○ニコニコ動画:初音ミク+鏡音リンの『曽根崎心中』
http://www.nicovideo.jp/watch/sm3081358
このブログを始めた頃は、読書よりも、ネット上の面白いものを探してまわるのが、最たる暇つぶしだった。最近はまた、本を読むほうが楽しくなっているが、久しぶりに見つけた、ネットの上の面白いもの。
いちおう説明しておくと、「初音ミク」というのはVOCALOID(ボーカロイド=リアルな人の歌声を合成できるソフト、音声合成エンジン)の一種である。メロディと歌詞を入力することで人の声を元にした歌声を合成することができる。クリプトン・フューチャー・メディア社は、音声ライブラリ・データに声優を起用し、アニメ風のイメージキャラクターを用意することで、絶大な人気を博した。これが「初音ミク」であり、「鏡音リン・レン」(男女の双子?)である。
上記の動画は、2人の女性ボーカロイドに『曽根崎心中』のクライマックスを歌わせたもの。「ボカロに歌わせて面白いテーマを探していたら、人形浄瑠璃に出会いました。中でも近松門左衛門の曾根崎心中が面白かったので、曲をつけてみました」という作者のコメントがついている。4/23に投稿されて、5/21現在、再生回数は67,000を超え(まだ行きそう)、マイリスト入りも4,100を超えた。文楽ファンとして、また、古典の力を信じる者として、ちょっと誇らしくて嬉しい。
300年を経て、こんなトリビュートを受けるとは、近松門左衛門もびっくりであろう。何しろ、措辞(ことばのつかいかた)がカッコいい。「この世のなごり 夜もなごり 死にに行く身をたとふれば あだしが原の道の霜」は、荻生徂徠先生も絶賛したと伝える名文である。ただ、あれっ?と思うのは、原文から、けっこう大胆な「つまみ食い」をしていること。これじゃ意味通じないよ~と思う箇所がいくつか、ある。
ちなみに動画の作者が参照しているのは、近松の原文らしい。現行の文楽公演で用いられている床本とは、微妙に詞章が異なる。以前、公演プログラムのおまけの床本と、古典文学大系か何かを見比べて、違いに気づいたことがある。それにしても、曲に雰囲気がよく出ているので、文楽の舞台が目に浮かぶようで、なつかしかった。故・吉田玉男さんに聞かせたかったなあ。
さて、今日からブログ生活は5年目に突入した。「読んだもの」は1年に100冊ペースをキープしている。この調子なら、1年後には500冊に達しているはず。まだまだ「千夜千冊」には及びもないが。
http://www.nicovideo.jp/watch/sm3081358
このブログを始めた頃は、読書よりも、ネット上の面白いものを探してまわるのが、最たる暇つぶしだった。最近はまた、本を読むほうが楽しくなっているが、久しぶりに見つけた、ネットの上の面白いもの。
いちおう説明しておくと、「初音ミク」というのはVOCALOID(ボーカロイド=リアルな人の歌声を合成できるソフト、音声合成エンジン)の一種である。メロディと歌詞を入力することで人の声を元にした歌声を合成することができる。クリプトン・フューチャー・メディア社は、音声ライブラリ・データに声優を起用し、アニメ風のイメージキャラクターを用意することで、絶大な人気を博した。これが「初音ミク」であり、「鏡音リン・レン」(男女の双子?)である。
上記の動画は、2人の女性ボーカロイドに『曽根崎心中』のクライマックスを歌わせたもの。「ボカロに歌わせて面白いテーマを探していたら、人形浄瑠璃に出会いました。中でも近松門左衛門の曾根崎心中が面白かったので、曲をつけてみました」という作者のコメントがついている。4/23に投稿されて、5/21現在、再生回数は67,000を超え(まだ行きそう)、マイリスト入りも4,100を超えた。文楽ファンとして、また、古典の力を信じる者として、ちょっと誇らしくて嬉しい。
300年を経て、こんなトリビュートを受けるとは、近松門左衛門もびっくりであろう。何しろ、措辞(ことばのつかいかた)がカッコいい。「この世のなごり 夜もなごり 死にに行く身をたとふれば あだしが原の道の霜」は、荻生徂徠先生も絶賛したと伝える名文である。ただ、あれっ?と思うのは、原文から、けっこう大胆な「つまみ食い」をしていること。これじゃ意味通じないよ~と思う箇所がいくつか、ある。
ちなみに動画の作者が参照しているのは、近松の原文らしい。現行の文楽公演で用いられている床本とは、微妙に詞章が異なる。以前、公演プログラムのおまけの床本と、古典文学大系か何かを見比べて、違いに気づいたことがある。それにしても、曲に雰囲気がよく出ているので、文楽の舞台が目に浮かぶようで、なつかしかった。故・吉田玉男さんに聞かせたかったなあ。
さて、今日からブログ生活は5年目に突入した。「読んだもの」は1年に100冊ペースをキープしている。この調子なら、1年後には500冊に達しているはず。まだまだ「千夜千冊」には及びもないが。