子供の頃は『赤毛のアン』という話は、1人の少女が周囲すべての人の心を解きほぐしていく物語と理解していたのだけれど、しっかり読み込んでいくとぜんぜん違っていました。むしろホーガンの『断絶への航海』に近かったりします。
確かにマリラとかバリー夫人とか、あるいはハリソン氏とか、気むずかしいと思われていた人たちにも愉しい心が秘められていて打ち解けていく……とか、誤解したままケンカ別れした男女が長い歳月を経て再会し和解する……というエピソードも多いのですが、どうしてもわかり合えない人もいるという現実はきっちり押さえられています。そういう人たちは疎遠になって退場していくだけです。
そういう意味でちょっと怖い話、イヤなエピソードも交えつつの短編集というか、今まで作者が意図したようには構成されることのなく、未発表も多い作品集です。厳密に言えば、アンがメインキャラになっている話ばかりではないので「アンブックス」には区分されないらしいんですけれど、そこは気にしません。
新任の神父がやってきた。
独身なので下宿することになったのだが、前任者も含めて周囲はあまりいい顔をしない。口ごもるのを問い詰めてみると、その屋敷には幽霊が出るというのだ……。
エピソード的には、炉辺荘あたりの話が多いですが、全般的に詩も多いです。あの「笛吹き」から始まり、一家団欒の場でブライス夫人が昔書いた詩などを朗読し、それを家族が論評するようなシーンが短編の合間合間に挟まっています。
【アンの想い出の日々(上)】【赤毛のアン(11)】【ルーシー・モード・モンゴメリ】【村岡美枝】【新潮文庫】
確かにマリラとかバリー夫人とか、あるいはハリソン氏とか、気むずかしいと思われていた人たちにも愉しい心が秘められていて打ち解けていく……とか、誤解したままケンカ別れした男女が長い歳月を経て再会し和解する……というエピソードも多いのですが、どうしてもわかり合えない人もいるという現実はきっちり押さえられています。そういう人たちは疎遠になって退場していくだけです。
そういう意味でちょっと怖い話、イヤなエピソードも交えつつの短編集というか、今まで作者が意図したようには構成されることのなく、未発表も多い作品集です。厳密に言えば、アンがメインキャラになっている話ばかりではないので「アンブックス」には区分されないらしいんですけれど、そこは気にしません。
新任の神父がやってきた。
独身なので下宿することになったのだが、前任者も含めて周囲はあまりいい顔をしない。口ごもるのを問い詰めてみると、その屋敷には幽霊が出るというのだ……。
エピソード的には、炉辺荘あたりの話が多いですが、全般的に詩も多いです。あの「笛吹き」から始まり、一家団欒の場でブライス夫人が昔書いた詩などを朗読し、それを家族が論評するようなシーンが短編の合間合間に挟まっています。
【アンの想い出の日々(上)】【赤毛のアン(11)】【ルーシー・モード・モンゴメリ】【村岡美枝】【新潮文庫】