マイクロエースから1/80の103系プラキットが復刻再生産されることがアナウンスされています。古くはアリイブランド(その前はナカセイ=中村精密時代があった?)のプラモデルとして人気を博し、少し前にネコ・パブリッシングから「創意工夫キット」として復刻発売されたもののリニューアル版ということのようです。
近年流行りのプラキットですが、こちらは元々がプラモデル出身ということで実はあまり食指が動かず、先日のJAMでもチラ見しただけで写真も撮らずスルーしていました。
しかし先日、ひょんなことからカツミのジャンクの485系・583系からはずしたDT32(エンドウの刻印あり)をいじっていたらブレーキシリンダがついていないことに気付き、むむ、これはもしかして「103系ボディ」+「ブレーキシリンダの無いDT32」=「走っちゃえばわからない営団東西線直通301系タイプ」が爆誕するのではないか!?と、一気に風向きが変わったのであります。
気になるのはプラキットの「出来」がどの程度かですが、大昔に1両プラモを買ったことを思い出し、家探しの末に無事発見したのがこちらです。パンタ台や配管を削ってクハ化してあり、確か製品にはなかったエメラルドグリーンの常磐線仕様になっていました。
さっそくブレーキシリンダの無いDT32と組み合わせてみると、目を細めなくても301系の姿に見えてくるではありませんか。
301系は、営団地下鉄東西線乗り入れ用に国鉄が初の量産アルミカーとして製作した意欲作です。しかし、窓・ドア寸法は103系そのものと言ってよく、あまりカチッとしていない(失礼)車体は改造ネタにはうってつけなのです。
各部をチェックしてみます。ユニットサッシの枠は301系のそれと少し違い、301系はもっと薄くて上辺と下辺の幅が太いのが特徴ですが、幅はともかく厚みは削ればなんとかなりそうです。サッシがモールドされた窓ガラス自体はどうもプラモ然としたもののようなので、オリジナルで作り変えた方がいいかも知れません。
ドアはなぜか縁に2段のスジが出ていますが、これを埋めれば逆に太い45°の縁取りが表現できそうです。併せてHゴムを削ればヨシ!この時点で「製作意欲メーター」の針が50%ぐらいまで振れたことを実感しました。笑
いかんいかん、冷静にならねば。。マイクロエースの発表によれば4両セットと中間車2両セットが発売予定とか。今手にしている1両を加えれば7連・・・これはまさに301系の登場時編成にぴったりです。メーターの針が75%まで振れてしまいました。
何はともあれ、このプラモ103系を「テツモ(鉄模)301系」に化かすことができるか検証する必要があります。失敗すれば登場時7両編成の夢が崩れてしまうリスクはありますが、そうならないことを祈りつつテストピースになってもらいます。ドアの周囲にパテを盛り、行先表示窓のフチを削り(この後窓埋めも)、雨樋を削ります。
雨樋を削ったのは、機械洗車を確実に行うために雨樋の位置が高められているからです。実際、どのくらいの高さに取り付けられているのか詳細図で確かめてみました。図中に屋根カーブの開始点から「床面上まで2,100mm」と書かれています。逆に雨樋の下辺までは55mmです。別図で床面から側板の下端までは206mmであることがわかるので、合計すると55+2,100+206=2,361mm、1/80換算で29.5mmです。
模型を測ってみるとほぼ29.5mmです!!プラモ侮れません。
ざっくりですがパテとサフで仕上げました。ドアのHゴムを削ってフチを45°平面に仕上げるのはハッキリ言って難儀です。7両分あと55か所やれと言われたら・・・。。しかし予想通り実車の雰囲気は出ています。フチを少し盛り上げると完璧ですがスジをつけるだけでもよさそうです。意欲メーター80%まで振れました。
このボディは幸か不幸か屋根板が薄く、車体の全高が約0.5mm足りないので、断面を雨樋に見立てたt0.5プラ帯板をわずかに車体からはみ出す位置に貼ります。
両端を少しナメて整形した屋根板をかぶせれば全高もぴったりです。意欲メーター90%超え!
