アドラー心理学に基づく勇気づけの研修(外部研修も)とカウンセリング、コンサルティングを行っています。
アドラー心理学による勇気づけ一筋40年 「勇気の伝道師」   ヒューマン・ギルド岩井俊憲の公式ブログ



おはようございます。アドラー心理学に基づく勇気づけの研修(外部研修も)とカウンセリングを行う ヒューマン・ギルド の岩井俊憲です。 

昨日(9月5日)の10:00~15:00は、ヒューマン・ギルドで平日版  アドラー心理学ベーシック・コース  の初日を行っていました。

平日にもかかわらず18人もの方々(うち男性4名)が参加してくださいました。

今日は、鹿児島市に行き、土日開催の アドラー心理学ベーシック・コース  の初日です。

12月開催予定の大阪コースは、35名定員のところ、すでに満員、キャンセル待ちが5名もいます。

さて、幸福につながるアドラー心理学の知恵 のカテゴリーでさらに続きます。
今回もかつてある雑誌に書いたものに修正・加筆した「幸福ってなんだろう?」の2回目です。

前回は、<必ずしも幸福とは言えそうにないもの>として次の4つを列挙し、1.2.について書きました。

1.人間の力ではコントロール出来できないもの

2.偶然の産物

3.身体の健康

4.物質的に豊かであること

今回は、3.の「身体の健康」と4.の「物質的に豊かであること」を書きます。

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3.身体の健康

健康に関する本がたくさん出版されています。今や健康産業は花盛りなのですが、その裏で医療費の膨張がかしましく論議されています。

恥ずかしいながら、この私もいろいろな人にすすめられて、ある時はA商品、またある時はB商品と遍歴し、これまでにかなりの金額を健康関連商品に投じています。費用対効果で計ってみますと、結局、大損です。そして、内なる自然治癒力に対する信頼をすっかり失っている自分を発見しました。

20数年ほど前に私が合気道の演武を見ていた時のことです。実にみごとな演武に惚れ惚れしていると、司会の方がマイクをとり、「今、演武しているC君にご注目して下さい。特に彼の右腕をご覧下さい」と言いました。

C君の腕を見ると、道衣がブラブラしています。二の腕から先がないのです。

「C君は22歳の時、入門してきました。彼はその時、こう尋ねました、『僕は右腕がありません。こんな僕でも合気道はできるのでしょうか?』と。師範の私は逆に二つの質問を返しました。『C君、キミは右腕がないことを言い訳にするかい?』『キミは右腕があるとイメージできるかい?』。するとC君は答えました。『18歳の時に事故で右腕を失ったので、イメージはしっかりしています。それに稽古の時も言い訳はしません。普通の人と一緒に扱っていただいて結構です』。それ以来、C君は熱心に修練を重ね、今では黒帯になって、普通の人以上のレベルに達しています」
とC君のことを紹介してくれたのです。

C君は確かに右腕が不自由かもしれません。しかし、彼の心は不自由ではなく、いたって健康であり、幸福の条件を充分備えています。私は、健康関連商品に頼っていた自分を恥じました。

4.物質的に豊かであること

日本がまだ貧しかった頃、カラーテレビ、カ―(自動車)、クーラーの、いわゆる“3C”を持つことは日本人の夢でした。

現在ではこの夢は実現し、3Cはすべてに近い家庭に普及しています。そして3Cどころかさまざまな商品が部屋を満たし、それこそ「寝る場所もない」ほど氾濫しています。

それでいったい私たちは幸福になったでしょうか? 食べ物も豊かになりました。しかし飽食状態が人間を幸福にしたでしょうか?

私は逆だと思います。物質的に豊かになればなるほど精神の飢餓状態をもたらしているのではないでしょうか?

私たち日本人は、かつてアメリカ流の食生活に憧れていましたが、今では日本の方が豊かになったかもしれません。

1989年、私はアメリカのアドラー心理学者・クリステン博士を鬼怒川温泉に招待したことがあります。出された豪華な料理を前にして、やおら箸をつけようとした時、博士がこうおっしゃいました。

「岩井さん、ちょっと待ってください。記念に写真を撮りたい」

博士はカメラを手にすると。人物ではなく、食卓の料理を撮り始めたのです。

「生まれて60数年、こんな料理に出合ったのは初めてです。写真を撮って、孫たちに『おじいちゃんはこんな料理を食べてきたんだ』って自慢するんだ」と夢中でシャッターを切っていました。

レストランに行くと、食べ残しが目につきます。飽食の陰に、感謝の心を持って食事をする精神はどこかに行ってしまったようです。これで本当に幸福なのでしょうか?

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◆ 2014年09月03日 のブログを読んでいただくと、1.「人間の力ではコントロール出来できないもの」、2.「偶然の産物」のことがわかります。

<お目休めコーナー> 9月の花(6)

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