石井伸之の国立市議会議員日記 自由民主党会派所属

東京都国立市の若手?市議会議員(6期目)による日記です。国立市議会議員として国立市政の最新情報を伝えて行きます。

11月4日~6日にかけて沖縄へ自民党新政会会派で視察に行きました

2008年11月06日 | Weblog
 こんにちは、常夏の沖縄から東京に戻ってきて、寒さが身にしみている石井伸之です。私たち自由民主党新政会所属の議員4名で、沖縄の企業誘致について視察しました。

 11月4日は、日程を少しでも詰める為に、午前5時36分の川崎行き電車にのりこみ、座った瞬間天下市の疲れも手伝って、眠りに落ちてしまいました。

 川崎駅からタクシーで羽田空港に向い、午前8時過ぎの飛行機で一路那覇空港を目指します。およそ2時間半かけて那覇空港に到着すると、曇り空のせいかそれほど暑いということはなく、過ごしやすいというのが素直な感想です。

 レンタカーの手続きを行い、本日の視察先である名護市のマルチメディア館へ向かうと、70キロ近い道程を1時間少々で到着することができました。沖縄の街並みを見ていると、ほとんどの民家が鉄筋コンクリート造で、木造の建物はほとんど見当たりませんでした。風雨が激しいことと、建設資材となる木材が少ないということが原因ではないでしょうか?

 さて、マルチメディア館は、平成11年4月に情報関係企業を誘致する目的で建てられており、その隣には、平成16年4月に「みらい1号館」平成17年4月には「みらい2号館」が開館されており、様々な情報関係企業が入館しております。

 視察させていただいた、名護市マルチメディア館はNPO法人「NDA」が、名護市の行政とは距離を置いた形で運営しておりました。どうしても行政主導では、決済や稟議というような行政内での対応が遅く、即断即決を求める企業のスピードについて行けないとのことです。

 だからといって、行政から全く切り離されたという訳でもなく、名護市の進める政策を念頭に置きながら自由な裁量を任されているという認識が適切であるように思います。

 説明をしていただいた事務局次長も名護市派遣職員ですが、年齢も38歳ということで大変若く、説明に自信と説得力に満ち溢れておりました。ここに入る前は、立ち上げの手伝いをする民間企業からの出向職員だったそうですが、なんだかんだと関わるうちに職員となったそうです。

 説明を聞いていると、亡くなられた岸本前市長の先見性によって、この構想が進められ、情報産業に長けた優秀な人材を招致して、名護市にマルチメディア企業を受け入れる準備をしていたそうです。

 その結果、平成20年6月末で名護市において28社を誘致して、870名の雇用が確保されたと説明を受けました。こういった情報産業は回線で繋ぐことによって距離が無いということと、沖縄特有の人件費と物価の安さというのが大きなメリットになっております。

 さて、名護市から宿泊先である那覇市に入ると、11月9日告示、16日投票で那覇市市長選挙と市議会議員補欠選挙が行われるということで、市内各地では事前街頭演説が盛んに行われておりました。

 国立市と大きく変わるのは、電柱という電柱全てに立候補予定者のポスターが到る所に貼られていることで、基本的に公共の工作物に特定の政党や選挙に立候補する方のポスターを貼ることはできないのですが、沖縄ではこれが普通のようです。

 それと、車文化の為に自転車という存在を見かけることは最後までありませんでした。沖縄は以外と小高い丘が多く、ソウル市のように坂道が多いのが特徴です。

 

 日付は変わって11月5日には、那覇市IT創造館を視察すると、説明に現れた館長という方のいでたちに圧倒されました。髪型は大きく波を打ったように長髪をガッチがちに固められ、服装は派手なアロハシャツ、顎ひげを蓄え、しゃべる言葉は関西弁(関西の方ごめんなさい)ということで、おそらく私たち4人とも「変なのがきちゃったなあ」と思ったに違いありません


 しかし、その話は那覇市にどうやってIT企業を誘致して、その企業に対する要望を那覇市に伝えて、それを実現していくのかといった、実務的な内容に溢れており、話を聞いているうちにその素晴らしさに感動すら覚えてしまいます。こういった格好をすることも、誰にでもすぐに覚えてもらう為の戦術だと聞かされました。


 この館長さんの立場は、那覇市職員という訳ではなく、どちらかというと嘱託職員といった方が適切で、那覇市とは一歩距離を置きながらも、企業にとってはこの館長が那覇市の窓口であるかのような立場だそうです。

 やはり、名護市でも言われましたが、完全なる行政主導では話しが遅く、企業としては待っていられないというのが本音なので、そこに那覇市IT創造館の館長にある程度の裁量を委ねることによって、企業のスピード感に対応しているそうです。

 さて、このIT創造館がどういった役割を果たしているかというと、県外から企業を誘致する為のアプローチをすると共に、那覇市の魅力を発信するということと、その大手企業に対する子会社のような企業育成も行っており、フロアには軌道にのった地元企業もおり、いずれは地元のテナントに入って事業を行うそうです。

 やはり、本音の部分でせっかく企業を育てても、それが市外に出て行ってしまうのでは、本末転倒なのでテナントを運営する不動産業者との連携も行っております。

 それよりも大切なのは人材育成だと言われておりました。こういった企業が来る条件として本土から人材を派遣していては、それだけでも負担になります。その為にも地元の方を雇いたいそうです。しかし、以前は情報関係の学校が少なく人材がいないというのが難点だったようです。

 そこで、市や県に情報関係の人材育成も計画的に実施するよう働きかけ、徐々に地元採用の人材は増えております。何と言っても情報産業はこれからまだまだ裾野が広がる事業であり、それに対応する為にも情報産業に対する地元の理解を深めるというのも重要な仕事だと言っておりました。最初はコールセンターといっても何をするところなのか分からない為に、敬遠されていたということもあったそうです。

 関西弁特有の早口で捲くし立てる口調ですが、現在の充実ぶりと将来に向けて、沖縄がアジア方面に向けて進出拠点になる夢があり、言葉からは力強さと高揚感に溢れておりました。何と言ってもこれらの施策にゴーサインを出してバックアップしている現市長の貢献が大であるということは言うまでもありません。

 
 三日目の11月6日は午前中にコールセンターを那覇市に展開している「トランス・コスモス」社を視察させていただきました。入る所から駅の改札口の様に管理されるだけではなく、様々な部屋に入るときもカードで認識する必要があります。情報を預かるというのはそれだけ厳重なセキュリティーが必要であると実感させられました。

 社内を見て回ると携帯電話のサイトを作る部署があり、そこには現在出ているあらゆる携帯電話がズラーッと並んでおり、その迫力に圧倒されます。

 企業として行政に求められるのは、5日のIT情報館の館長から言われたように、進出する際のコストを如何に抑えるかということにあって、現在沖縄で大きな問題になっている待機児童の問題についても、現在はトランス・コスモス社でも育児施設を一階に設けておりますが、本来であれば各地に保育園が整備されるべきだと話しておりました。

 もちろんそれ以外にも、土地代、人件費、協力業者などなどありますが、とにかくそういったコストをどこまで抑えられるかが、一番求められることだそうです。

 この日程を組んでいただいた松嶋幹事長には、様々な準備で大変苦労されたことと思いますが、企業としての本音や行政としてどういった協力体制を敷くべきなのか大変勉強になりました。確かに、市長のやる気と努力というのが一番大切なのは言うまでもありませんが、毎年10億円の赤字を出す国立市財政の健全化に向けて今後とも努力していきます。
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