おはようございます。アドラー心理に基づく勇気づけの研修(外研修も)とカウンセリングを行う ヒューマン・ギルド の岩井俊憲です。
昨日(9月12日)は、一昨日に続いて東大駒場前に。
(駒場野公園)
ヒューマン・ギルドの会員で、臨床心理士の 中村美樹さんとご一緒に 筑波大学附属駒場中・高等学校 の澤田英輔先生の高校2年生40人のライティング・ワークショップ(国語)の授業を見学させていただきました。
授業の進め方は、50分間を講義で進めるものではありませんでした。
会場は、教室でなく図書館。
いわゆる「アクティブラーニング」型の授業で、澤田先生が本日の授業の目的―「『評論』と『エッセイ』の違い」ー や諸連絡をお伝え後、一人の生徒が2冊の本の読後感を語りました。
『屋上のテロリスト』という小説はまだしも、『線形代数入門』という大学レベルの数学の本について語ったのにはびっくりしました。
それもそのはず、筑波大学附属駒場高等学校からは7割以上の学生が東京大学に進むのです。
「『評論』と『エッセイ』の違い」について簡単な説明を施し、6人一組で討議後、生徒数人から発言を求めました。
その間、10分にも満たない感じでした。
50分の授業の大半は、生徒一人ひとりに委ねられます。
パソコンやスマホに今日の予定を入力してからは、27分間の活動時間中、仲間と話している生徒もいれば、ヘッドホンで音楽を聴いている子、畳の部屋で談笑している生徒、参考図書を手元に本を読んでいる子もいれば、ひたすらパソコンに自分なりの文章を打ち込んでいる生徒もいます。
その間、澤田先生は、タブレットを手に、一部の生徒とやり取りをしています。
管理型の教師から見れば、「レッセフェール(自由放任)」型の授業です。
生徒に私たちをご紹介くださった澤田先生は「生徒に話しかけてもいいですよ」と言ってくれました。
「ふつうとは何か?」をテーマにして書いていた生徒に話しかけたら、「インクルーシーブ」「障害」などをキーワードに「生涯のテーマにしたい」と熱く語ってくれました。
活動時間が終わってからは、澤田先生のコメント。
最後は、「大福帳」に今日の進捗状況を記入して提出。
澤田先生は、後片付けをした後、同じく見学者の東洋大学文学部講師の勝田 光先生を含めた4人で感想等を語り合う場を設けてくださいました。
私は、率直にいろいろなことをぶつけましたが、澤田先生の回答は、とても明快でした。
以下に書いておきますね。
・自分は、受験を目的に授業をしていない。
・ライティング・ワークショップの形式は、生徒の偏差値は関係ない。人数が問題である。
・書く内容がない子はいない。書くことの自信を与え、ハードルを超えるお手伝いをしている。
本当は、もっともっと書きたいのですが、ルポのようになってしまうので、当日は、アドラー心理学の立場でも澤田先生にコメントをさせていただいたことをお伝えして、このブログを終えることにします。
これからもっともっと授業見学の成果を噛み砕いていくつもりです。
最後にこんな機会を開放してくださった澤田先生、ご縁をつないでくださった中村さんに感謝申し上げます。
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