
朝までの猶予もないかもしれないと帝国航宙軍アラン・コリント大尉は慌てた。
人間を食料とする昆虫知的生命体バグスと人類の帝国が戦いを繰り広げている未来宇宙。
超空間航行中のギャラクシー級戦艦イーリス・コンラートは謎の敵から攻撃を受け大破。唯一の生き残りとなった宙兵隊士官アラン・コリントが脱出ポットで降り立った星は、人類に連なる者が生息する、剣と魔法の世界だった……。
母艦のバックアップも装備も失った宙兵隊士官と片手片足を失ったお姫様がパーティーを組み、勝手の分からない土地で活動基盤を築いていきます。
かつてはブラッドリーの『ダーコーヴァ年代記』とか、ノートンの『スター・ゲート』とか、『スタートレック』の未開文明潜入回とか、宇宙空間を航行できる文明と中世的な文明ながら魔法のような能力が存在する世界との交流をテーマにした話はちょくちょくありましたが、最近では珍しい気がするSF王道+ファンタジーお約束の融合作品。キャラクター的にはコリント大尉がシェールの『地球への追放者』のトロントゥル提督とドクター・アブロットを足して割ったような感じですね……と、あまり分かってもらえそうにない比喩をしてみたり。
個人的には今年のベスト作品。
【航宙軍士官、冒険者になる】【伊藤暖彦】【himesuz】【エンターブレイン】【異星ファンタジー超大作】【ナノマシン】【バーチャルリアリティ】【ペットボトル】【盗賊狩り】