当然、妻板との間にすき間ができるので穴埋め処理は必須ですが、実車はキャンバス止めこそ無いものの屋根布(ビニール?)を妻面まで巻き込んで接着したような構造になっているので塗装で隠せるでしょう。
意外と厄介なのが屋根と一体でモールドされたクーラーとベンチレーター台座の処理。
これも地道にカット&埋め戻しするしかないようです。メーターの針が60%まで下がりました。。
というわけで、なんとか301系らしき車体に改造できそうですが、数々の困難が待ち受けていることがシミュレーションできました。進むべきか退くべきか。。
そんな悶々とした状態を打破する出来事が起こりました。なんと、入手困難と思われていた正規の台車・DT34(カツミ)が7両分入手できてしまったのです。すべてピボットという難点はありますが、有名模型店2店舗の在庫リストを隅から隅まで探したら残っていました。これで少なくとも足回りは「なんちゃって」から卒業できます。
いや、ピボット軸受けをφ1.6mmドリルでグリグリやって「なんちゃってプレーン軸改造」をやったので完全に卒業できてませんww。 これは仮に手持ちのWB=26・φ10.5のギヤを組み付けてちゃんと動くことを確認したものですが、103系の仲間ですから実際はφ11.5車輪が必要です。調べたらWB=26&φ11.5というギヤはエンドウ、IMON、そして301系を製造したカツミのACEギヤでさえラインナップされていませんでした。WB=31などから切り詰めが必要です。
何だかんだで正規台車まで買ってしまったので後へ引けません。いつもの「毒を食らわば皿まで」精神でコレを調達しました。ホビーモデルの103系1000・1200番台用前面です。301系のお面に改造可能です。しかし高運転台改造用前面と違って分売されていません。側板が101系まんまなのをいいことに、103系1000・1200番台のクハ・クモハセットを買って側板を下河原線用5連に充当するというウルトラCを発動しました。
かくしてマイクロエースから103系プラキットが発売される前からお祭り騒ぎとなり、製作意欲メーターは振り切れ、創意工夫待ったなしとなりました。
近年流行りのプラキットですが、こちらは元々がプラモデル出身ということで実はあまり食指が動かず、先日のJAMでもチラ見しただけで写真も撮らずスルーしていました。
しかし先日、ひょんなことからカツミのジャンクの485系・583系からはずしたDT32(エンドウの刻印あり)をいじっていたらブレーキシリンダがついていないことに気付き、むむ、これはもしかして「103系ボディ」+「ブレーキシリンダの無いDT32」=「走っちゃえばわからない営団東西線直通301系タイプ」が爆誕するのではないか!?と、一気に風向きが変わったのであります。
気になるのはプラキットの「出来」がどの程度かですが、大昔に1両プラモを買ったことを思い出し、家探しの末に無事発見したのがこちらです。パンタ台や配管を削ってクハ化してあり、確か製品にはなかったエメラルドグリーンの常磐線仕様になっていました。
さっそくブレーキシリンダの無いDT32と組み合わせてみると、目を細めなくても301系の姿に見えてくるではありませんか。
301系は、営団地下鉄東西線乗り入れ用に国鉄が初の量産アルミカーとして製作した意欲作です。しかし、窓・ドア寸法は103系そのものと言ってよく、あまりカチッとしていない(失礼)車体は改造ネタにはうってつけなのです。
各部をチェックしてみます。ユニットサッシの枠は301系のそれと少し違い、301系はもっと薄くて上辺と下辺の幅が太いのが特徴ですが、幅はともかく厚みは削ればなんとかなりそうです。サッシがモールドされた窓ガラス自体はどうもプラモ然としたもののようなので、オリジナルで作り変えた方がいいかも知れません。
ドアはなぜか縁に2段のスジが出ていますが、これを埋めれば逆に太い45°の縁取りが表現できそうです。併せてHゴムを削ればヨシ!この時点で「製作意欲メーター」の針が50%ぐらいまで振れたことを実感しました。笑
いかんいかん、冷静にならねば。。マイクロエースの発表によれば4両セットと中間車2両セットが発売予定とか。今手にしている1両を加えれば7連・・・これはまさに301系の登場時編成にぴったりです。メーターの針が75%まで振れてしまいました。
