付け焼き刃の覚え書き

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「世界をまどわせた地図」 エドワード・ブルック=ヒッチング

2017-10-01 | エッセー・人文・科学
 測量技術と検証能力が未熟で朝鮮半島とかカルフォルニアが島になっていたとか、ペテン師が存在しないプレスター・ジョンの王国をでっち上げたとか、そんな島とか街とか山とか川とか、地図に描いてあるのに存在しない場所を集めた1冊。以前に読んだ『地図から消えた島々』が日本の周りと南洋メインだったけれど、あれの世界版で美麗な地図が満載です。
 ただ、この「世界をまどわせた地図」というのは、別にエデンの園とかレムリア大陸とか、神話伝説やら大航海時代に限らないんですよね。『地図から消えた島々』でも、中ノ鳥島が実在しないと判明して削除されたのが1998年とか書いてあって愕然としましたが、こちらだとさらに、Googleマップを見たらニューカレドニアにサンディ島とかいう島があると載っていたので行ってみたら深さ1300mの海しかなかったとか、海底油田の領有で紛争が起きているメキシコ湾で調査に向かったベルメハ島が実在しなかったとか、21世紀の話ですよ。
 そうした島々や山脈や都市が生まれた理由から、その非存在が確認された過程までがぎっしり詰め込まれています。
 現在でも著作権主張のために存在しない街とか通りとか記載することもある……って、地図も100%あてにはならないもんなんですね。

【世界をまどわせた地図】【伝説と誤解が生んだ冒険の物語】【エドワード・ブルック=ヒッチング】【ナショナル・ジオグラフィック】
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