「そんな風に怒ってないでねえ、お肉食べなさい。お肉食べればだいたい上手くいくから。いらいらするのはね、お肉を食べてないからよ」五十嵐課長は絡み酒。
スキーバスの事故で死亡した30名ほどは、とにかく探索者になって迷宮に挑めと、問答無用でまとめて異世界に転生させられた。後部有人もその１人だ。
とはいえ、デスクワークの30代男性の肉体のまま転生させられても、何ができるか分からない。とりあえず、必要性が高いにもかかわらず損耗率が高くていつも供給不足の支援職が良かろうと、漠然と後衛でと職業希望したところ、どこのどんなシステムがエラーを起こしたか、職業「後衛」と登録されてしまう。
それは職業とは違うんじゃないか……。
ひとことでいうと、ブラック企業の無茶ぶり上司がデレる話。ただし、鬼上司の前世での暴虐非道ぶりが８割減というあたりが笑いどころ。作者のリアル経験からのウェブ版描写があまりに非道すぎて評判が悪かったからだとか。両方読んでますが、さすがにリアルに非道で胃が痛くなりましたが、書籍版でもけっこうきついですよ？
新人探索者のアリヒトが正体不明の迷宮国で、他が戦士とか盗賊とか聖騎士とかヴァルキリーとかがいる中で「後衛」として支援職に徹する冒険譚。功績上げて序列が上がらないと、体力もろくに回復しない馬小屋で寝ないといけないあたり、ウィザードリイ・ライクです。
帯には「後ろで戦うだけで、戦力も好感度もＵＰ!?」とかあるけれど、「後ろで寝ているだけで勝手に支援が入るバグ仕様」でした。これはチートハーレムになっても仕方がないわ。
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