2008年9月15日(月)
2ヶ月間、中国紀行を懐かしみ、古い紀行文を焼きなおして綴って来た。
今、何となく旅の疲れのようなものを感じている。
全く別なことを考える余裕がなくて、法隆寺もシルクロードがらみだろうと、「新・法隆寺物語 太田信隆著」をパラパラとめくっていたら、「へぇー」と思うことが書かれている。
明治8年に「奈良博覧会」が開催され(湯島聖堂で?)、法隆寺から金銅48体仏、伎楽面、染織など140点が出品された。
当時、法隆寺はそうとうに荒廃しており、保存上の問題やら、財政上の問題やらあったらしい。
そんな事情もからみ、その後、この出展物を皇室に献上した。
明治15年に上野に博物館新館が完成した折に、これを収蔵したという。
現在の東京博物館法隆寺宝物館だそうだ。
私は東京で仕事をしていた時、この法隆寺宝物館に何気なく入ったことがある。
もしかすると、そういう「いわれ」もどこかに記してあったかもしれないが、まるで無頓着であった。
飛鳥時代の小さな仏像が展示されており、それらの仏達は穏やかなお顔を見せてくれ、私の心が静まるのだった。
それから、何か精神的に壁にぶち当たった時には、ふらりと行ってお顔を拝見し、自分の心を癒していた。
私は、現在でも、特に仏教に(宗教に・・・という方が良いかもしれない)熱心ではない。
しかし、これはに私とっての仏縁とでもいうのだろうか・・・宝物を献上した事、法隆寺宝物館がたまたま住んでいた場所に近かった事、全く意識することなくこの宝物館に惹かれた事、そして小仏像に癒された事。
有形、無形に拘わらず、この出会いは大切にしたいと思っている。
我が家の庭で、この夏に咲き、私の心を豊かにしてくれた花
[朝顔三景]