この5月はいつまでも朝夕の寒さは格別で、未だ電気ストーブを背中から離せずにいる
山の寺の境内で東京から来たという人が「こちらも暑いと思って半袖で来たが、この寒さは・・」と絶句していた
この春の寒さこそ禅の山寺にはふさわしい心持だ、しばらくの静けさの中を歩いてみた、参道の山道のわきには何体かの石仏がてんでの方向を向いて気ままに立っている、今は緑草深い中にひっそりと立っていた
苔むした石段、鮮やかな緑の木々、揺する冷ややかな春風
この町の禅の寺は曹洞宗ばかりである、我が家は長い年月臨済宗であったが歴史の紆余曲折があって今は浄土真宗の寺院にお任せしている
臨済宗は執権北条時頼の力添えで鎌倉に五山を構え、朝廷との蜜月の時、後嵯峨天皇の皇子の一人は北条時宗の後援を受けて那須の地に八溝山雲厳寺を開山し(高峰顕日)佛国国師となられた、名僧夢窓国師なども国師を慕い学びに訪れた。
臨済宗についてはこのくらいしか知らないし曹洞宗についてはまったく白紙だ、どちらかと言えば今は親鸞上人が身近な感じがする。
いずれにしろ田舎の寺は、京や鎌倉などの大寺院のような豪華さはないけれど趣、風情、わびさびの面持ちは田舎風の自然の中にあればこそなおのこと感じる、「最近はカモシカが庭先を訪れて驚かす」と御住職が言っていた。
筍が当たり年という今季、竹やぶにはイノシシが掘った穴も数多あるらしい。。