チラつきのない照明と安定した走行を実現させてくれる通電カプラーは魅力的で、当鉄道でも最近では編成モノの電車を中心になるべく搭載するようにしています。
基本的にはIMONのISカプラーを使っているのですが、先日のPLUMの201系ではプラ車体の悲しさ、車重不足で脱線対策に翻弄されることとなりました。若干の補重と台車センターピンまわりの調整(スペーサーの嵩上げと復元スプリング除去)でなんとかしのいだのですが、そもそもメーカーサイドでは「軽いプラ車両には向かない」と明示していることに加え、編成が長くなれば購入費用も上昇するため、よりシンプルで安価な、しかもドローバータイプの通電カプラーはできないものかと試行錯誤し、このたびやっと使えそうなものができましたのでご紹介したいと思います。
当面はPLUMの115系ナノC9編成に実戦投入する予定ですが、結果が良ければ他の編成にも展開していきたいと思います。
通電カプラーの試作はこれまでも何度かチャレンジしていて、直近・・・といってもだいぶ前ですが、以下の記事を投稿しています。なお、305系の製作自体はその後ボツになりましたので、悪しからずご了承ください。。
●JR九州305系の製作(5)
●JR九州305系の製作(7)
このときもなるべくシンプルな構造を目指したものの、どうしても結合部分を“摺動接触”としなければならないことから接点の構造が複雑となり、連結・解放もコツがいるような状態でした。ただ通電機能自体は良好だったのでリベンジを誓ったわけです。
今回のチャレンジ第二段ではまず摺動接触を排することとし、機構的には電気パーツのコネクタと変わらない構造としました。これに抜け防止のフックを追加したような構造になっています。KATOの延長コードのコネクタを想像していただければ分かりやすいかと思います。あれは抜き差しにかなり力が必要ですが、それでは車両が壊れてしまいますので優しく抜き差しできるようにしたことがポイントです。
以下、作り方です。今回は手持ち素材の消化の一環として接点に2.0×t0.4洋白帯板を使うこととしたので、それに合わせて筐体の大きさなどを決めてあります。本来なら燐青銅板を使った方がバネ効果によってより確実な通電が可能と思います。
底板と天板はt1.0プラ板とし、幅6mm、長さ15.5mmに切り出します。これは床板取付用ネジ間の距離をエンドウドローバーと同じ23mmとして設計した寸法で、PLUM115系のカプラー取付穴にそのまま取り付けると連結面間は約9mmとなり、伸縮機構無しでR610は曲がれるものと思います。10mm以上開くとおもちゃっぽくなるので見栄えの点からも限界値かなと。。
接点は前に書いたように2.0×t0.4洋白帯板で、非連結側の端部は斜めに曲げて約30mmのビニールコードを半田付けしておきます。マスキングテープに隠れている連結側は連結しやすいように先端をテーパー状に削ってあります。
オス側です。t0.5プラ板を2mm幅にカットしたものを側板として凹状に組み立て、それに沿うように洋白帯板を縦に配置し、両端子間をさらにプラ小片で埋めます。写真では見えませんが洋白帯板の下端には切込みが入れてあり、底板に貼ったプラ帯と嚙み合って抜けないようになっています。床板取付用の穴はφ3mmです。
これはメス側で、既に天板でフタをしたところです。両サイドの洋白帯板の先端はテーパー状に削ってあるので、オス側が内側に差し込まれて圧着される仕組みです。シンプル化のため“コブラ口”にはしていません。
天板の端には「レ」の字型断面の溝が掘ってあり、ここにオス側から解放止めのフックが入ります。
オス側にも天板を接着したら、連結面から1.5mm離れた位置にφ1.0mmの穴を開け、L字型に曲げたφ0.8mm真鍮線を差し込みます。これが解放ピンとなります。
天板には溝を掘っておき、連結状態では解放ピンの上面が天板とツライチになるようにします。
話が前後しますが、床板取付用の穴にはエコーのφ3.0-2.0細密パイプを切って差込み瞬着で固定してあります。M2ネジに復元スプリングを入れたもので床板に固定することになります。
オス側にt0.1燐青銅板から切り出したフックをネジどめして完成。連結した状態です。
解放ピンを指の腹で少し押し上げれば容易に解放します。なおフックはt0.1という薄板ですが、先端を鋭角に折り曲げてあるのと、燐青銅板というコシの強い材質のため、ロックした状態で引き抜こうとしても変形しません。
連結から解放までの動きを撮った動画がありますのでご覧ください。
※オートのまま撮ったので途中ピンぼけになります。。(>_<)
※息づかいが聞こえるかもw
実は、現時点では当初の目的の半分しか達成していません。摺動接触を排する以外にも、「走行中の車体のねじれを束縛しない」ことが安定走行の基本になるため、車体(床板)への取付けがリジッドにならないように注意する必要があります。次回の投稿ではこの点を中心に、PLUM115系C9編成へ実装した状況などをご報告する予定です。
