アドラー心理学に基づく勇気づけの研修(外部研修も)とカウンセリング、コンサルティングを行っています。
アドラー心理学による勇気づけ一筋40年 「勇気の伝道師」   ヒューマン・ギルド岩井俊憲の公式ブログ



おはようございます。アドラー心理に基づく勇気づけの研修(外研修も)とカウンセリングを行う ヒューマン・ギルド の岩井俊憲です。

昨日(9月3日)、大学時代からの友人でヒューマン・ギルドの経理面でお世話になっている依田宣夫君(公認会計士・税理士)から松樹素道先生(鶴見大学名誉教授、元麻布あけぼの幼稚園副園長、曹洞宗僧侶)が一昨日亡くなられたとのご連絡が入りました(享年90歳)。

松樹先生は、ヒューマン・ギルドの31年の歴史の中の20年ほどを支えてくれた恩人です。

鶴見大学の仏教保育の講座では、ずっと子どもの社会性訓練プログラム(APPLE)をご採用いただいていました。

長い間株主として応援してくださっていましたが、10年ほど前に「もうそろそろいいだろう」ということで株主の座を退かれました。

松樹先生は、ヒューマン・ギルドのイベントにずっと参加してくださっていました。

ある時は、ヒューマン・ギルドが「秩父観音霊場巡り」を企画したとき、先達としてご案内、ご縁のあるお寺を借りて座禅のご指導をいただいたこともあります。

私は、旅先で松樹先生、Kさんと一緒に3人で和室に泊まったのですが、Kさんのいびきがうるさくて眠れないと思っていたら、Kさんも途中で目を覚ましてしまって、Kさんを圧倒的に上回る松樹先生のいびきの豪快さに2人で驚いたことがあります。

座禅で鍛えられた松樹先生のいびきは、腹式呼吸の往復のいびきだったのです。

また、松樹先生をヒューマン・ギルドにお招きし、座禅をご指導いただいたこともあります。

その時期は、研修室が絨毯でもあったのと、気功教室でも使うため座布を20セットほど持っていたこともあります。

松樹先生の最大の思い出は、2000年代のある時期、ヒューマン・ギルドが苦境にある時、私にこう言ってくださったことです。

「岩井さん、菩薩道として『上求菩提、下化衆生(じょうぐぼだい、げけしゅじょう、注:悟りを求めて修行しつつ、人々を救う努力をすること)』と言うけどね、もう1つあるんだよ。それは『代受苦(だいじゅく)』。菩薩は、衆生の苦しみを代わりに受けるのだよ。だから、岩井さんが今苦しんでいることは、あなただけが苦しんでいると思っちゃいけない。あなたが関わっている人たちの苦しみを代わりに受けているのだと思いなさい。あなたが苦しみを乗り越えることによって助けられる人たちがたくさんいるんだよ」

この「代受苦」の教えは、とても大きな勇気づけとして、今でも心の中に刻み込まれ、私の指針となっています。

松樹先生は、アドラー心理学を共に学ぶ仲間でしたが、アドラー心理学と仏教の共通点を私に教え続けてくれた大恩人でした。

「上求菩提、下化衆生、代受苦」は、アドラー心理学の共同体感覚を実践する態度そのものではありませんか。

ご冥福をお祈りいたします。     合掌

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