80分の1丁目16番地

ペーパースクラッチによる車両作りを中心に1/80、16.5ミリゲージの鉄道模型を楽しんでいます。

東小金井の貨物駅跡を歩く

2019-04-08 15:02:00 | 貨車
予約していたエンドウ製ク5000復刻版(ジュニア模型店発売)の発売を知らせるメールが届きました。ものは試しと1セット(4両)のみの予約でしたが、とりあえず今日入金してきたのでブツの到着を待ちたいと思います。台車は別売りですが以前スクラッチを考えていた時に買ったストック品があるのでそれを使います。

ところでク5000といえば、私の場合、中央線東小金井駅の印象がとても強く残っています。母方の実家が東京都小金井市にあったので、子どもの頃にそこへ遊びに行く際に101系の車窓からよく見ていたものです。そのク5000を送り出した貨物駅跡が今どうなっているのか気になり、昨日の午後に突然訪ねてみることにしました。三鷹~立川間の高架化が完成し駅周辺の区画整理も進むなか、果たして当時の面影を残すものはまだ残っているのか。まったくの空振りに終わることも覚悟して出かけてみたのですが・・・


東小金井駅は国内初の地元住民全額負担による請願駅として誕生したとされます。開業は1964年(昭和39年)9月10日。なんと東京オリンピックのちょうど1ヵ月前ということになります。開業時の様子がこちらの記事(かわら版まろん通信Vol.867;小金井市)にまとめられています。南北に階段が差し掛けられた質素な橋上駅ですが、マイ・ステーションということで近所の人たちが自主清掃に励むほほえましい光景も見られますね。


上で紹介した記事の写真にも写っている貨物駅は、少し遅れて翌1965年(昭和40年)4月5日から貨物営業を開始したとされています(Wikiより)。自動車輸送全盛期と思われる10年後の1975年(昭和45年)に撮影された航空写真を見ると、赤いク5000や黒貨車が何両も停まってる様子が見て取れます。左が高尾で右が東京方面になります。

(国土地理院・空中写真(1975年1月20日撮影)より)


しかし写真の撮影から約10年後の1984年(昭和59年)12月1日には貨物営業が廃止されてしまいます(Wikiより)。トータルでわずかに20年程度しか営業しなかったことになります。高速道路網の拡充という環境変化に加え、度重なるスト・遅延による不安定な輸送、そして運賃値上げ。これらによって荷主の信頼が大きく揺らいだことが直接的な原因であったようです。

現在、跡地は周辺も含めて土地区画整理事業が行われており、上空から見るとこのような感じになっています。一部で建物が建ち始めてはいますが、半分はまだ駐車場、駐輪場、資材置き場などの暫定利用となっています。


上り線ホームから旧貨物駅方向を写したものです。手前の駐輪場の左側が緩くカーブしていて当時の面影を残しています。このあたりを中心に歩いてみることにします。



駅北口広場ごしに駅を見たところです。駅舎は見違えるほどリニューアルされましたが、駅前広場やその周辺はまだ整備途上といった感じです。



区画整理に伴う道路の付け替えを知らせる看板に旧駅舎と貨物駅跡地の形がわかる地図が貼ってありました。これを拝借して写真の撮影位置を示します。赤矢印は元々看板に書いてあったもの、番号付き黒矢印が私が書き足したものです。



写真①:駅前から旧貨物駅方向を見たところです。右の線路寄りは空地、左側は駐輪場になっています。



写真②:駐輪場の入口です。左側のコンクリート柵が敷地境界であったことは明らか。



写真③:1本裏の道路を入ってしばらく歩くとまた柵が出てきます。駅方向を振り返ったところ。自転車が並んでいる部分が一般貨物用の積み込み線跡と思われます。



写真④:さらに進んで再び駅方向を振り返ったところ。う回道路が整備され、線路脇に続いていた道路は一部が閉鎖された状態になっています。ここもじきに整地が始まるのでしょうか。



写真⑤:荷さばき場となっていた広いコンクリート敷きの部分の残骸と思われます。場所的には旧敷地の中央部あたり。



写真⑥:そのすぐ脇には新築の一戸建てが建っていたりします。昔の面影が少しずつペイントで塗りつぶされていくようです。



看板地図の外になるので撮影位置番号はありませんが、これは旧貨物駅の先端だったあたりで、JR(国鉄)の変電所の一部に食い込んだような形になっている部分です。現在はJRの関連施設の建物が建っていて昔の痕跡はありませんが、門の先の広場が1975年の航空写真でク5000が停まっていた場所をわずかに想像させます。



