80分の1丁目16番地

ペーパースクラッチによる車両作りを中心に1/80、16.5ミリゲージの鉄道模型を楽しんでいます。

JR九州305系の製作(4)

2020-06-19 01:02:06 | 九州・山陽方面
製作中の305系の編成は次のようになっています。

←西唐津  姪浜・福岡空港→
①クハ305=②モハ305=③モハ304+④モハ305-100【M】+⑤モハ304-100=⑥クハ304

6連の場合、動力車を1両にするか2両にするかが悩みどころです。キャノンEN22モーターは高トルクなのでペーパー製なら1両でいけるはずですが、山岳線への乗り入れを考えると2両にして余裕を持たせたい。しかしコストは2倍・・・。

悩んだ末、今回は1動力車方式として、残りの5両は極力軽く作ることにしました。上の編成表の【M】で示した4号車のモハ305-100にEN22を1台搭載し両台車駆動とします。
そしてギヤには今回初めてIMONギヤを採用しました。サイズ的にはエンドウのMPギヤ、カツミのACEギヤとほぼ同等品ですが、ギヤボックス内にデルリンワッシャを実装し耐久性が高いとのことです。動力車1両で負荷が高くなると予想しての採用。効果やいかに?

軽量化すると問題になるのが集電不良です。そこで動力車以外は引き通し回路を構成して多軸集電を行うことにします。編成表で赤く示した①~③号車と、青く示した⑤、⑥号車を別グループとして、それぞれ通電ドローバーで電気的に接続しようというものです。ちなみに動力車は重量があって集電性が高いのと、モーターの逆起電力の影響が考えられるため引き通しからは分離しました。

で、ここからが本題です。軽量化のため残り5両の床板はプラ板で作ることとし、引き通し回路などの構造を決めるため、先行試作的に⑤号車に相当するモハ304-100の床板を作ることにしました。ベースはやや厚手のt1.5mmを使用。写真はセンターピン穴と車体固定用ネジ穴を開けたところ。今までT車は日光の木製床用センターピンを使っていましたが、今回はT車もすべてMPボルスター(カツミ製の同等品)で統一します。



補強のため、ボギーセンター間に2×5×2真鍮チャンネルをスーパーXクリアとM1.4ネジを併用して接着。



台車から車端部にかけてはt0.5プラ板で補強し、そこにカプラー台座を接着します。こちらは動力車側となるためエンドウの通常のドローバーを装着。なお反対側は自家製通電ドローバーを装着する予定ですが、まだ現物は姿を現していません。(笑)



室内はある程度きれいにしておきたいので、床を二重構造にして、ウェイトと引き通しの配線をこの空間に仕込みます。そのためウェイト用にt1.0mmの鉛板を新たに購入し、一番下側のように1cm幅に切り出しました。長さは127mmです。



鉛板はひずみを十分取ってから床板に接着しますが、この時、チャンネル材との間にt0.5×1.5mmのプラ帯材を挟みます。床下機器取付板を貼る際の台座になります。



鉛板の外側にもt0.5×1.5mm帯材を貼り、t0.5mmプラ板で蓋をします。この状態でサイドには幅3mmの空洞ができるので、ここに引き通し用の真鍮帯板を収容します。



床上をスッキリ見せるため電気配線は床下で完結させることとし、センターピンセットに付属しているM2×8mmネジをM2×10mmネジに交換して台車内に突き出させ、そこに配線用ラグ板をナット止めします。まだ仮組みのため配線していませんが、仮置きした黒ビニールコードのような感じで引き通し用の真鍮帯板と接続します。



反対側の台車付近も基本的には同じ構造ですが、通電ドローバーへ向かう端子(L字型のもの)が付加されます。そしてM1.4ネジが差し込んでありますが、これが車体の固定と室内灯配線を兼ねます。



床上から見るとこんな感じ。MPボルスター式では、どうしてもセンターピンの頭が目立ってしまうのは避けられませんね。。。



以上でT車の標準的な床構造が決まりました。次は「通電ドローバー」の試作です。


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JR九州305系の製作(3)

2020-06-15 01:41:48 | 九州・山陽方面
やり残していたもう片側の「溝」を作り、屋根が完成しました。



どう撮っても光の加減でうまくお伝えできませんが、とにかくこんな感じの屋根になってます。
実車の雰囲気は出せましたが、ハッキリ言ってこの工法はしんどい!(泣)
2両目からは同じ構造ながら手順を見直し、もう少しラクに組み立てられるようにしたいと思います。



