見もの・読みもの日記

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殺陣の快楽/柳生十兵衛七番勝負

2006-04-02 01:09:01 | 見たもの(Webサイト・TV)
○NHK金曜時代劇『柳生十兵衛七番勝負』(再放送)

 再放送を発見してから1ヶ月。ビデオ録画のおかげで、なんとか全放送分を見ることができた。どの回も面白かった。ふだんTVドラマを見ないもので、日本の俳優さんって、こんなに味があって面白かったのか!とかなり見直した。いや、やっぱり脚本と演出の手腕なのかもしれない。

 放送を見たあとで、2ちゃんねるの実況スレを覗く愉しみも覚えてしまった。最終回の殺陣はスゴイらしいという情報を得ていたのだが、なるほど圧巻だった。杉林の中に小さなお堂があって、十兵衛と戸田勘解由の対戦は、お堂の前の空き地で始まり、杉林の中に飛び込み、再び空き地に戻る。ものすごい長尺。動きも表情もリアルで、しかもカメラワークは様式美を保っている。

 こわもての敵役・戸田勘解由が、最終回でちらりと見せる人間的な表情は心に残る(2ちゃんでは「かげゆん」が愛称)。対照的にダメな敵役の典型みたいな鳥居左京亮、ほんとはいちばん悪辣なんじゃないかと思わせる柳生但馬守宗矩など、おじさん俳優が多彩で魅力的だった。これって、中国の古装劇(時代劇)で言うところの「男人劇」だなあ。

 来週、否、今週からは「木曜時代劇」に放送枠を移して続編が始まるはずだが、NHKはまだ番組サイトを更新していない。仕事が遅いぞ!!

 このドラマにハマった影響はいくつかある。ひとつはステラMOOK『NHK時代劇の世界』(NHKサービスセンター 2006.3)を買ってしまった。これと一緒に『江戸の暮らしがよく分かる/江戸時代小説はやわかり』(人文社 2006.1)というムックも買ってみた。江戸のことはよく知らないという自覚があるもので。時々、ぱらぱらめくって楽しんでいる。柳生一族といえば、私は『春の坂道』という大河ドラマを思い出す世代なので(古いな)、この原作も読んでみようかと思っている(実際は放送を前提に、山岡荘八が書き下ろした作品らしい)。

 それから、柳生の里に行ってみたくて仕方ない。これまでも、柳生街道の南半分(奈良公園から円成寺までの滝坂の道コース)は歩いたことがあるのだが、柳生の里は未踏地である。次回、奈良に行ったらぜひ。
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