「追われる者にとっては、すべてを黒と考えることも大事でな」
チェシャの笑みを浮かべるバロール。
一人暮らしの高校生の家に南極から宅配便で届けられたのは、緑の髪のメイドさん。永久凍土の下で1億5000万年ほど眠っていた、不死の不定形生物だった……。
地球創世来のコズミック・ホラーを萌え小説にしちゃうなんて、日本人って怖いなー。
まず真っ先に思い浮かんだのは、超少女明日香だったのですよ。分裂する万能のお手伝いさんときたら、それしかありませんから。やっぱり次はニンジャと戦って欲しいよね。でも、あれよりもっと、ほのぼのしてたなー。
単なる萌え話でもなく、クトゥルフ神話のパロディでもないところが怖いな。ちゃんとクトゥルフ神話の大系に組み込めてしまうのに、押しかけ居候の萌え小説で、学園バトルで、それでいて普通に読んで面白いんだから、こいつぁなかなかの強敵だ。ああ、『這いよれ! ニャル子さん』も読まなくちゃ。
ただ、普通に言うシェアード・ワールドとは違うんですよね。それぞれの作品が他の作品の存在を否定しちゃっているので、1つの世界を共有しているのではなく、1つの元ネタを使い回ししていることになります。
【うちのメイドは不定形】【静川龍宗】【森瀬繚】【文倉十】【ビートルズがやって来る ヤア ヤア ヤア】【ポニーテールはふり向かない】【クトゥルフ神話】【奉仕種族】【ケルト神話】【がま口財布】【物体X】