付け焼き刃の覚え書き

 本や映画についての感想とかゲームの覚え書きとかあれこれ。(無記名コメントはご遠慮ください)

「黒剣(くろがね)のクロニカ03」 芝村裕吏

2017-10-30 | ヒロイックファンタジー・ハイファンタジー
「わしも娘たちにちやほやされたい。それは男子の夢である。まあ、夢の全部でもなかろうが」
 マルクス・アウレリウス・アントニヌスの言葉。

 黒剣家の次兄オウメスの策略により、都市国家コフは骸骨兵が跋扈する死の国となり、近隣都市への侵略に動き出していた。
 陥落した都市ヤニアからなんとか脱出したフランと異形の娘たちは、起死回生の反撃を試みるのだが……。

 アトランティス大陸海没後の多島海世界を舞台にした、特殊性癖英雄譚の完結編。ひとことでいうと、神話級特殊性癖は世界を救う。
 身体が馬とか鳥とか魚とかでも、かわいい女の子なら思わずおっ立ってしまう神話級とか超神話級の特殊性癖の持ち主だけれど、読んでいて何より特殊性癖だと思ったのは、あれだけ些細なことで嫉妬に狂い、後ろ足で蹴って海に放り込む、棍棒でぶん殴って頭をかち割り、巨岩をぶつけて殺しに来るイルケをそれでもフランが「好き」と言い切れるところかな。
 すげーよ、フラン。あんた男だ。バカだと思うけど。
 愛の営みとか精子とかいきり立つとかのワードが乱立するけど、ちっともイヤらしくならないのはイルケのせい。

【黒剣(くろがね)のクロニカ03】【芝村裕吏】【しずまよしのり】【星海社Fictions】【超巨弾ファンタジー】
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする