付け焼き刃の覚え書き

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「夜と血のカンケイ。」 丸山英人

2014-03-16 | ホラー・伝奇・妖怪小説
「男っていうのは、このプリンみたいなものなんだから。そう。口当たりのいい、甘ったるい態度や言葉でできてるように見えても、一番底には苦くて黒い、ドロドロしたものを隠して溜め込んでいるのよ」
 陶原の母の言葉。

 陶原健悟は平凡な高校生だが超健康優良児だ。
 幼い頃から早寝早起き・正しい食生活に適切な運動と健康には常に気を配っていた。健康オタクである。
 だが、彼の真の目的はただ1つ。自らの血を極上の甘露のごとくとし、その血でもって吸血鬼を思うがままに操ることであった……。

 『隙間女(幅広)』が面白かったので、丸山英人作品を追いかけ中。
 これもよくある、異類婚姻譚の亜流的な、異能のヒロインが主人公の家に押しかけるパターンかと思ったのだけれど、ちょっと違う。この「ちょっと」加減が好きだ。
 誇り高い吸血鬼が欲望に負けて堕ち、また復活して、でもやっぱり……という屈辱的展開をほんわり描いている作品です。

【夜と血のカンケイ。】【丸山英人】【osa】【電撃文庫】【ちぐはぐラブコメ】【修行僧】【山科高校一悟りに近い男】【3回回ってワンと言え】
コメント
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