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よくやった大の里 !

2024年01月26日 08時46分22秒 | 大相撲
 今場所の大の里については16日の記事「大相撲初場所」に書いた通りになった。  「前半は大勝ちして、後半は三役にぶつけられて上位の力を思い知ることになるだろう」
中盤9日目時点で8勝1敗、優勝戦線のトップを行っていたが、同じくトップを走る関脇琴ノ若にあてられて完敗、翌日は優勝を争う大関豊昇龍に土俵際で投げ飛ばされ、昨日は逸ノ城以来という10年ぶりの新入幕の横綱挑戦で照ノ富士に投げ飛ばされた。

前半、一気の押し相撲で平幕力士を撃破したが優勝戦線で競う横綱、三役には一蹴された。
力の差は歴然で、前に出るだけでは百戦錬磨の横綱、大関には通用しないことがわかった、それは大の里にとって大収穫だった。
いとも簡単に負けたわけではない、力勝負で前に出ての敗戦、そして力負けしたが、がっぷりと組み合った迫力は来場所以後の大の里がまた一回り大きくなるための試金石だったと思う。

まだ23歳、上位との戦い方を修正していけば三役をつかむのは容易だと思える力士だ、横綱、三役と互角の勝負をしたいなら四つ相撲の力勝負も磨く必要がある。
足腰を鍛えて、どっしりとした下半身を作る、腰から下が軽くて粘りが無いから簡単に投げ飛ばされた。
数場所前までは琴ノ若も下半身が軽かった、それが先場所から大きく修正されて二場所連続の11勝、しかも今場所はまだ3日残っている。
あの琴ノ若の軽い腰がいかに修正されたか、いきなり体重が重くなったわけではない、肉体的には変わらないと思う。
負ける琴ノ若の時は、相撲を焦って動き回り、足が浮いた瞬間に投げられていた、今場所の大の里もそうだ。
ところがこの2場所の琴ノ若は動かない、相手を受け止めてまわしをつかみ、しっかりホールドして、それからゆっくりと前に出て行って押し切る、またはこらえて浮き上がった相手を投げ飛ばす。
これが同じ重さでありながら、腰が重いと軽いの違いだ、だが誰にでもできることではない、琴ノ若や照ノ富士などだからできること、大の里にも素質はある。
まさに横綱相撲を琴ノ若は取得したとみる、動かない相撲を続け、ケガが無ければ今年中に横綱をつかむだろう。

大の里がこの境地にたどり着くには今少し経験が必要だ、腰が伸びる瞬間があるのが気にかかる
霧島、豊昇龍、若元春など、相手の力を利用して投げ飛ばすのが旨い力士には腰高力士が一歩踏み出す瞬間は「待ってました」なのだ
もう押し相撲には負けない地力を大の里は身に着けた、あとは技巧派に投げ飛ばされないどっしりした相撲が取れるようになれるかどうかだ、それには琴ノ若の相撲がお手本になると思う。
いずれにしても勝ち越したことだし、あと三日は平幕、小結くらいが相手になるから10勝はして、来場所は横綱三役総当たりの上位まで登って武者修行となるだろう。
来場所は勉強の場所と思って、まずは8勝を目指してとるのが良いだろう。

今場所は一世代前の「これからが楽しみな」湘南乃海、豪の山が上位で跳ね飛ばされた、来場所はこれを経験として下位で大勝ちして上がってくるはずだ

ようやく本来の姿を取り戻した強い横綱、大関の場所になった
照ノ富士の活躍は意外としか言いようがない、まさに根性と執念とプライドがそうさせているのだろう
日本人力士が失っているもの、それをモンゴル力士は持っている
来場所の番付は上から3人をモンゴル力士が占める、そこに孤軍奮闘の琴ノ若が入ろうとしている、正念場だ。
モンゴル三力士は共に投げ技に長けている、照ノ富士はじっくりと待って豪快に投げ飛ばす、霧島はがっぷり組んで腰を入れて腕力で投げ飛ばす輪島のような相撲、豊昇龍は相手が動いた瞬間を一瞬で捉えて投げ飛ばす、空気投げのような天才技。
琴ノ若は、この3人を破らなければ優勝できない、せめて2人倒したい。
横綱か大関2人を倒して13勝なら来場所の大関昇進はほぼ確実だろう。
残り3日を勝ちきって横綱になるチャンスの霧島も必死で力を振り絞るだろう
照ノ富士は横綱の意地とプライドにかけて、豊昇龍も来場所に横綱挑戦権を得るために必死で来るだろう

日本人の大型力士や押し相撲力士がモンゴル勢に負けるパターンの代表的なのは土俵際まで押し込んで、勝ちを焦って一歩左右どちらかに踏み込んで行ったとき、「いなし」「すかし」でかわされて重心が一方に偏ったとき、反対側の下手、上手からの投げを喰らって負けている。
「わかっちゃいるけどやめられない」を多くの日本人力士が何年も続けている
しぶといモンゴル勢に勝ちたければ、正面からソンキョの低い姿勢で一呼吸、二呼吸おいて正面から押し切るしかない
琴ノ若、大の里、熱海富士にはその力があるはずだ、日本人三横綱揃い踏みを見たいものだ。

数年ぶりに上位陣伯仲の面白い3日間が始まる。
優勝争いは、横綱照ノ富士 大関霧島、豊昇龍 関脇琴ノ若の4人に絞られた
今日、明日琴ノ若が連勝すれば、明日で琴ノ若の優勝が決まる

今日琴ノ若が勝てば、照ノ富士と、霧島ー豊昇龍の敗者は脱落
琴ノ若と、霧島ー豊昇龍の勝者の優勝争いになる

琴ノ若が今日負ければ、琴ノ若、照ノ富士、霧島ー豊昇龍の勝者が11勝2敗
霧島ー豊昇龍の敗者が10勝3敗でまだ4人ともチャンスあり、14日目にもつれ込む

14日目、15日目ももつれると千秋楽本割で決まらず、3力士の優勝決定巴戦もありえる。