幕末とは、欧米の黒船が日本に開国交易を求めてきた1850年代から
新政府軍が、西郷隆盛と鹿児島士族を滅ぼすまでと考える
すなわち武士が姿を消すまでの約30年間の激動の時代
前半は、開国を迫る米英仏等外国と、鎖国攘夷の日本武士団
中盤は、徳川幕府と長州、薩摩を主とした王政復古を掲げる外様の戦い
後半は、明治新政府と不平士族の戦いである
放送中の大河ドラマでは前半の主役は「吉田松陰」
大河ドラマとしては視聴率が苦戦だと聞いた
同じ幕末でも、坂本龍馬や新撰組、白虎隊に比べれば吉田松陰は知名度が
極端に低い、ましてその妹ならなおさらだ。
明日から、いよいよ坂本龍馬登場らしいが、福山雅治の龍馬には勝てないだろう
ドラマ的には、これから井伊直弼が暗殺されて、一気に時代が動き出す
吉田松陰の弟子たち、高杉晋作、前原一誠、久坂玄瑞、伊藤博文たちが政争の表舞台に
飛び出していく、そして生死は・・・
同じ日本史の動乱でも戦国時代はわかりやすい、戦争トーナメントだから
一方、幕末はトーナメントではなく、敗者復活戦付きのリーグ戦だ
だから複雑怪奇、敵が味方になったり、見方が敵になったり
敵方同士でありながら同じ考えで意志が通じ合う、勝海舟と西郷隆盛のような
パターンもある
攘夷派が開国に変わったり、なかなか面倒なのだ
歴史に興味ない人たちは見ようとも思わないだろう、理屈が多すぎるし難しい
だが日本の危機、戦争か平和か、愛国、憂国、亡国といったテーマは
今の日本が直面している問題でもある
吉田松陰役の伊勢谷友介は前にも敗戦直後の外交官、白州次郎を演じた
その外見通り、気骨ある人物を演じると最高の役者である
ナイスガイとは彼のためにある言葉かと思う
大河ドラマ第一作「花の生涯」は今回の敵役、井伊直弼が主人公
同じ時代としては「篤姫」や坂本龍馬もの、新撰組もの、松陰と同じ長州藩士 大村益次郎の「花神」
「八重の桜」など会津藩もの、「徳川慶喜」などがあって見比べると興味深い