○アイリス 「VRMMOをカネの力で無双する」鰤/牙(HJ文庫)
ついに実用化されたバーチャルリアリティMMORPG「ナローファンタジー・オンライン」にエントリーしたのは、世界的な大企業グループの御曹司である石蕗一朗。彼はゲームに興味があったわけではなく、ハトコの中学生に頼まれてゲームプレイの手伝いをするためにすぎなかったのだが、やる以上は手を抜かないのが一朗だ。多忙な彼はゲームに時間をかけることができないので、それを課金で補った。「お金は僕の才能の一端だからね」と課金アイテムに湯水のごとくお金を使ってアバターのイチローをがんがん強化していった……。
『富豪刑事』とか『銀河おさわがせ中隊』とか『俺の空 刑事編』とか『薬師寺涼子の怪奇事件簿』とか『大富豪同心』とか、金の力で押し進む主人公の話で、そんな課金無双系主人公に目を付けられてしまったのがアイリス。
プレイヤーはデザイナー志望の専門学校生で、「ナローファンタジー・オンライン」でも錬金術師として生産職をほそぼそやってました。センスは良くないし、技量も高くない。けれどもデザイナーになる夢は諦められない。でも努力の方向が間違っている気がしますし、まともに努力したところで秘められた才能が開花するようには見えません。
けれど、センスの有無や技量のレベルと趣味に合うかどうかは別問題。イチローはそんなアイリスの作品が気に入ってしまい、あれよあれよという間に囲い込まれてしまいます。彼の装備をすべて自分好みにオーダーメイドするために、オリジナルデザインの防具やアクセサリーを生産するための拠点が設立され、テクニックもセンスもないのにすべて任されてしまった少女の悲喜劇。動き出すと課金チートで無双してしまう主人公に代わって、ゲームの中で七転八倒することになります。
キャラがチートでプレイヤーが大人で、そのままでは話が単調になりかねないところを、永遠に未完の大器っぽいアイリスが、無謀にも身の丈に合わない世界に放り込まれながら、その場の勢いでケンカを買い、ちょっと開き直って毒舌を吐き始めることで話が生き生きと動き出します。付いた呼び名が「邪神アイリス」。
とはいえ、その本領が発揮されるのは後日譚で外伝の『アイリッシュ・スナイパー』なので、こちらも書籍化して欲しいものです。
ついに実用化されたバーチャルリアリティMMORPG「ナローファンタジー・オンライン」にエントリーしたのは、世界的な大企業グループの御曹司である石蕗一朗。彼はゲームに興味があったわけではなく、ハトコの中学生に頼まれてゲームプレイの手伝いをするためにすぎなかったのだが、やる以上は手を抜かないのが一朗だ。多忙な彼はゲームに時間をかけることができないので、それを課金で補った。「お金は僕の才能の一端だからね」と課金アイテムに湯水のごとくお金を使ってアバターのイチローをがんがん強化していった……。
『富豪刑事』とか『銀河おさわがせ中隊』とか『俺の空 刑事編』とか『薬師寺涼子の怪奇事件簿』とか『大富豪同心』とか、金の力で押し進む主人公の話で、そんな課金無双系主人公に目を付けられてしまったのがアイリス。
プレイヤーはデザイナー志望の専門学校生で、「ナローファンタジー・オンライン」でも錬金術師として生産職をほそぼそやってました。センスは良くないし、技量も高くない。けれどもデザイナーになる夢は諦められない。でも努力の方向が間違っている気がしますし、まともに努力したところで秘められた才能が開花するようには見えません。
けれど、センスの有無や技量のレベルと趣味に合うかどうかは別問題。イチローはそんなアイリスの作品が気に入ってしまい、あれよあれよという間に囲い込まれてしまいます。彼の装備をすべて自分好みにオーダーメイドするために、オリジナルデザインの防具やアクセサリーを生産するための拠点が設立され、テクニックもセンスもないのにすべて任されてしまった少女の悲喜劇。動き出すと課金チートで無双してしまう主人公に代わって、ゲームの中で七転八倒することになります。
キャラがチートでプレイヤーが大人で、そのままでは話が単調になりかねないところを、永遠に未完の大器っぽいアイリスが、無謀にも身の丈に合わない世界に放り込まれながら、その場の勢いでケンカを買い、ちょっと開き直って毒舌を吐き始めることで話が生き生きと動き出します。付いた呼び名が「邪神アイリス」。
とはいえ、その本領が発揮されるのは後日譚で外伝の『アイリッシュ・スナイパー』なので、こちらも書籍化して欲しいものです。