付け焼き刃の覚え書き

 本や映画についての感想とかゲームの覚え書きとかあれこれ。(無記名コメントはご遠慮ください)

「絶対城先輩の妖怪学講座(二)」 峰守ひろかず

2013-10-28 | ホラー・伝奇・妖怪小説
「無知は罪ではないが、明示されるべき事実だからな」
 絶対城先輩はいつでも傍若無人で偉そうだ。

 “ユーレイ”こと湯ノ山礼音は絶対城先輩に頭が上がらず、毎日のように研究室に通っては詐欺の片棒を担いだりモルモットみたいに実験体にされたり、振り回される日々。
 そんな礼音が合気道教室で知り合った少年が「船幽霊をみた」と言い出して……。

 絶対城先輩とノッポな女学生のコンビが大学校内から僻地の寒村まで飛び回り、妖怪や幽霊といわれるものの正体を民俗学や博物学的に1つ1つ論理的に見極めていき、最後に残ったものが本物の妖怪……みたいな連作ミステリ集。
 最近はラノベに限らず美青年か美少女1人の肖像イラストを表紙にしたものが増えていて、これも御多分に洩れずそのパターンです。でも、売れる売れないを別にして内容とのマッチングだけを考えれば、星野之宣か諸星大二郎がベストなんだけどなあ。宗像教授の伝奇考とか稗田礼二郎のフィールドノートとかに挿入されても違和感のないエピソードがちらほらと。
 虚実入り交じって通説から異説までもっともらしい語りをしてくれる絶対城先輩にぞっこんです。

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