さて、こうして歩いてみると、レールこそ残っていませんがまだまだ昔をしのばせるものが多く残されていることがわかりました。貨物営業が廃止されてから実に35年が経過しているにも関わらずなぜこうした状況にあるのか。それは、旧貨物駅跡を含む「東小金井駅北口土地区画整理事業」が反対運動や資金不足などによってうまく進んでいないためのようです。しかし中央線が高架になって高架下には多くの店舗が立ち並び活況を呈しています。駅周辺も遅れていた時間を取り戻すように整備が進んでいくものと思われ、ク5000の居た頃を偲ぶのは今がラストチャンスではないでしょうか。


ところで今回改めて東小金井駅の設置にまつわる歴史を知り、ひとつ疑問に思う点が出てきました。冒頭に「初の住民による請願駅」と書きましたが、であれば駅舎とホームがあればよく貨物駅は必要ありません。しかも自動車輸送の拠点駅となれば企業が要望するものであって、住民が要望するたぐいのものではありません。それがなぜセットで整備されたのでしょうか?


今回、旧貨物駅跡地散策と併せて立寄った場所があります。駅から徒歩5分ほどの所にある「東小金井駅開設記念会館(マロンホール)」です。そのネーミングから開設の歴史にまつわる展示などがあるミニ資料館をイメージしたのですが、行ってみると全然違っていて、会議室、和室、ギャラリースペースなどがある普通の市立公民館でした。



せっかくなので受付の方に話を聞いたところ、詳しい事はわからないが、こちらに駅設置の経緯が書かれています・・・と、3枚つづりのレジメを手渡してくれました。



会館前には同じ文面を記した記念碑が置かれ、その詳細はこちらのサイトに詳しいので割愛しますが、念願かなって新駅設置が認められたときの状況について次のように書かれています。
「(前略)しかしこの暁光を喜びながらも続いて本会による資金金額の支払い、貨物駅併設の難題出現等苦悩の重来があって思わぬ長年月を費やしたが、(後略)」


そうです。貨物駅を併設するという話は、どうやら後から持ち出されたようなのです。
ここから先は想像になりますが、新駅を設置する条件として、あるいは資金不足を補うために貨物駅用地を差し出すように求められたのかも知れません。
時すでに高度経済成長の真っただ中。この後約20年間にわたり、国民の豊かさの象徴たる「マイカー」がク5000に乗って全国に送り出されてゆくわけですが、その陰にはこうした地元住民の努力と葛藤のドラマがあったのだなあと思うと胸が熱くなります。

(新駅設置の功労者 宮崎金吉氏胸像と記念碑;東小金井駅開設記念会館(マロンホール)玄関前)


東小金井はいま、武蔵小金井の"ムサコ"と並んで"ヒガコ"の愛称で親しまれているとのこと。駅周辺はまだ空地と駐車場だらけの残念な風景ですが、街並み整備が完了してさらにパワーアップした"ヒガコ"が誕生したとき、新駅設置に奔走した当時の関係者の方々も枕を高くして眠れるのではないでしょうか。




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わるあがき

2017-04-15 10:13:56 | 貨車
おはようございます。
富士急が完成して運転会までに少し時間が余ったので、長年の懸案だったフェニックス製ED76を仕上げて「急行日南」を牽かせようと画策したのですが。。。

一応塗装済みで、Hゴムなどのメイクアップと屋根上を整備すれば竣工できるレベル。




ポスカ“はいいろ”でHゴムに色差しして飾り帯をみがき出し、トップコートを吹いてお化粧は終わり。




しかし長年先送りになっていたのには訳がありました。パンタの取付寸法が合わないので、元の穴を拡大したりしていろいろ試行錯誤中なのでした。PS100は17×19mmなのですが、元の穴は19×19mmというまことに不思議な寸法。パンタ台もどきのアジャスター(?)を作ったりしてるうちに、こりゃ間に合わんということで諦めることにしました。




代わりと言ってはなんですが、「貨車大集合」向けに古いエンドウの「ウ300」を1時間工作で整備することにしました。塗装の剥がれなどはあるものの一見すると状態は悪くないようですが。。




反対側のドアと上側のドアレールが紛失しているのでこれを再生します。




ドアとレールはペーパーでお手軽に作成。




一応サフを吹いて研磨したのち艶消し黒で塗装。インレタも入れましたが白文字の所属表記がなかったのでとりあえず形式・番号のみ。




無事再生できました。展示用なのでカプラ-はべーカーのままでいいかな。





では、伊豆修善寺花月園に行ってまいります。



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ク5000を試作する(1)

