「涙を呼ぶ者よ、覚えておけ。この世には、払えぬ悲しみの雨のないことを」友人たちの旅立ちを見送ったスイメイは予定通り城を出た。
ギルドで実際の能力をゴマして冒険者登録をすると隊商の護衛として彼もまた旅に出るのだが、そこで同行することになった冒険者の中の１人、女騎士レフィール・グラキスと会うのは２回目だった……。
ハドリアス公爵によってレイジたち勇者一行の囮にされ、魔族の軍勢の前に放り出されたスイメイたちの運命や如何に……？
異世界召喚チートものの王道展開です。
もともと異世界に紛れ込んだとか死んで転生系ではない、異世界召喚ものって「悪魔召喚」の逆パターンです。80年代あたりの海外ファンタジーでは、パロディの扱いだったんですよね。召喚したら悪魔じゃなくて人間が出てきたってのは。
今ではそれが定番ネタの１つになったわけですが、その一方で相手の勝手な都合で元の世界から引き離され、危険な仕事を強制されるってのに何で従うの？ もしかしてストックホルム症候群？……というツッコミをかわすためにいろいろ工夫されることになるのですが、この話ではレイジとスイメイの対比で語られていきます。
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