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ノーラ・スコラは人工知能“魔王”相手に愛を説く。
ノーラ・スコラというヒロインを知ったのは、「月刊OUT」1979年2月号の特集から。70年代を代表する、SFマンガのヒロインですね。ポジティブで活動的な女性軍人。たいてい中尉。ちょい先の時代から遙かな未来まで、人類が滅亡の危機に陥るターニングポイントに出現します。登場作品は軍拡競争のさなか、人工知能を搭載した巨大空母をアメリカが就役させ、世界戦争の崖っぷちに立った『ノーラの箱船』、海洋汚染によって世界が滅びかけているのに大国の勢力争いだけが繰り広げられている『硫化海流』、異星人とファーストコンタクトしてしまった『ノーラの流れ星』、スラップスティック・スペースオペラの『トゥインクル・ノーラ』の4作品で、アニメ化は『ノーラの箱船』をベースに宇宙コロニーに舞台を移した『ノーラ』と、ノーラが賞金稼ぎのエスパーになる『トゥインクルNORA ロック・ミー!』の2作。アニメ版はキャラはあまり似てなかったけれど、声優陣は豪華。テーマ曲「夢飛行」がCD化されていないのは残念。
MF文庫版には『トゥインクル・ノーラ』以外が収録されてます。
ノーラはあくまで前向きに頑張る娘だけれど、状況は常に最悪なのでハッピーエンドでわーいという展開にはならないあたりが、いかにも第三次世界大戦の危機に怯え、公害に苦しんでいた70年代テイストの作品。『硫化海流』などは日本が壊滅したところから始まる話なので、いかにノーラといえどもなんともならないのだ。世界は救えなくても、せめて地球を救おう。
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