何はともあれ、このプラモ103系を「テツモ(鉄模)301系」に化かすことができるか検証する必要があります。失敗すれば登場時7両編成の夢が崩れてしまうリスクはありますが、そうならないことを祈りつつテストピースになってもらいます。ドアの周囲にパテを盛り、行先表示窓のフチを削り(この後窓埋めも)、雨樋を削ります。
雨樋を削ったのは、機械洗車を確実に行うために雨樋の位置が高められているからです。実際、どのくらいの高さに取り付けられているのか詳細図で確かめてみました。図中に屋根カーブの開始点から「床面上まで2,100mm」と書かれています。逆に雨樋の下辺までは55mmです。別図で床面から側板の下端までは206mmであることがわかるので、合計すると55+2,100+206=2,361mm、1/80換算で29.5mmです。
模型を測ってみるとほぼ29.5mmです!!プラモ侮れません。
ざっくりですがパテとサフで仕上げました。ドアのHゴムを削ってフチを45°平面に仕上げるのはハッキリ言って難儀です。7両分あと55か所やれと言われたら・・・。。しかし予想通り実車の雰囲気は出ています。フチを少し盛り上げると完璧ですがスジをつけるだけでもよさそうです。意欲メーター80%まで振れました。
このボディは幸か不幸か屋根板が薄く、車体の全高が約0.5mm足りないので、断面を雨樋に見立てたt0.5プラ帯板をわずかに車体からはみ出す位置に貼ります。
両端を少しナメて整形した屋根板をかぶせれば全高もぴったりです。意欲メーター90%超え!
当然、妻板との間にすき間ができるので穴埋め処理は必須ですが、実車はキャンバス止めこそ無いものの屋根布(ビニール?)を妻面まで巻き込んで接着したような構造になっているので塗装で隠せるでしょう。
意外と厄介なのが屋根と一体でモールドされたクーラーとベンチレーター台座の処理。
これも地道にカット&埋め戻しするしかないようです。メーターの針が60%まで下がりました。。
というわけで、なんとか301系らしき車体に改造できそうですが、数々の困難が待ち受けていることがシミュレーションできました。進むべきか退くべきか。。
そんな悶々とした状態を打破する出来事が起こりました。なんと、入手困難と思われていた正規の台車・DT34(カツミ)が7両分入手できてしまったのです。すべてピボットという難点はありますが、有名模型店2店舗の在庫リストを隅から隅まで探したら残っていました。これで少なくとも足回りは「なんちゃって」から卒業できます。
いや、ピボット軸受けをφ1.6mmドリルでグリグリやって「なんちゃってプレーン軸改造」をやったので完全に卒業できてませんww。 これは仮に手持ちのWB=26・φ10.5のギヤを組み付けてちゃんと動くことを確認したものですが、103系の仲間ですから実際はφ11.5車輪が必要です。調べたらWB=26&φ11.5というギヤはエンドウ、IMON、そして301系を製造したカツミのACEギヤでさえラインナップされていませんでした。WB=31などから切り詰めが必要です。
何だかんだで正規台車まで買ってしまったので後へ引けません。いつもの「毒を食らわば皿まで」精神でコレを調達しました。ホビーモデルの103系1000・1200番台用前面です。301系のお面に改造可能です。しかし高運転台改造用前面と違って分売されていません。側板が101系まんまなのをいいことに、103系1000・1200番台のクハ・クモハセットを買って側板を下河原線用5連に充当するというウルトラCを発動しました。
かくしてマイクロエースから103系プラキットが発売される前からお祭り騒ぎとなり、製作意欲メーターは振り切れ、創意工夫待ったなしとなりました。
ひと晩寝て、ペーパースクラッチした方が楽かなと思い始めております・・・笑
>ホビーのお面とアリイの屋根はRが合いませんので、腕の見せ所です。
貴殿のブログを拝見し状況は把握していたので、今回はまだナメる程度ですが屋根の肩部分を削り込んでみました。妻面の写真をご覧いただくとRが少し違うのが分かるかと思います。厚みがあるので気合入れてやればかなりフィットできそうですが、いかんせん7両分仕上げる根気が続くかどうか。。
記事拝見しました。DT34(というかWB26mm)にφ11.5を取り付けたときのボリューム感が実感できました。ありがとうございます。
ホビーのお面とアリイの屋根はRが合いませんので、腕の見せ所です。
https://tetsu100percent.blog.ss-blog.jp/2023-05-04
この辺で...