15日(土)は、埼玉県川口市にある「大野教室」に行った。もし歯の治療中でなかったら、いまごろは旅行に出て、きょうは前日の出雲大社から京都に移動し、「上羽や」あたりを観光していたかもしれないのだが、それを言っても詮無い。
午後1時35分ごろ教室に入ると、講師の大野八一雄七段が5面指しを行っていた。奥の部屋では、特別講師の植山悦行七段が、Hag君に指導対局を行っていた。W氏、Fuj氏、Ok氏、Minamiちゃんら常連の姿はないが、珍しいこともあるものだ。
今回は植山七段から教えていただく。なんとなく駒を落としたがらない植山七段に角を落としていただく。私の棋力は厳しく見て、アマ三段と思う。角の手合いだって、私には分不相応だ。
対局開始。△6二銀~△5四歩から、植山七段は△6四銀とスルスル出てきた。歩越し銀には歩で受けよ、で私は▲6六歩。植山七段は△5二飛。中央狙いだが、下手はこういう手を怖がってはいけない。飛車と銀だけで潰れるほど我が陣形はヤワではない、金銀四枚で守っているのだから受け切れる、と自信を持つことだ。
△7三桂の数手後、私は▲7五歩。△同歩は▲7四歩だから植山七段は△6三金だが、▲7四歩△同金を利かして▲5六歩と銀取りに打ったのが勝負手。△同銀▲(6七の銀で)同銀△同飛は1歩損だが、のちの▲6三銀を楽しみにする。
以下▲6七金△5五飛となり、ここで▲6三銀と打つチャンスだったが、やや性急と見て、私は4八の銀を5七に上がった。植山七段は▲6三銀を防いで△6三銀(打)だが、これは下手が一本取った形になった。
冒頭に記したとおり、本当なら私はいま京都にいた。その代償として大野教室に来たからには、指導対局で勝って帰りたい。
その思いが滲みでていたのか、植山七段が「大沢さん、スゴイ気合ですね」とつぶやき、席を立った。
中盤、私は桂損になったが、上手の飛車を9二に追いやり、△6二歩と受けさせたので、釣り合いは取れている。
W氏とKun氏が相次いで来た。Kun氏は教室のセミレギュラーだが、社団戦が近いこともあり、実戦が必要なのだ。
こちらは終盤戦。![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/66/6b/432bf60bed2b76336d5c55bba67592b5.png)
第1図以下の指し手。▲3六歩△4四銀▲同銀△同歩▲4五歩△6五銀▲同銀△同金▲4四歩(第2図)
私は▲3六歩と銀を追う。△2四銀は▲2五歩△1五銀▲1六歩なので、植山七段は△4四銀。▲同銀△同歩に▲同角は△4三歩で収まってしまうので、私は▲4五歩。以下▲4四歩の取り込みが実現した。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/66/ec/f8660906d490a67390092e3ce22ae1ff.png)
第2図以下の指し手。△5四銀▲4三銀△同銀▲同歩成△同玉▲4四銀△5四玉▲5八飛△6四玉▲7六銀△同金▲同金△5四歩▲7五歩(投了図)まで、一公の勝ち。
第2図で△7六桂なら▲同金△同金▲4三銀△同金▲4一銀△同玉▲4三歩成まで下手勝ち。これは、前回の指導対局で出てきた手筋にそっくりだ。
植山七段は△5四銀と辛抱したが、私は▲4三銀と打ちこむ。数手後▲4四銀△5四玉の次、指す手が分からなかったが、▲5八飛を発見して、ホッと胸をなで下ろした。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/65/07/8f4a7abec5f0c3cd800a59f862335b00.png)
投了図以下、▲7四金を防いで1.△6三銀は▲5四飛!で詰み。2.△6三玉の早逃げは▲6四歩△7二玉▲7四歩で一手一手である。
時刻は3時を過ぎていた。私にしてはけっこう長い対局だったが、緩めていただき、教室にきた甲斐があった。
3時休みになる。大野七段が「詰将棋をやる方はどうぞ」と、遠慮がちにプリントを配る。最近は詰将棋をマジメにやる生徒が少ないので、大野七段も声のトーンが下がっている。
気が付くとHon氏の姿があった。きょうの生徒はこの10人で終わりのようだ。
私は外に出て、みなと雑談。
きょうは注目の棋譜を鑑賞したいのだが、それは叶わず。3時休みが終わり、大野七段に教えていただくことにした。右ではKun氏が大野七段に教わっている。
Kun氏は平手戦だが、こちらはは上手角落ちで、私は居飛車を明示した。居玉のまま▲7九角~▲4六角と出る。このままでは△6四金の動きが不自由なので、大野七段は△5五歩~△4四銀。▲5八飛の応援には△5二飛の対抗となった。
ここで私は▲2八角と下がったが、△5五金に▲同角と切ったから、これは一手損になっておもしろくなかった。
以下飛車交換になり、▲5一飛△4四銀に、▲5八飛成と引き揚げたのが下の局面である。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/1e/50/d19df99ad993368a8cc3717e21991a39.png)
