付け焼き刃の覚え書き

 本や映画についての感想とかゲームの覚え書きとかあれこれ。(無記名コメントはご遠慮ください)

「本好きの下剋上3」 香月美夜

2015-09-24 | 本屋・図書館・愛書家
 「本に囲まれて、本を読んで暮らすこと」を夢見て奔走するマインだったが、やっと紙作りが本格的に始まるという時期に「身食い」の病に倒れてしまう。ギルド長とフリーダから魔術具を買い取ることで一命を取り留めたものの、完治は無理で、生き残りたいなら貴族に囲われて生きるしかないと告げられる。
 再発までに残された期間はおよそ1年。
 最後まで家族とともに生きて死ぬのか、それとも家族の元を離れて貴族に囲われて生きるかの選択を迫られたマインだったが……。

「わたしは家族と一緒にいたかった。本を読みたかった。本を作りたかった。自分の生きたいように生きられないのでは、生きていても死んでいるのと同じです。意味がないですよ」

 1巻2巻の表紙イラストは、マインが見つけたり発明したアイテムで埋め尽くされていましたが、今回は家族の絆を問いかける巻にふさわしく、家族4人の光景です。とはいえ、あっさり暴走しちゃいます。
 ただ、考えなしに暴走するといっても、それはあくまでも「本」と「家族」に関してのみであり、その「現代日本人としての常識」「兵士の娘としての常識」「商人り常識」「神殿の常識」が交錯する中で、主人公がこれらの常識を踏まえようとしつつも結局、本好きゆえの暴走によって御破算になる展開が、この話の面白さなんだと思います。

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