45°にカットされたコーナー部もパテと耐水ペーパーで仕上げておきます。



以上で車体の組み立てはワンラウンド終わりました。改善が必要な点が多々出てきたので対応を考えるのですが、その前にあと1品だけ試作しておきたいものがあります。それがこのクーラーの隣にある大きな箱です(写真は東武50000系のもの)。なんでも「強制換気装置」とのことで、なるほど、オール固定窓のためにこういったものが必要になるわけですね。この写真では写っていませんが側面には2列のルーバーが並んでいます。



ルーバー部分はエバーグリーンの「カーサイディング」(No.2020=0.5mmピッチ)を使って表現することとし、アクリルカッターで溝をわずかに深掘りしたのち3mm幅にカットします。



簡単な治具を作って3.5mm幅にサクサクとカット。



本体は#400(t0.5mm)スノーマット紙を使用。側面パーツにはあらかじめ四角く開けた穴にルーバーを埋め込んでおき、前後板、天井板と組み合わせて箱にします。



前後板には「取っ手」が付いているのでφ0.3mm真鍮線で表現しました。所定の位置に仮置きしてみます。大きさは類推で作りましたが、問題なさそうなので、これで量産します。



なんとか先行試作車の車体が完成しました。実車では4号車となるモハ305-100番台(パンタなし)です。なおクーラーはAU75Bを仮置きしてありますが実車とは異なります。最近発売されたカツミの「横浜高速鉄道Y500系512編成」に搭載されている日立HRB504クーラーが酷似しているので、分売がないか聞いてみると、いまのところ予定はないものの「希望が多ければ分売の可能性あり」だそうです。皆さん、このクーラーを使って作りたい車両はありませんか?いっぱいリクエストしましょう!!(笑)



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JR九州305系の製作(2)

2020-06-11 02:29:46 | 九州・山陽方面
A-trainの屋根の模型化方法を検討します。
「日立評論」2003年8月号に掲載された図によると、張り上げ屋根のごとくカーブした屋根肩の内側には、雨樋とランボードを兼ねたような溝があることがわかります。色の付いた丸印や矢印は私が書き込んだもので、ネット検索で出てきた実車写真と比べると、イマイチ構造が理解できなかった部分です。

<出典:「最近の鉄道車両“A-train”」(日立評論2003年8月,P.12図2 A-trainの構造)>


この疑問を解決すべく、池袋駅北側にある陸橋から東武50000系の屋根を見学・撮影してきました。


結果は次の通りです。
・赤丸の部分は丸くなく、エッジのきいた台形状に切り下げられている。
・青丸の部分は車側に向かって緩い勾配がついていて雨水が集まるようになっている。集まった雨水は車端部の縦樋(内蔵)から排出される。
・オレンジ色の矢印で指し示す端部は庇状に飛び出しているようにみえる。走行中の車両では直接確認できなかったが、写真の影のでき方からみてわずかに突出しているものと思われる(おそらく溢水防止のため)。

これらを理解したうえで、最初は作らない予定だったモックアップもどきを作って模型化方法を考えました。簡単に言えば「穴をくり抜いて裏打ちする」ということになります。詳細はのちほどご紹介しますが、屋根肩Rと溝が接近していて、先に穴をくり抜いてしまうと曲げた時に肩Rが立ち上がってしまい、綺麗に曲げることができなくなってしまうので、先に車体を箱に組んでから穴を開けることにします。



このA-trainの車体にはもうひとつ特徴があります。オフセット衝突時の安全性を高めるため、車体の四隅が45度に面取りされています。これを1枚板で作ると正確な車体幅が出しにくいため、幅決め用の裏板(下)と外皮(上)の2枚構成としました。実車さながらのダブルスキン構造です。(笑)



2枚の妻板を貼り合わせたところです。なおこの方法は実際に作業してみると非常に面倒でした。なので今後の量産車では、普通にイモ付けしてから面取りする方法に変えようと思います。



車体の補強はノーマルな3×3mmヒノキ材による方法です。なお国鉄形と比べてやや車高が低いので、腰部の補強材は、下端から3.5mmの位置に取り付けてあります。



屋根の裏側に#400スノーマット紙(t0.5mm相当)を貼ります。屋根の補強と、先ほどの赤丸で示した段差を表現するためのスペーサーを兼ねたものです。



ここで一気に箱組みします。これで終わりならかなりラクなんですが・・・。(笑)



