、やはり似ている。バトルさんのうまいところは、対象より2~3割増しでかわいく描くところにある。
余談だが、私が高校時代、クラスの女の子の似顔絵を描いたことがあった。それはそっくりだったのだが、本人は不満顔である。そこで、ウソを承知で彼女をかわいらしく描き直したら、本人は満足したのであった。
もっとも今回の皆さんは、それなりのかわいらしさだったが…。
彼女にも話を聞くと、木村一基八段と井上慶太九段のファンだという。これは渋いところを突いたが、両棋士はお世辞にも髪の毛が豊かとはいえない。
木村八段のあの頭はどうなのかと問うと、彼女は、アタマは関係ないというそぶりだった。
これは私にも希望が持てる回答である。薄毛万歳!というところ。
Hak氏がきた。Hak氏と会うのはかなり久しぶりだが、Hak氏は変わらず、ひょうひょうとしている。
「白髪が増えましたね」
と軽いジャブがきたが、髪の薄さに触れないところは、彼なりの優しさか。…と思ったそばから「思ったより薄くなってないじゃないですか」
ときた。もっともそう言われれば、こちらもちょっとは自信が回復する。最近滞りがちになっている毛生え薬の塗布を、キチンと毎日しようと思う。
宴もたけなわになり、私は向かいのご婦人に、自慢の待ち受け画面を見せる。中井広恵六段のそれは、さすがにウケた。それがどうしたんですか?という、奨励会のM君とはエライ違いだ。M君、これが処世術というものである。
私はさらに秘話を披露したが、ちょっとしゃべりすぎたかもしれない。いまはご婦人の口が堅いことを祈るしかない。
ご婦人は翌日の「みんなハッピー!将棋パーク2013」も行く予定だといった。存分に楽しんでほしい。
時刻は午後6時半をすぎ、そろそろお開きである。ここで将棋ペンクラブ幹事らが集まって、なぞ掛けを始めた。
しかしみんな酔っぱらっていて、要領を得ない。その中でさすがだと思ったのが三遊亭とん楽師匠で、
「将棋ペンクラブとかけて、電球ととく」
「そのココロは?」
「まずは交流から始まります」
と、なかなか知的な答えであった。
結局、窪田義行六段は来なかった。そもそも棋士のゲストが皆無だ。スーツ姿の男性が途中からいたが、プロ棋士も見えない。あの方は誰だったのだろう。
将棋ペンクラブは三本締めが好きなのだが、きょうは万歳三唱で締める。
「ばんざーい! ばんざーい! ばんざーい!」
私は世間の景気がいいとは思わないが、それでもバンザイをやると、何かいいことが起こりそうな気がした。
このあとは二次会だが、私は雰囲気によって参加不参加を決める。
板の間のところに櫛田陽一六段がいらしたので、挨拶。
「やあ! 大沢さんが3敗もするとは思いませんでした」
櫛田六段がにこやかにいう。
「は? いや、こんなもんです」
「いやいやいや、Oさんは強いから負けてもしょうがないけど、ほかに大沢さんを負かす相手がいないでしょう」
「いえいえ、私はそんなに強くありません」
「いえいえ、大沢さんの実力は知ってますから。だから、ほかに大沢さんを負かした人が2人もいたことに驚きました。将棋ペンクラブはレベルが高いんですねえ」
ウウウ…。「褒め殺し」というのを初めて聞いた。
と、そこに20代の男性が、小池重明氏の話を聞きにきた。これは櫛田六段もマジメな顔で答える。
「棋力でいえば、奨励会でも小池さんより強い人はいっぱいいたでしょうね。だけど小池さんの将棋には、華がありましたよね。華があった」
「華」は「夢」だったかもしれない。とにかく、櫛田六段が小池重明氏の将棋に魅せられていたことは分かった。しかしその櫛田六段も引退の身。世の無常を感じた。
バトルさんとも話す。バトルさんいわく、鈴木環那女流二段はテレビで見るより生で見るほうがはるかに綺麗らしい。ということは、世のほとんどの環那ファンは、彼女の真の姿を知らないことになる。
本田小百合女流三段も、実物はよりほっそりして、綺麗らしい。
迷ったが、今年も二次会は参加しないことにした。来年も交流会はあるが、現在私の周りはひどい状況で、毎日が崖っぷちだ。1か月先のことを考えるのも憂鬱になる。生きているだけで精いっぱい、という感じだ(体調の問題ではない)。
もし来年も参加できれば、それだけでよろこばしいことになる。
コメント (6)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする