付け焼き刃の覚え書き

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「独立愚連隊西へ」 監督:岡本喜八

2010-11-30 | 戦記・戦史・軍事
 イーリャンサンスー、イーリャンサンスー、イーリャンイーリャン、やいやいやい♪というテーマ曲「独立愚連隊マーチ」聞きたさだけでDVD購入。
 加山雄三の初主演作というふれこみだけれど、ポスターでもクレジットでも戸川軍曹役の佐藤允(『もののけ姫』でタタリ神の声を務めてた人)の方が上というあたりがポイントです。

「勲章なんて欲しがるのは、職業軍人か子供だけだよ」

 第二次世界大戦期の中国戦線。中国軍の攻撃によって1つの部隊が壊滅したが、その部隊の軍旗だけは敵に渡してはならん、いかなる犠牲を払っても奪回せよと送り込まれたのは、隊員のいずれもが誤報で戦死扱いになっている、員数外の左文字小隊だった……。

 「××隊西へ」というタイトルの元祖にして、ボロボロでも錦の御旗は兵の生命より大事と、死地に送り込まれる兵士たちの物語。平田昭彦、久保明、天本英世、水野久美など東宝特撮映画でお馴染みの役者が登場する反戦ブラックコメディです。八路軍の人海戦術に立ち向かう左文字小隊ですが、損害は友軍によるものばかり。むしろ敵であるはずのフランキー堺演じる梁隊長の方が小粋でモノの分かった人物として描かれています。岡本喜八監督の代表作の1つ。
 階級よりも各自の能力が優先されるという独立愚連隊こと左文字小隊は、本来死ぬはずのところを生き残ってきた猛者ばかり。自分の命が何より大事で、軍旗探しなど馬鹿馬鹿しいと思いつつ、命令は命令ときちんと全うする姿勢はプロフェッショナル。けれども、彼ら隊員の技量が発揮される機会が少なかったのは残念。見せ場は神出鬼没のピー屋の親父を演じる中谷一郎に持って行かれてますし、生き残れたのは体力と手榴弾の数のおかげだったような気がします。やはり戦いは数だよ……。

【独立愚連隊西へ】【岡本喜八】【モノクロ】【地雷原突破】【人海戦術】
コメント
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