基本的にはIMONのISカプラーを使っているのですが、先日のPLUMの201系ではプラ車体の悲しさ、車重不足で脱線対策に翻弄されることとなりました。若干の補重と台車センターピンまわりの調整(スペーサーの嵩上げと復元スプリング除去)でなんとかしのいだのですが、そもそもメーカーサイドでは「軽いプラ車両には向かない」と明示していることに加え、編成が長くなれば購入費用も上昇するため、よりシンプルで安価な、しかもドローバータイプの通電カプラーはできないものかと試行錯誤し、このたびやっと使えそうなものができましたのでご紹介したいと思います。
当面はPLUMの115系ナノC9編成に実戦投入する予定ですが、結果が良ければ他の編成にも展開していきたいと思います。
通電カプラーの試作はこれまでも何度かチャレンジしていて、直近・・・といってもだいぶ前ですが、以下の記事を投稿しています。なお、305系の製作自体はその後ボツになりましたので、悪しからずご了承ください。。
●JR九州305系の製作(5)
●JR九州305系の製作(7)
このときもなるべくシンプルな構造を目指したものの、どうしても結合部分を“摺動接触”としなければならないことから接点の構造が複雑となり、連結・解放もコツがいるような状態でした。ただ通電機能自体は良好だったのでリベンジを誓ったわけです。
今回のチャレンジ第二段ではまず摺動接触を排することとし、機構的には電気パーツのコネクタと変わらない構造としました。これに抜け防止のフックを追加したような構造になっています。KATOの延長コードのコネクタを想像していただければ分かりやすいかと思います。あれは抜き差しにかなり力が必要ですが、それでは車両が壊れてしまいますので優しく抜き差しできるようにしたことがポイントです。
以下、作り方です。今回は手持ち素材の消化の一環として接点に2.0×t0.4洋白帯板を使うこととしたので、それに合わせて筐体の大きさなどを決めてあります。本来なら燐青銅板を使った方がバネ効果によってより確実な通電が可能と思います。
底板と天板はt1.0プラ板とし、幅6mm、長さ15.5mmに切り出します。これは床板取付用ネジ間の距離をエンドウドローバーと同じ23mmとして設計した寸法で、PLUM115系のカプラー取付穴にそのまま取り付けると連結面間は約9mmとなり、伸縮機構無しでR610は曲がれるものと思います。10mm以上開くとおもちゃっぽくなるので見栄えの点からも限界値かなと。。
接点は前に書いたように2.0×t0.4洋白帯板で、非連結側の端部は斜めに曲げて約30mmのビニールコードを半田付けしておきます。マスキングテープに隠れている連結側は連結しやすいように先端をテーパー状に削ってあります。
オス側です。t0.5プラ板を2mm幅にカットしたものを側板として凹状に組み立て、それに沿うように洋白帯板を縦に配置し、両端子間をさらにプラ小片で埋めます。写真では見えませんが洋白帯板の下端には切込みが入れてあり、底板に貼ったプラ帯と嚙み合って抜けないようになっています。床板取付用の穴はφ3mmです。
これはメス側で、既に天板でフタをしたところです。両サイドの洋白帯板の先端はテーパー状に削ってあるので、オス側が内側に差し込まれて圧着される仕組みです。シンプル化のため“コブラ口”にはしていません。
天板の端には「レ」の字型断面の溝が掘ってあり、ここにオス側から解放止めのフックが入ります。
オス側にも天板を接着したら、連結面から1.5mm離れた位置にφ1.0mmの穴を開け、L字型に曲げたφ0.8mm真鍮線を差し込みます。これが解放ピンとなります。
天板には溝を掘っておき、連結状態では解放ピンの上面が天板とツライチになるようにします。
話が前後しますが、床板取付用の穴にはエコーのφ3.0-2.0細密パイプを切って差込み瞬着で固定してあります。M2ネジに復元スプリングを入れたもので床板に固定することになります。
オス側にt0.1燐青銅板から切り出したフックをネジどめして完成。連結した状態です。
解放ピンを指の腹で少し押し上げれば容易に解放します。なおフックはt0.1という薄板ですが、先端を鋭角に折り曲げてあるのと、燐青銅板というコシの強い材質のため、ロックした状態で引き抜こうとしても変形しません。
連結から解放までの動きを撮った動画がありますのでご覧ください。
※オートのまま撮ったので途中ピンぼけになります。。(>_<)
※息づかいが聞こえるかもw
実は、現時点では当初の目的の半分しか達成していません。摺動接触を排する以外にも、「走行中の車体のねじれを束縛しない」ことが安定走行の基本になるため、車体(床板)への取付けがリジッドにならないように注意する必要があります。次回の投稿ではこの点を中心に、PLUM115系C9編成へ実装した状況などをご報告する予定です。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます