おはようございます。アドラー心理学に基づく勇気づけの研修(外部研修も)とカウンセリングを行う ヒューマン・ギルド の岩井俊憲です。
まずは、アドラー心理学ブームを加速させる話から。
小倉 広さん(株式会社 小倉 広事務所 代表取締役)からご著書の『アドラーに学ぶ部下育成の心理学 「自ら動く部下」が欲しいなら ほめるな叱るな教えるな』(日経BP社、1,400円+税)をお贈りいただきました。

小倉さんは、ご丁寧なお手紙を添えてくださいました。
発売早々増刷が決まったそうです。
「あとがき」には私に対する謝辞も書いてくださっています。
小倉さん、ありがとうございます。
次に、金子書房編集部の天満 綾さんから拙著『勇気づけの心理学 増補・改訂版』10月に増刷決定した旨のご連絡をいただきました。
メールには、次のようなメッセージが添えられていました。
4月・7月に続いて10月と、年に3度の増刷です。
今年は弊社にとっても「勇気づけ」の年であり、岩井先生のご奮闘と、世のアドラー心理学ブームに頭が下がる思いです。
本当にありがとうございます。
『マンガでやさしくわかるアドラー心理学』が1週間から10日単位で1万部増刷になるのもうれしいけれど、心理学の専門出版社から出したアドラー心理学の本が累計2万部近くになるのも、変わらないくらいうれしいです。
金子書房さん、ありがとうございます。
次が本題です。
幸福につながるアドラー心理学の知恵 のカテゴリーで、今回は、アドラーの通訳兼翻訳者だったW.B.ウルフの『どうすれば幸福になれるか 上下』(岩井俊憲監訳、一光社)から彼の幸福に関する記述を抜き書きしてみました。
1. 幸福自体をゴールとして追い求めない。
上P.24
2. 形而上学の不毛のがらくたの【論議の】中に幸福を探せるものではない。
上P.24~25
3. 24時間を目一杯生きている過程で幸福だと気づく。
上P.25
4. 幸福とは、知力、勇気、ユーモアのセンスがほんの少しでもあれば、誰でも習得できる造形芸術
上P.25
5. 幸福は、良い人生に向けて投資したことに対して支払われる利息と言えよう。完成したときの褒章金ではなく、正しい方向に第一歩を踏み出したときからもらえる配当である。しかも複利で増えていく。
上P.27
6.人間の幸福は静的なものではない。何かを<持っている>(having)とか、<何かである>(being)ということでからではなく、人間の補償パターンに合致する何かを<行う>(doing)ことから幸福は得られる。人類の社会組織に建設的な何かを貢献した人だけが、幸福になれるのである。
上P.165
7.人が幸せになれるのは、良い人生を生きているとき、公共の福利に貢献しているとき、社会の仕事に参加しているときだけである、という本書の論旨
上P.186
8.幸福な人は協調したり、社会のために、また人類の福利のために貢献したりすることによって、もともとの劣等感を補償できることを理解している。そういう人が従っている方式は、「仲間の人々の幸福と安全のために役立たなければならない」という実に簡単な言葉で表現できる。この世で幸福を手に入れたいと願う人にとって、これ以上素晴らしい方式はないだろう。
下P.18
9.できる限り大きな幸福を手に入れたい、できる限りの人々の役に立ちたいと思う人たちにとって、人生の哲学はたった1つ、建設的な愛他主義の哲学である。本当に幸福な人は、常に戦う楽観主義である。楽観主義には愛他主義はもちろん、社会的な責任や社会的勇気、客観性が含まれる。
下P.48
10.幸福になるために、よい人生の終点まで到達する必要はない。まず一歩を踏み出し、勇気と善意という資本をほんの少し初期に投資すればよい。いったん投資したら、幸福は複利で増えていくのである。
下P.49
11.最も幸福な人間とは、職業と趣味とが一緒になったライフワークを持っている人である。そのような仕事をしていれば、自分の劣等感はすっかり補償されたと感じることができるだけでなく、仲間たちからも認めてもらえるだろう。
下P.102
この記述を読んでみると、終始一貫して幸福が「貢献」と切り離せず、目標ではなくプロセスであることが理解できます。
<お目休めコーナー> 9月の花(9)

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