一公の将棋雑記

将棋に関する雑記です。

7月18日の4時から男(後編)

2021-08-11 16:45:15 | 新・大野教室

第1図で少年は▲4六竜と指しかけた。これでもいいが、相手玉に簡単な詰みがあるときは詰ましたい。
そこで少年は▲6六同竜。△同玉に▲6七銀で見事に詰ました。

W氏が少年に結果を聞き、勝ったことを伝えると、「勝ったの!?」とW氏が大仰に驚いている。
聞けば大野八一雄七段はすでに二枚落ちを卒業させたがっているが、その最終関門に私が選ばれたらしかった。
それならそうで、私にも指し方がある。私は少年に泣きの再戦を申し込み、今度は私が勝った。
でも、少年がW氏に勝敗を伝えたかどうかは確認しなかった。それで思い出したのだが、以前私がある少年に二枚落ちで私が勝ったとき、少年がW氏には「自分が勝った」とウソの報告したことがあった。そのときの少年と今回の少年は同じだったか?
いずれにしても、今回の少年とはもう少し、二枚落ちで指したい。
4局目は女流棋士志望のお嬢ちゃんと角落ち戦。お嬢ちゃんはいつも通り四間飛車。私は大野流を真似て右玉に構えようとも思ったが、やりなれないことはやめようと、玉頭位取りに出た。
しかしこの構想がややおかしく、指しづらさを感じた。
第1図。お嬢ちゃんが▲8五歩△同歩▲同飛と飛車交換にきたが、私は△同飛▲同桂に△8七飛と両取りに打って、悪い道理がないと思っていた。ところが……。

第1図以下の指し手。▲8二飛△7七飛成▲8一飛成(第2図)

第1図からお嬢ちゃんは平然と▲8二飛。角をくれるというわけだ。私はありがたく△7七飛成としたが、▲8一飛成の局面は次に▲1一竜が厳しく、上手の受け次第では▲2四桂や▲1四歩など指したい手がいっぱいある。しかも▲7三桂成~▲6三成桂の追撃もある。気が付けば上手敗勢で、愕然とした。

第2図以下の指し手。△4一金▲7三桂成△2三銀▲6三成桂△4二銀▲6四桂(投了図)
まで、お嬢ちゃんの勝ち。

私の△4一金は変な手だが、ほかに指す手が分からなかった。
しかしお嬢ちゃんにビシビシ指され、▲6四桂まで投了。上手として恥ずかしい将棋にしてしまった。

お嬢ちゃんがこんなに強いんだったら、平手で指してもいい勝負になるんじゃないか? と誰かが言い、試しに平手で指しみることにする。
そしたらこれもお嬢ちゃんがうまく指し、というか私の指し方が下手クソで、またも私が劣勢になった。

第1図の△7一銀は▲6二歩成を受けたものだが受けになっておらず、構わず▲6二歩成△同銀▲6三銀成があった。
本譜はお嬢ちゃんが自重したがそれでもお嬢ちゃんが優勢。以下勝勢となり、最終盤、私は△3二銀と竜に当ててまだまだと思いきや▲2一金があり、ここで私の投了となった。

以下△2一同銀▲同桂成△同玉▲2三竜は、△3一玉▲3二銀△4二玉▲4三竜△5一玉▲4一竜までピッタリ詰み。
まさかお嬢ちゃんに平手で負けるとは思わなかったが、これが将棋である。少年少女の伸びは早い。お嬢ちゃんともこれから平手で指すことが普通になる日が来るだろう。
近くではTod氏が指している(図)。その将棋が終わり、今度は私との対戦になった。

手合いは私の二枚落ちで、過去3連敗をしたこともあるのだが、「オレとTodさんは二枚落ちだから!」と、負けた上手が手直りを許さない不思議なことになっている。

将棋は私が素直に△2二銀と上がったが、中盤でうまくごまかし、終盤は私が優勢。というところでTod氏の▲9三竜(第1図)捨てが出た。

第1図以下の指し手。△9三同玉▲9四銀△9二玉▲7二と△7五角▲8四歩(投了図)
まで、Tod氏の勝ち。

これには△7四玉でもいいが、Tod氏渾身の竜捨てだから、取ってみることにした。
しかし△9三同玉以下▲9四銀△9二玉に、黙って▲7二とが好手。ここ、先に▲9三香とばかり考えていて、それなら△8一玉で耐えていると思った。
本譜は△7五角に▲8四歩がピッタリで投了。

局後、△9三同玉で△7四玉も考えていたことをTod氏に言うと、「なんでそう指さなかったんですか」と苦笑された。まあ、よい。
これにてきょうの将棋は終了。7局指して2勝5敗はちょっといただけなかった。
食事は大野七段、W氏、Tod氏らと「楽」に行った。私は唐揚げ定食を頼む。ここの唐揚げ、冷凍食品っぽい気もするのだが、無性に食べたくときがあるのだ。きょうも美味しくいただいた。
食後に軽く雑談していると、もう午後8時である。埼玉県のコロナ対策はよく知らないが、川口市と蕨市では微妙に制限が違うらしい。
ともあれ8時に散会するという、極めて健康的な措置になった。
ここからお茶をしに行けるときはいつ来るのか。もっともそんな日が来ても、私に将棋を指す気力が残っていないかもしれない。
コメント (2)
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