「木綿のハンカチーフ」という歌があった
田舎の純朴な少女と、都会に出て行った少女の恋人
彼女の祈りにもかかわらず、どんどん都会の魔性の虜になっていく恋人
彼は田舎の純朴の暮らしも、田舎娘の事も忘れてしまう
今や田舎で暮らす人間よりも、都市都会で暮らす人間の方が多い時代になった
都会の魔性とは何か、それは力さえあれば望むものが全て手に入る空間
あらゆる選択に答えうるアイテムが全て揃っている町
勝ち抜く者は、果てしなく上り詰めてゆける世界
全ての階層に置いて最高の者が用意されている空間
まばゆく、鮮やかで、豪華に飾りつくされた世界
昼と夜の境目が無い町
常に新鮮な出会いが待ち受ける空間
時代の最先端を手にすることが出来る町
ここまで並べると田舎について書くのが嫌になる
田舎とは何だ
都会志向の恋人に捨てられた純朴な人々が住む空間
シルクの華やかさよりも、木綿の暖かさを好む人たちの町
人間の持つ業とは無縁な地域
早朝に起きて、21時には寝る生活
最先端の情報や技術には関心がない地域
人とふれあっていないと生きられない人々
土をいじると安心する人々 自然大地で汗を流すことが喜こび
我慢と忍耐とあきらめが身についている人たち
「都会には住めない」「都会は人が住むところじゃない遊びにいくところ」が口癖
ちょっぴり都会に住んでみたいと思うときもあるが・・・すぐに忘れてしまう
そして都会で夢破れて戻った人を、暖かく迎入れる父母の懐
ただ、田舎の自然の中で澄み切った青空を見ながら、何とも言えぬ甘い空気を吸うとき
ここが人間の住み処(すみか)だと、はっきり自信を持って言える