○「やっぱり雑誌がおもしろい!!」(Yahoo! JAPAN)
http://magazine.yahoo.co.jp/index.html
私が日常的に利用しているメディアはテレビとネットである。新聞は、平成の初め頃から読まなくなった。いい大人が新聞を読まないというのは、ちょっと公言するのに恥ずかしかったが、いつの間にか、普通のことになってしまった。雑誌も、特集記事が売りの「東京人」や「散歩の達人」「芸術新潮」「ユリイカ」などはともかく、週刊誌や総合雑誌は読まなくなって久しい。
さて「Yahoo! JAPAN」が「zassi.net記事大賞」というのをやっている。2005年に発行された雑誌のなかから、えりすぐりの記事を集め、投票で大賞を決めようというものだ。「あなたの知らない記事や、読み逃した珠玉の記事がインターネット上に並び、すべて読むことができます」(PDFファイル)という。
いくつか拾い読みをしてみたが、久々に味わう雑誌ジャーナリズムって、エグいなあ~、と思ってしまった。「ニュース報道部門」の多くの記事なんて、ノミネートされているくらいだから嘘ではないんだろうけど、こんな俗情におもねる誌面づくりでいいんだろか。通説に反して、実はネット・ジャーナリズムのほうが、よほど健全なのではないか。つまり、ネット・ユーザーのほうが雑誌読者より保守的で、異端の言論に不寛容だとも言える。
エグいけれども惹かれてしまったのは、「新潮45」の記事「衝撃告白『人妻デリヘル嬢』をやってみました! 中村うさぎ」である。47歳の人気女性作家がデリヘル嬢(→分からなければ本文記事を見よ)になってみるというもので、ネット上でもずいぶん話題を呼んだ。記事は最初の2回が、採用面接から退職まで、3日間で11人の客をとった体験を伝える。その後に「余は如何にして『人妻デリヘル嬢』となりし乎」という付録手記がついている。
これが凄い。デリヘル嬢体験ルポの噂だけ聞いて、こっちを読んでいない人には、一読をすすめる。女四十を過ぎて、若いホストの口説き文句にはまり、手ひどい屈辱を受けた体験を語ったものだ。愚かな自分を見据える目の冷たさと確かさに、たぶん同じ世代の女性だったら(特に独身だったら)、言葉が出ないに違いない。胸の底に鉛の塊を投げ込まれたように感じるだろう。手記の続きは「来春発売の書き下ろし単行本に収録」だそうだ。商売うまいな、新潮社。
http://magazine.yahoo.co.jp/index.html
私が日常的に利用しているメディアはテレビとネットである。新聞は、平成の初め頃から読まなくなった。いい大人が新聞を読まないというのは、ちょっと公言するのに恥ずかしかったが、いつの間にか、普通のことになってしまった。雑誌も、特集記事が売りの「東京人」や「散歩の達人」「芸術新潮」「ユリイカ」などはともかく、週刊誌や総合雑誌は読まなくなって久しい。
さて「Yahoo! JAPAN」が「zassi.net記事大賞」というのをやっている。2005年に発行された雑誌のなかから、えりすぐりの記事を集め、投票で大賞を決めようというものだ。「あなたの知らない記事や、読み逃した珠玉の記事がインターネット上に並び、すべて読むことができます」(PDFファイル)という。
いくつか拾い読みをしてみたが、久々に味わう雑誌ジャーナリズムって、エグいなあ~、と思ってしまった。「ニュース報道部門」の多くの記事なんて、ノミネートされているくらいだから嘘ではないんだろうけど、こんな俗情におもねる誌面づくりでいいんだろか。通説に反して、実はネット・ジャーナリズムのほうが、よほど健全なのではないか。つまり、ネット・ユーザーのほうが雑誌読者より保守的で、異端の言論に不寛容だとも言える。
エグいけれども惹かれてしまったのは、「新潮45」の記事「衝撃告白『人妻デリヘル嬢』をやってみました! 中村うさぎ」である。47歳の人気女性作家がデリヘル嬢(→分からなければ本文記事を見よ)になってみるというもので、ネット上でもずいぶん話題を呼んだ。記事は最初の2回が、採用面接から退職まで、3日間で11人の客をとった体験を伝える。その後に「余は如何にして『人妻デリヘル嬢』となりし乎」という付録手記がついている。
これが凄い。デリヘル嬢体験ルポの噂だけ聞いて、こっちを読んでいない人には、一読をすすめる。女四十を過ぎて、若いホストの口説き文句にはまり、手ひどい屈辱を受けた体験を語ったものだ。愚かな自分を見据える目の冷たさと確かさに、たぶん同じ世代の女性だったら(特に独身だったら)、言葉が出ないに違いない。胸の底に鉛の塊を投げ込まれたように感じるだろう。手記の続きは「来春発売の書き下ろし単行本に収録」だそうだ。商売うまいな、新潮社。