おはようございます。アドラー心理学に基づく勇気づけの研修(外部研修も)とカウンセリングを行う ヒューマン・ギルド の岩井俊憲です。
昨日(6月1日)は、新しいつき合いの三笠書房にチェック済みの原稿を送りました。
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『「アドラー流」だから、やさしくなれる 人をHappyにする話し方』(仮題)として7月末に出る予定です。
さて、出光興産の創業者、出光佐三氏をモデルにした感動小説の紹介です。
読み終えたばかりですが、深い感動と共に心の中にもうワクワクが得られないのか、という欠落感が生じています。
この小説の中では出光興産が国岡商店、出光佐三氏が国岡鉄三として描かれ、敗戦にもめげず従業員を一人も解雇せずに会社を再起させるところから始まり(朱夏)、青春・創業の時期に遡り(青春)、戦後期の、「セブン・シスターズ」と呼ばれたメジャーや、それらに支配される国内石油会社との争い(白秋)、包囲網との勝負(玄冬)が、「これでもか、これでもか」というくらいの試練を乗り越える物語です。
それにしても出光佐三氏がこれまでほどの反骨精神の持ち主で、戦後を代表する傑物だとは知りませんでした。
昭和49年(1974年)5月17日のアンドレ・マルロー(世界的なフランスの文学者)との異色対談で、出勤簿もなければ組合もない国岡商店(出光興産)のルールがなぜ他の会社でできないか、というマルローの問いに対して国岡(出光)は、「社員に対する信頼がないからです」と答え、その後、「私は、人間を信頼するという考え方を広めていくことこそ、日本の社会的使命と言っています」と付け加えた部分は、深い感動を与えてくれました。
「『人間尊重』の精神は、日本人がいるかぎり、世代から世代へと受け継がれていくだろう。そして、自分が生きた証はそこにあるー」というメッセージは、日本人としての誇りを高めてくれます。
強くお勧めの本です。
<お目休めコーナー> 6月の花(2)
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