付け焼き刃の覚え書き

 本や映画についての感想とかゲームの覚え書きとかあれこれ。(無記名コメントはご遠慮ください)

「R.O.D オフィシャル・アーカイブ」 ポストメディア編集部

2010-06-27 | 本屋・図書館・愛書家
 紙を使って戦う女たちのアクション・ムービーの資料集。
 つい先日、OVA版とTV版のDVDをそれぞれ第1話だけ観たところでした(青く非ず)。やっぱり1話がいちばん面白い。
 他の話も面白いけれど、個々の話としてみても、シリーズ全体としてみても、第1話単体の面白さには勝てない気がします。

 内容はDVDのパッケージなどに使われたイラストの収録やスタッフ座談会、ストーリーダイジェストに設定資料集ということで、最初は買わないつもりだったのだけれど、表紙が気に入ってしまって衝動買い。
 うん、この表紙は良い。
 中身が予想以上でも以下でもなかったのは想定内。小説版の続きは「(目をそらしつつ)出しますよ」と言うのはどういうことか。売れなかったから今さら出してもらえないというのも、作者の気力や時間が無くなってしまって書けないというのも、読者としては悲しい限りなので、私が死なないうちに完結させてください。

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「ななめカンナヅマ」 木村航

2010-06-27 | ヒロイックファンタジー・ハイファンタジー
「何かの支度を調えるには賢さが必要だ。しかし始めるのは、いつも愚かさだ」
 玉座の主の言葉。

 時の小舟で世界から世界を流れゆく人と神。
 忘れられ消えていく神を故郷へ送り届ける巫女の神無妻七芽と、名簿の神クレクレの小舟が辿り着いたのは、十和依主水の創造した桃源郷、百地島だった……。

 『ジャンクル!』以来、久々ファミ通文庫の木村航作品です。
 最初にいきなり「過去の話」として言及された他の世界が面白そうで、この世界も面白そうだと期待しつつ読み始めます。
 最初、『神のまにまに!』と似ているなと思いました。どちらも八百万の神々が消えていく話。でも、出発点からの進行方向が逆でした。こちらは神々が生まれた世界をもう一度訊ねて周り、本当に必要とされているのかいないのか確かめて回る旅で、雰囲気はぜんぜん違います。

 ハイパー巫女の痛快アクションで、異世界を探訪する旅の物語で、神々と人との関係を見つめ直す物語で、永遠と滅びと再生の話なのだけれど、本質的には反逆児タウロと雪のポーシャのボーイ・ミーツ・ガールの物語なんだと思います(もう1組もそうかな)。順番はかなり変則的だけれど。
 そう思えるのは終盤で動いているのが、タウロであり、七芽の連れてきた神(か鬼か)空気のジャックだから。理由あって七芽自身は傍観者の立場に立ってしまうからで、いちばん話的に美味しいのはジャックです。
 やはり、最後はハイパー巫女さんでスカーっと締めてもらいたかったのだけれど、あくまで八百万の神々を宿す娘は運び屋で、主役は“神”という構成だったのですねえ。ジャックはなんというか、『ストリート・オブ・ファイヤー』のマッコイといった感じですかねえ……。
 ぜひとも続編希望。あの摩訶不思議な世界の旅の続きを読みたいです。

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