第1図以下の指し手。△5五歩▲4六歩△8六歩▲同歩△6六歩▲同銀△8七飛▲7八竜△8六飛成▲8七歩△8四竜(第2図)
きょうの生徒の中に、子供教室からの生徒がいる。いまはHon氏とともに植山七段に指導を受けているが、大野教室の隠語を盛大に叫ぶので、周りは苦笑い。3時までは静かだったのだが、Hon氏に誘発されて、うるさくなった。しかし賑やかでよい。
大野七段は△6六歩。▲同歩は△5六角なので▲同銀だが、△8七飛以下竜を作られてしまった。先の▲2八角が▲7八金に換わっていればこうはならなかったのだが、仕方ない。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/15/63/df6478a1038d6b4fa8aea0513fb77038.png)
第2図以下の指し手。▲7七桂△5六歩▲5八金左△5四竜▲4七銀△3五銀▲3六歩△4四銀▲6五銀△5五竜▲5六銀引△2五竜(第3図)…以下、大野七段の勝ち。
私は▲7七桂だが、局後の感想戦では、これがマズかったらしい。正着は▲4五歩△5三銀▲5五銀。これは私も読んでいたが、以下△8八歩▲7七桂(▲同竜は△5六角)△8九歩成で悪いと判断した。しかし大野説は以下、▲5八竜△8七竜▲6五桂△6二銀▲4四歩(参考図)で下手よし、の見解だった(もっとも最終手▲4四歩に△同歩▲同銀は△7七角の王手銀取りがあるのだが)。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2c/89/17cc2800a9b8a0dece705e4b5484dd6e.png)
本譜、私は▲6五銀と出るが、△5五竜で誤算に気付いた。予定の▲5六銀引は△2五竜で、竜の侵入が受からない。実は▲2八歩で受かると思っていたのだが、その前の▲5八金左で竜の横利きを塞いでいたのをうっかりした。
さりとてこのままでは△5七歩成があるから▲5六銀引とせざるを得ず、△2五竜以下下手の劣勢になった。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/59/67/1e30b11721addbc419b254f2f55fe795.png)
終盤は大野七段に二枚竜で迫られる。ここは下手がもう少し辛抱しなければならないのに、攻め合ってキッチリ負かされた。
ここまで指導対局は1勝1敗。しかしこれではイカンのだ。
(つづく)
午後1時35分ごろ教室に入ると、講師の大野八一雄七段が5面指しを行っていた。奥の部屋では、特別講師の植山悦行七段が、Hag君に指導対局を行っていた。W氏、Fuj氏、Ok氏、Minamiちゃんら常連の姿はないが、珍しいこともあるものだ。
今回は植山七段から教えていただく。なんとなく駒を落としたがらない植山七段に角を落としていただく。私の棋力は厳しく見て、アマ三段と思う。角の手合いだって、私には分不相応だ。
対局開始。△6二銀~△5四歩から、植山七段は△6四銀とスルスル出てきた。歩越し銀には歩で受けよ、で私は▲6六歩。植山七段は△5二飛。中央狙いだが、下手はこういう手を怖がってはいけない。飛車と銀だけで潰れるほど我が陣形はヤワではない、金銀四枚で守っているのだから受け切れる、と自信を持つことだ。
△7三桂の数手後、私は▲7五歩。△同歩は▲7四歩だから植山七段は△6三金だが、▲7四歩△同金を利かして▲5六歩と銀取りに打ったのが勝負手。△同銀▲(6七の銀で)同銀△同飛は1歩損だが、のちの▲6三銀を楽しみにする。
以下▲6七金△5五飛となり、ここで▲6三銀と打つチャンスだったが、やや性急と見て、私は4八の銀を5七に上がった。植山七段は▲6三銀を防いで△6三銀(打)だが、これは下手が一本取った形になった。
冒頭に記したとおり、本当なら私はいま京都にいた。その代償として大野教室に来たからには、指導対局で勝って帰りたい。
その思いが滲みでていたのか、植山七段が「大沢さん、スゴイ気合ですね」とつぶやき、席を立った。
中盤、私は桂損になったが、上手の飛車を9二に追いやり、△6二歩と受けさせたので、釣り合いは取れている。
W氏とKun氏が相次いで来た。Kun氏は教室のセミレギュラーだが、社団戦が近いこともあり、実戦が必要なのだ。
こちらは終盤戦。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/66/6b/432bf60bed2b76336d5c55bba67592b5.png)
第1図以下の指し手。▲3六歩△4四銀▲同銀△同歩▲4五歩△6五銀▲同銀△同金▲4四歩(第2図)
