アンソロジー集なのに東浩紀は読み切り連載を始めちゃいましたよ? 「クリュセの魚」の続きです。
続編の導入部というかなんというか、駆け足で「クリュセの魚」の後の15年間の人生と火星の政治を語ってしまいました。独立して読める作品だけれど、そう思うと話としてはちょっと物足りないかな。
前回は純文学的だったり幻想小説っぽかったりするのが多かったけれど、今回は「いかにもSF」という作品で占められています。1本だけ何がSFなのかわからない喫茶店話が混じっていますが、これは仕様なようです。
電脳インフラと人間を扱った話も何作かあって、そのうちの1つは『電脳コイル』は観ていないそうだけれど、いかにもそんな感じの世界観の話でした。それからギリシア文字の成立を神話ポルノにしてしまった浅暮三文は反則だと思います。その他にもSFの定義の話とか、いろいろありましたが、小川一水のバイク話がやはりいちばん印象に残りました。
近未来、バイクにAIが搭載されて、メーカーにデータをフィードバックさせたりマシンの制御を補助したりするようになった時代。1台のバイクに搭載されたAIと本社サーバのAIのやりとりだけで語られる「ろーどそうるず」は名作。AIだから外部の情報は車体の傾斜角とか加速度とか搭載重量の変化みたいな形でしかわからない。そんなデータから導き出される1台のバイクの物語は、『攻殻機動隊』のタチコマとかが好きな人間にはたまらない。バイクのことはわからないという人でも一読の価値はあります。
【NOVA】【書き下ろし日本SFコレクション】【東浩紀】【浅暮三文】【東浩紀】【円城塔】【小川一水】【瀬名秀明】【谷甲州】【とり・みき】【長谷敏司】【森岡浩之】
続編の導入部というかなんというか、駆け足で「クリュセの魚」の後の15年間の人生と火星の政治を語ってしまいました。独立して読める作品だけれど、そう思うと話としてはちょっと物足りないかな。
前回は純文学的だったり幻想小説っぽかったりするのが多かったけれど、今回は「いかにもSF」という作品で占められています。1本だけ何がSFなのかわからない喫茶店話が混じっていますが、これは仕様なようです。
電脳インフラと人間を扱った話も何作かあって、そのうちの1つは『電脳コイル』は観ていないそうだけれど、いかにもそんな感じの世界観の話でした。それからギリシア文字の成立を神話ポルノにしてしまった浅暮三文は反則だと思います。その他にもSFの定義の話とか、いろいろありましたが、小川一水のバイク話がやはりいちばん印象に残りました。
近未来、バイクにAIが搭載されて、メーカーにデータをフィードバックさせたりマシンの制御を補助したりするようになった時代。1台のバイクに搭載されたAIと本社サーバのAIのやりとりだけで語られる「ろーどそうるず」は名作。AIだから外部の情報は車体の傾斜角とか加速度とか搭載重量の変化みたいな形でしかわからない。そんなデータから導き出される1台のバイクの物語は、『攻殻機動隊』のタチコマとかが好きな人間にはたまらない。バイクのことはわからないという人でも一読の価値はあります。
【NOVA】【書き下ろし日本SFコレクション】【東浩紀】【浅暮三文】【東浩紀】【円城塔】【小川一水】【瀬名秀明】【谷甲州】【とり・みき】【長谷敏司】【森岡浩之】