付け焼き刃の覚え書き

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「白獅子仮面」 制作:大和企画

2017-10-09 | ホラー・伝奇・妖怪小説
 江戸の町を妖怪変化の軍団が襲った。江戸殲滅を企む火炎大魔王の仕業である。
 江戸八百八町を守る大岡越前は武装同心隊を結成し、妖怪退治にあたらせることにした。その隊を指揮するのは影与力・剣兵馬である。
 剣兵馬は二丁十手を交差させ、「獅子吼ッ!」と叫ぶことで白獅子仮面に変化し、妖怪たちに立ち向かうのであった……。

 大好きだった白獅子仮面。70年代特撮の破天荒な設定、兵馬を演じる三ツ木清隆の格好良さ、そして、それまで妖怪が単独で出現する作品が多かったけれど、5体10体と群で迫る迫力! でも、あえて2万円するBlu-rayを購入し、今もう一度見なおしてまで思い出補正をクリアにしたいかと言えば疑問だったのだけれど、中古で7割引にまで落ちていたので衝動買い。

 買って見た。

 低予算臭漂う全13話!
 そう、13話しかない。なのに解説で「もう少しストーリーのパターンが欲しかった」「企画の煮詰め方が甘かった」と言われてしまう情けなさ。基本的に、指示を下すだけの大岡越前。言われたままに動き、妖怪に驚いて逃げ回るだけの同心と岡っ引き。いつも怒っているお姫さま。そんなに凝らなくて良いから、人間関係にもう一ひねり欲しいよね。せめて主人公に相棒とかライバルとか。
 そして、これまたライナーノートで「根本的に予算が足りなかった」と言われてしまう微妙なチープさ。風景しか映らない画面でドタンバタンと乱闘音だけ聞こえてくる殺陣とか、一つ目入道の身体がなまっちろくて貧相だとか、最終回ですらバンクを使ってしまって同じ妖怪と同じ被害者が同じ構図で出てくるとか、ツッコミどころ満載。
 やっぱ、思ったとおりだったなあ……。
 でも、それでも好きなのは、解説が言うところの「大化けしたかもしれないポテンシャルを秘めている」あたりが理由かな。「二丁十手」というバカワードからうかがい知れるように、時代劇+西部劇を足して妖怪をかけてるんです。ポテンシャルはあると思います。きっと。
 そして、エンディングを飾るイラストは、60年代から70年代にかけて、歴史マンガやテレビ番組のコミカライズで活躍したマンガ家・古城武司によるものだけれど、こちらのコミカライズはないみたい。この絵を見ていると、白獅子仮面の「獅子」が歌舞伎の獅子から来ていると分かります。

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コメント (2)
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