妻板の結合のようす。さながら現代版キノコ妻の様相を呈しています。



屋根の全長にわたって「穴」を開けると一時的に強度が低下するため、屋根側の補強材の間に横梁を渡しておきます。



いよいよ「雨樋ランボード」(?)の溝を作ります。先に車体内側(赤丸側)を台形状にカットするため、定規がずれないように注意しながら、ケガキ線に沿ってカッターの刃を思いきり寝かせて(45度)引いていきます。間違って切り込むといけないので、何回にも分けて少しずつカットしていきます。なお外側については普通に垂直にカットします。



十分刃が入ったことを確認し溝部分を剥ぎ取ります。



裏打ち用の部材を#300スノーマット紙から幅5mmで切り出し、2.25mm:2.75mmの位置で軽く折り曲げておきます。2.25mmの部分がノリシロ、2.75mmの部分が溝の底になります。



出来上がった「雨樋ランボード」(?)です。片側だけで精魂尽きました。。もう少し効率化・簡略化しないと・・・。あ、縦樋の穴も開け忘れてるし・・・・・・。。



なんとか車体が“ひらき”のうちに「雨樋ランボード」を作る方法を考えたいですね。やはり箱に組んでからだと作業がしにくいので。。


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また手を広げてしまった

2020-06-08 01:57:54 | 九州・山陽方面
ご無沙汰しております。久しぶりの更新です。
この間、さぞや仕掛り品退治が進んだのでは、と思われるかも知れませんが・・・

実は全く逆方向に進んでしまいました。(大滝汗)

E653系1000番台「いなほ」を作るつもりで買い込んだ台車。そうこうしてるうちにエンドウから完成品が出てしまい、買うつもりもお金もないので関係ないはずなのに、なぜか急に製作意欲がしぼんでしまったので、まだ製品化されていない他の車両に転用することにしました。本来はDT64ですが、間違ったか品がなかったかでDT61が2両分混じっています。ちょっと加工すれば誤魔化せるのでOK。



ということでムラムラと車種選定が始まりパッと目についたのがコレ。JR九州の305系です。筑肥線・唐津線から福岡市営地下鉄に直通する車両ですね。4M2Tの6両編成と手頃です。



形式図をもとにPCで型紙を作成。車体は現代版規格型電車ともいうべき日立製作所の“A-Train”とのことなので、手元にあった「とれいん」誌の東武60000系や東京メトロ16000系などの図面を参考に作画してみたのですが、どうも様子がおかしい。。仕方ないので古書店から取り寄せたのが上の写真の鉄道ファン2015年6月号です。規格型とはいえ、車端部や窓高さなどが各社で微妙に違ってるんですねー。



この“A-Train”はダブルスキン構造のアルミ車体で側面はのっぺりしているのですが、屋根が独特の構造をしていて、雨樋とランボードを兼ねたような溝が屋根の両サイドを全長にわたって走っています。細かい検討するのも面倒なので、モックアップのつもりでモハ305を先行的に組み立てることにしました。まずは窓を抜いて・・・。



構造上、車体は相当な厚みがあるため、ドア部分にはt0.2mm程度の薄紙を貼り重ねて奥行きを出します。



中をくり抜いて断面に溶きパテを浸み込ませ、乾いたら耐水ペーパーで断面を整えます。ドア部分以外にはt0.5mmの内貼りを貼ってあります。



当初はドアもペーパーから切り出すつもりでしたが、96個の窓抜きとHゴムの描き入れに恐れをなし、IMONのエッチング製品を使うことにしました。エコーのプレス製品と比べると平板な印象ですが、ドア窓の段差がない新型車両にはこちらの方が似合うと思います。



接着にはスーパーXクリアを使い、貼り合わせて位置を決めたら少量の瞬着を上下2ヵ所に垂らしておきます。この状態で真鍮板に挟んでバインダークリップで固定。ただ挟んだだけだと時間とともにずれてしまう場合があるので瞬着を併用します。



とりあえず片面だけ貼り合わせて本日はタイムアップ。なお下回りはバラパーツを組み合わせ、市販の動力ユニットと同等に組み立てたものです。



ということで、現在当工場の製造ラインには305系、THE ROYAL EXPRESS、近鉄860系、富山地鉄、札幌市電の動力、オハフ50・・・(ああ書ききれない)などが入り乱れております。どうしてくれようみんな自粛のせいだ!!!(ほとんど自粛前から着手してますけど・・・)


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