居心地の良い「寒」の日々だ
70年近く生きてきたが、1月下旬まで一度も積雪が無いのは初めてだ
粉雪、綿雪、牡丹雪も見ていない、アラレやみぞれは数回降ったが、
道路を一瞬白く覆っただけで10分後には消えた
「ありがたや ありがたや」である、送迎バスの雪道の心配をしないだけでも
大儲けというものだ
「困っている人もいるのに不謹慎」とは言うまい、私たちはしょっちゅう大雪で
泣いてきたのだから
もう10数年も前に親戚の葬式で千葉の花見川区へ行ってきた
本家の親父が酔ってしまって我が儘放題になり、置いてくるわけにもいかず
一泊が二泊になってしまった
二泊目は、さすがに一人暮らしの喪主の家に世話になるわけにもいかず
「昔は云々・・で泊まる権利がある」と言い張って動かない本家を置いて
親戚の長老と私の叔父と私の三人は港に近いホテルをとって泊まった
朝、目が覚めて、窓から外を見たら2月というのに見事な晴天で、魚市場なのか
人や車が活発に出入りしている
あの時は、ほくほく線を走って湯沢から上越線に乗り換えて東京に出たのだが
途中の十日町あたりの県道か国道は2m以上の雪の壁がずっと伸びて
いたのだった
雪国と表日本の天気の違いが、そのまま経済活動、生活レベルの差になって
いると思った
一年中、ノーマルタイヤ、革靴で動ける地域、12月にはスノータイヤに履き替え
4月にはノーマルに履き替える、2駆ではなく四駆の車に乗る
冬はブーツや膝までの長靴に履き替える、除雪機を買い、そうでなければ
スノーダンプ、雪かき用のシャベル、剣スコ
雪国は生活のために二セット用意が必要だ、雪を楽しむ余裕がある人には
雪国はこたええされないだろう、だが仕事には雪はいらない
このまま今年は史上希な少雪あるいは無雪で行きそうな気さえしてきた
二月も暖冬という予報を見たからだ
私が生きている限り、雪が降らなければありがたい、それがわかっていれば
みんなそれに合わせて仕事や生活ができるだろうが、天候は気まぐれだ
歳をとるにつれて雪が嫌いになってきた、近所との雪のやり場や処理での
トラブル諍い、みんな疲れてイライラしている、老人ばかりが目立つ田舎
私も、もうその中に含まれていると思うと、「あれま!」って感じがするのだ