付け焼き刃の覚え書き

 本や映画についての感想とかゲームの覚え書きとかあれこれ。(無記名コメントはご遠慮ください)

「混沌の宮廷」 ロジャー・ゼラズニイ

2018-01-05 | 時間SF・次元・平行宇宙
「女と酒--死ぬ時にはこの2つがあればいい」
 コーウィンは常々そう言っていた。

 アンバーにオベロン王が帰還した。失踪したのは、すべて王子たちの行動を見極めるための手段であった。
 その行為に思うところがないわけではないコーウィンたちであったが、迫り来る混沌の勢力を抑えるべく、オベロン王は命を賭けたパターン修復を開始した。
 それぞれに役割を与えられ、数多の世界に送り出される王子たち。コーウィンもまた、地獄騎行ヘルライドによって混沌の宮廷へと送り出されていた……。

 今となっては「たった5冊」、合本にしたら2冊になりそうな字数の作品だけれど、その密度は濃厚にして甘美。混沌と法の対立する無限の世界を巡る攻防と大家族の愛憎劇、しっかり大作を味わったという気にさせられます。そのあたりは名人ゼラズニイです。

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コメント
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