私は▲3六歩と銀を追う。△2四銀は▲2五歩△1五銀▲1六歩なので、植山七段は△4四銀。▲同銀△同歩に▲同角は△4三歩で収まってしまうので、私は▲4五歩。以下▲4四歩の取り込みが実現した。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/66/ec/f8660906d490a67390092e3ce22ae1ff.png)
第2図以下の指し手。△5四銀▲4三銀△同銀▲同歩成△同玉▲4四銀△5四玉▲5八飛△6四玉▲7六銀△同金▲同金△5四歩▲7五歩(投了図)まで、一公の勝ち。
第2図で△7六桂なら▲同金△同金▲4三銀△同金▲4一銀△同玉▲4三歩成まで下手勝ち。これは、前回の指導対局で出てきた手筋にそっくりだ。
植山七段は△5四銀と辛抱したが、私は▲4三銀と打ちこむ。数手後▲4四銀△5四玉の次、指す手が分からなかったが、▲5八飛を発見して、ホッと胸をなで下ろした。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/65/07/8f4a7abec5f0c3cd800a59f862335b00.png)
投了図以下、▲7四金を防いで1.△6三銀は▲5四飛!で詰み。2.△6三玉の早逃げは▲6四歩△7二玉▲7四歩で一手一手である。
時刻は3時を過ぎていた。私にしてはけっこう長い対局だったが、緩めていただき、教室にきた甲斐があった。
3時休みになる。大野七段が「詰将棋をやる方はどうぞ」と、遠慮がちにプリントを配る。最近は詰将棋をマジメにやる生徒が少ないので、大野七段も声のトーンが下がっている。
気が付くとHon氏の姿があった。きょうの生徒はこの10人で終わりのようだ。
私は外に出て、みなと雑談。
きょうは注目の棋譜を鑑賞したいのだが、それは叶わず。3時休みが終わり、大野七段に教えていただくことにした。右ではKun氏が大野七段に教わっている。
Kun氏は平手戦だが、こちらはは上手角落ちで、私は居飛車を明示した。居玉のまま▲7九角~▲4六角と出る。このままでは△6四金の動きが不自由なので、大野七段は△5五歩~△4四銀。▲5八飛の応援には△5二飛の対抗となった。
ここで私は▲2八角と下がったが、△5五金に▲同角と切ったから、これは一手損になっておもしろくなかった。
以下飛車交換になり、▲5一飛△4四銀に、▲5八飛成と引き揚げたのが下の局面である。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/1e/50/d19df99ad993368a8cc3717e21991a39.png)
第1図以下の指し手。△5五歩▲4六歩△8六歩▲同歩△6六歩▲同銀△8七飛▲7八竜△8六飛成▲8七歩△8四竜(第2図)
きょうの生徒の中に、子供教室からの生徒がいる。いまはHon氏とともに植山七段に指導を受けているが、大野教室の隠語を盛大に叫ぶので、周りは苦笑い。3時までは静かだったのだが、Hon氏に誘発されて、うるさくなった。しかし賑やかでよい。
大野七段は△6六歩。▲同歩は△5六角なので▲同銀だが、△8七飛以下竜を作られてしまった。先の▲2八角が▲7八金に換わっていればこうはならなかったのだが、仕方ない。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/15/63/df6478a1038d6b4fa8aea0513fb77038.png)
第2図以下の指し手。▲7七桂△5六歩▲5八金左△5四竜▲4七銀△3五銀▲3六歩△4四銀▲6五銀△5五竜▲5六銀引△2五竜(第3図)…以下、大野七段の勝ち。
私は▲7七桂だが、局後の感想戦では、これがマズかったらしい。正着は▲4五歩△5三銀▲5五銀。これは私も読んでいたが、以下△8八歩▲7七桂(▲同竜は△5六角)△8九歩成で悪いと判断した。しかし大野説は以下、▲5八竜△8七竜▲6五桂△6二銀▲4四歩(参考図)で下手よし、の見解だった(もっとも最終手▲4四歩に△同歩▲同銀は△7七角の王手銀取りがあるのだが)。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2c/89/17cc2800a9b8a0dece705e4b5484dd6e.png)
本譜、私は▲6五銀と出るが、△5五竜で誤算に気付いた。予定の▲5六銀引は△2五竜で、竜の侵入が受からない。実は▲2八歩で受かると思っていたのだが、その前の▲5八金左で竜の横利きを塞いでいたのをうっかりした。
さりとてこのままでは△5七歩成があるから▲5六銀引とせざるを得ず、△2五竜以下下手の劣勢になった。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/59/67/1e30b11721addbc419b254f2f55fe795.png)
終盤は大野七段に二枚竜で迫られる。ここは下手がもう少し辛抱しなければならないのに、攻め合ってキッチリ負かされた。
ここまで指導対局は1勝1敗。しかしこれではイカンのだ。
(つづく)