おはようございます。アドラー心理学に基づく勇気づけの研修(外部研修も)とカウンセリングを行う ヒューマン・ギルド の岩井俊憲です。
昨日(9月26日)は、オフィスでカウンセリングをしたり、日曜日から次々と続く研修の準備をしたりしていました。
15:00には、 (株)三笠書房 の取締役編集部長の長澤義文さんと編集本部の番園雅子さんがオフィスにいらっしゃいました。
11月末発刊予定の王様文庫のゲラの半分と日程表をお渡しいただきました。
残りの部分は、後日送られてきますが、こうして次々と出版の機会をいただくのはありがたいことです。
私は、単著で30数冊の本を出していることになりますが、その20冊以上は65歳を過ぎてからのものです。
さて、『「老いる」とはどういうことか』(河合隼雄、講談社+α文庫、640円+税)を最近読みました。
読売新聞に「老い」をテーマにして連載されていた110の話題のエッセイをもとにしているので、見開き2ページであるため読みやすいです。
20年前に出た本ですが、今の時代にこそそのメッセージが強く伝わってきます。
河合氏によれば、連載中に読者の反響が大きかったのは、
・久しぶりに訪ねてきた娘が、何かと世話をしていたときに、「おじいちゃん、おむつをかえてあげましょうか」と言ったとたんに、老人のかんしゃくが爆発した話
・老人に話しかけるときに、「おじいちゃん、お元気でちゅか、おむつをかえてあげまちょか」などと幼児語を使う人がいる話
だったそうです。
自分が中心になって、「私が老人を大切にしてやる」と思うことは根本的な間違いで、「誰かを大切にする、ということは、その人の自主性を中心に据えることである」と河合氏は説きます。
そのことと関連して、老人への共感力に欠ける対応は、「老後を楽しく生きるためには、何か趣味を持つべきである」という信念をもとに、息子から「お父さん、何か生きがいのあることをひとつ見つけたら。ブラブラばかりしていないで」と説教されたら、老人は悲しくなることにも触れています。
老人の立場からすると、若い時にひたすら働き続けながら、いつかはしてみたいと思っていたことを今楽しんでいるのに、一番楽しい「ブラブラする」ことを奪われることになるからです。
今回だけでは紹介しつくせませんが、生涯現役を志向する私のような人がいる一方で、ブラブラする人に寛容に対処するのも人生100年時代に備える知恵かもしれませんね。
(クリックして勇気づけを)
<お目休めコーナー>9月の花(26)
