付け焼き刃の覚え書き

 本や映画についての感想とかゲームの覚え書きとかあれこれ。(無記名コメントはご遠慮ください)

「竜王女は天に舞う」 北元あきの

2010-11-05 | ヒロイックファンタジー・ハイファンタジー
 表紙に吊られて試し買いしたら、久々にライトノベル的なファンタジーでした。

 魔術士養成学校<竜の箱庭>高等部の2年生、シグとシャルロッテは、巨大な飛行客船<竜王女>号へと送り込まれる。学校より盗み出された「あるもの」を奪回するためだったが、そこでまさか伝説の<血塗れの竜王女>と遭遇しようとは思ってもいなかった……。

 指導教官が付いているとはいえ、事件発生時に何人もの死傷者を出しているケースにまだ学生の少年少女を送り込むなんて、この魔法学校はどれだけ人材不足なのか、それともたいした任務と思われていないのか、はたまた学生レベルでも忍びの里の中忍クラスの能力は期待されているのか? そのあたりで既に引っかかってしまい、なにかと説明的な文章になかなか先に読み進めず1カ月放置。
 
 太古に人間の魔術によって7つの存在に分割されてしまった魔法種族リンドブルムの<血塗れの竜王女>。その王女が目覚めれば、人間をパートナーとして同一存在である他の6人と殺し合うという条件付けをされていて……という話でした。途中で2人目がはっきりした段階で予想した通りの結末に決着。わかりやすい。
 見所は、強大な力を持つ<血塗れの竜王女>も、条件付けされているためパートナーの唱えるたった1つの言葉に服従しまうところ。「西遊記」の孫悟空と三蔵法師の関係というよりも、SMの主従関係に近いよね。1ワードで主従関係が入れ替わる面白さ……。
 あと、シャルロッテが使う魔術が<魔女への鉄槌>というのだけれど、これはそもそも「魔女の鉄槌」と呼ばれていた本が実は「魔女への鉄槌」の意味だったというあたりが元ネタの鍵なので、魔女が振りまわす武器が「魔女への鉄槌」というのはどうかなあと思いました。これこそ「魔女の鉄槌」でいいのに。

【竜王女は天に舞う】【北元あきの】【近衛乙嗣】【棺】【ヴァルハラ】【虎鉄】【魔女への鉄槌】【歌姫】
コメント
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