2017-02-13 01:11:21 | 貨車
こんばんは。ク5000を試しに1両作ってみることにしました。先の投稿に書いたエコーモデルへの買出しは、そのパーツを手に入れるためです。


そのひとつがこちら。t=0.8、W=30mmの床板用真鍮板です。W=33mmあたりは他でも手に入りますが30mmとなると限られてきます。工作派の強い味方です。以前にサンプルで4枚買ってあったのですが、なんだかんだで他へ流用してしまったので買い足しました。なにせTR63台車が9両分あるものですから(^^ゞ




もうひとつがこちら。エンドウの付随台車用マクラバリの旧製品です(右3つ)。今やMPボルスター用の製品が主流で、TR63のような旧タイプのボルスターに合うマクラバリはなかなか在庫がありませんが、予想通りこちらのお店で手に入りました。一応、ジャンク箱からストック品をかき集めたら5両分のマクラバリ(芯皿=左下)は確保できたので、これ用のスプリング入りセンターピンも併せて購入しました(左上)。




床板にマクラバリ用の穴を開け、その中間に補強用の2.0×5.0×2.0mmのチャンネルを半田付けします。今回、車体はペーパーとプラが主体なので、土台となる床板はしっかり作ることにしました。脱線防止のため一定の車重を稼ぐ意味もあります。




床面が低く、凹凸のある線路では床にフランジが当たる危険性があるため、車輪が旋回する部分に穴を開けます。φ3.5mmドリルで3か所の隣り合った穴を開け、ニッパーで間を切り取ったあと、ヤスリで円弧状に仕上げました。けっこう手間なのと台車の回転はそれほど大きくないので、これからは穴は2か所にしようと思います。




カプラーはIMONカプラーのHO-101を使用。t=0.3mmの台座を貼ってφ1.4mmビスで取り付けています。1.4mmのタップというのは持っていないので、φ1.2mmドリルで開けた穴にセルフタッピング方式でねじ込みました。




TOMIXのEF64-1000に連結させてカプラー高さが問題ないことを確認。レッドベアともチェックしましたがOKでした。




台車を仮に取り付けます。まだ「ク」の面影は見えず、客車の下回り同然です。




設計では1階の車路の中央部分は真鍮板面より1.5mm高くなりますが、現状ではセンターピンのお尻が4.5mmくらい出っ張っており、仮にこれを切ったとしてもワッシャ、ナットだけでも2mmを超えているので、ここの構造を見直さなければなりません。真鍮床板に直接タップを立て、ベークワッシャやナットをなくしてしまう方法が考えられますが、台車と床板が電気的につながってしまうので車輪の絶縁側を揃える必要があります。照明を入れる車両ではないのでこれで問題ないかと思いますが、なんか不安・・・。




車体はアートボードなどと呼ばれる、ケント紙をコア材の両面に貼り付けた紙を使います。AWと書いてある2枚が側板用でt=1.5mm、Sが2階の床板用でt=1.0mmです。初めて使うので、果たしてカッターでうまく切れるのか、切っているうちに積層が剝がれてくることはないのかなど、こちらも不安要素満載ですが、まずはとにかく1両作ってみて問題点を探ることにしましょう。




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ク5000も作る方向で・・・

2017-01-26 00:18:40 | 貨車
こんばんは。なんだか前の投稿と似たタイトルですが・・・(^^;


塩漬け期間?が終わったのでク5000もそろそろ再始動をかけようと思います。


懸案の台車ですが、池袋の某店にエンドウのTR63がまとまった数在庫しているのを発見したので、さっそく回収に行ってきました。前回までに入手した4両分と合わせ、9両製作が可能となりました。これだけあれば専用列車としての体裁も整います。一時は払底した感のあったTR63ですが、また再生産されているようです。ただしお値段は1,500円から2,000円へと大幅アップになっていました!(泣)




軽く模型図面を起こそうと思い、以前に那珂川清流鉄道保存会の保存車を採寸したメモを眺めていたところ、側柱の厚みに疑問が生じました。メモでは「側構厚82mm」と書いてあるのですが、どこを測ったのか略図もなく数字しかありません。82mmとは親指と人差し指を緩く開いた程度しかなく、どうみても側柱はもっと厚みがあるように見えます。

