見もの・読みもの日記

興味をひかれた図書、Webサイト、展覧会などを紹介。

鷹狩、犬追物(いぬおうもの)/東京国立博物館

2005-12-09 21:24:35 | 行ったもの(美術館・見仏)
○東京国立博物館 特集陳列『武芸-鷹狩、犬追物-』

http://www.tnm.jp/

 先週末、国立博物館に行った。時間があったら「北斎展」にも寄ってみようかな、と思っていたが、とんでもない話だった。午後4時の時点で「70分待ち」って、どうするのかと思っていたら、閉館を6時まで延長したらしい。

 まあ、いいや~。今日の私のお目当ては、特集陳列の「鷹狩、犬追物」である。先日、通りすがりに、ちらっと見て、もう一度、ゆっくり見に来ようと思っていたものだ。写真は「武田流犬追物雛形」である。机上訓練をするための紙人形だ。役目の異なる何十人もの登場人物が、装束や持ち物も、丹念に描き込まれている(もちろん裏側も)。



 この「日本の博物学シリーズ」は、本館1階のウラ通りの展示室で行われているもので、文書(もんじょ)や書籍が中心、たまに絵図が混じるくらいの地味な展示だが、私はいつも興味深く見ている。

 今回も、たとえば鷹匠が鷹を湯浴み(水浴びか?)させたあと、大事に白布にくるんで水気を拭いてやっている図とか、鷹に与えるためのウサギの縛り方とか、「将軍家駒場鷹狩図」では、勇壮な鷹狩に挑む武士たちの輪の中に、大鍋で食事の用意をする炊事係なども描かれていて、実におもしろかった。あと、洋犬が入り込む前の標準的な日本犬の姿。尻尾はきりりと巻いているけど、耳は垂れているのね。

 また、言葉だけでは伝えにくい有職故実を伝えるための、苦心の数々も面白い。今なら、さまざまな材料を用いることが可能だが、当時は、二次元にしても三次元にしても、素材は紙しかなかったわけだ。下図は、犬追物に使う、馬上沓(くつ)の紙模型。



 展示は今週末(11日)まで。担当研究員に声援を送る意味で、宣伝しておく。
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