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付け焼き刃の覚え書き

 開設してからちょうど20年。データも多いのでお引っ越し作業はタイヘン。どこへ引っ越そうか?

「共和国の戦士」 スティーヴン・L・ケント

2010-06-01 | ミリタリーSF・未来戦記
 ミリタリーSFというやつを大雑把に2つに分けると、ハインラインの『宇宙の戦士』タイプとホールドマンの『終わりなき戦い』タイプになるんじゃないかなと思う。前者はいわゆる「必要な戦争はあり、それに命を懸ける価値はあるし、仲間や軍は信頼に応えてくれる」というもので、後者は「戦争なんて無駄なもので、兵隊なんて使い捨てにされる道具に過ぎない」という視点。第二次大戦的な価値観とベトナム戦争以降の価値観と言い換えることもできるのだろう。
 こちらは明らかに後者。アメリカ合衆国がそのまま肥大化したような星間国家において戦争に送り込まれる兵士の大半はクローン人間。それぞれ個性はあるけれど、周りはともかく自分だけはクローンじゃないと刷り込まれている兵士たち。
 主人公も、自分以外の兵士はほとんどクローンであるけれど自分はクローンではないと信じているけれど、読者としてはそれがどうだかわからない。そして戦いはあくまで人類同士の戦いで、主人公の所属する海兵隊が投げ込まれる戦いはどこまでも無意味で、大義は色褪せている。ただ権力者たちの道具として激しい戦いに投入されていく姿は、ひとことでいうとフィアナの出ないボトムズ。ロボットも出ない話だけれど、雰囲気はそんな感じ。

【共和国の戦士】【スティーヴン・L・ケント】【岩良ノマ】【日系移民】【ホノルル】【海兵隊】【新興宗教団体】【秘密結社】
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