いろいろ見ていくと、どうやら車端部の柱(写真中央)の厚さを測ったらしいことがわかってきました。ここは中間の柱よりも薄く、10センチ以下のように見えます。ちなみにこの幅は、台枠(=1F床)や2F床の両サイドに走る長ケタの幅とほぼ等しいようです。




では実際に中間の柱の厚さはどのくらいなのか? そのものズバリがわかる写真がなく、唯一、1Fの天井と柱が写っていた写真を拡大してみると、この写真の赤丸に示すように、長ケタの1.5倍程度の幅(厚さ)であることがわかりました。これまで側板は1.0mm厚の1枚板で済まそうと思っていたのですが、中間部の柱はさらに貼り重ねて厚くする必要があるようです。




両数が多いので車体は極力シンプルな設計として、“なんちゃって”までは崩さずとも、ク5000“タイプ”程度には簡素化した設計にしようと思います。しかし、そうはいっても1F、2Fの床に張り巡らされた滑り止め、いわゆる縞鋼板は、これを省略してしまうとかなり味気ないものになってしまいそうなのでなんとか表現したいもの。戦艦模型などをターゲットにした目の細かいパーツも出てはいるようですが、1両分で2,000円くらいかかりそうなのでちょっと考えてしまいます。



なにかうまい方法はないものか、とググッてみたところ、「金網にアルミテープを乗せてこするとそれらしいモノができる」と書いてあったので試してみました。ベースはありあわせの真鍮メッシュで、目はけっこう細かいものです。




爪でこすってみたところ・・・・・・メッシュの模様が浮き上がっただけでした。。(^^;
目が細かすぎたのかも知れません。こすり方にもコツが要りそうです。




メッシュではなく、いっそのこと実際の縞鋼板をこすったらどうなるか?今は縞鋼板が手元にないので、手持ちの「菱形目デッキ板」(フクシマ)にアルミテープを重ねてこすってみました。こんどはマイナスドライバーの先で強めにこすっています。




模様は浮き出るには出ましたが、ドライバーのスジがたくさん入って、とても使い物にはなりません。これもこすり方やこするツールを吟味する必要がありそうです。




そして最後は奥の手、「おゆまる」で型取りを試みました。




取れた型の模様の上に、レイアウトのバラストの固定に使う「マットメディウム」を原液のまま塗ります。盛り付ける感じで3~4回重ねて塗り乾燥させます。




約1時間後・・・。残念ながらまだ乾いていませんでした。速乾性の木工用ボンドと同じに考えていましたが甘かったようです。色といい質感といい、下に敷いた広告の商品と妙にシンクロしてるのがシュールですなぁ。。




皆さんお気づきの通り、メディウムが乾いたら、かさぶたを剝すように型から剥ぎとってやれば、かなり薄手の縞鋼板のパターンシートが出来上がる(かも知れない)という期待です。さーてどうなることやら、結果は明日のお楽しみ。



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コキの整備と収納

2015-11-19 01:30:42 | 貨車
こんばんは。

引越し荷物が片付かないおおかたの原因は鉄道模型だとわかっているのですが、多忙を口実にして、なかなか開梱と収納が進みません。この際なので、いつかはやろうと思っていた“圧縮収納”に挑戦してみることにしました。当面のターゲットは軽い割にスペースを食っているコキ車。なるべく1箱にたくさん収納してスペースを稼ぐことにします。


その前に、転属してきてからインレタさえ貼っていない車両が多々あるので、それらを整備することにします。こちらはKATOのコキ104(19Dコンテナ積載)2両セット。



コンテナには「環境にやさしい鉄道コンテナ」をメインに、「環境にやさしい鉄道貨物輸送」や、書き換え中をイメージした白紙を少しずつ織り交ぜながら付属のシールを貼っていきます。




続いて車軸先端にクルクル回る「コロ軸部品」を取り付けます。最近買った先端の細いピンセットが活躍しました。




最後に車番インレタを貼って、黄色い手ブレーキハンドルを取り付ければ完成。車番は重ならないようにリストを作っていたのですが、それも引越し荷物の中に紛れて行方不明なので、使ったことのなさそうな番号にしました。しかし、人の記憶はあてにならないもの。往々にして同じ番号が被ってたりするんですよね~... 2両整備したところで時間切れ。




収納はこのように元あった発泡スチロールの緩衝材を取り払い、ひと箱に4両を収納するようにします。緩衝材を取ってしまうと箱が弱いので、内側に薄手の段ボールを敷き込み、車両はキッチンペーパーでくるむ予定です。これでスペースは1/2に圧縮できます。




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